東浦から富士山が見えるか?・・・数学的考察
ぼちぼち冬も終わりに近づいて、花粉の飛び交う季節になってきました。毎年冬になって空気が澄んでくると「東浦から富士山が見えた」とか「見えない」とかいう話題が出ますが、今年はあまり空がクリアな日が少なかったせいか「富士山が見えた」という話は聞きませんでした。
以前、「東浦から富士山が見えるか?」で、富士山が本当に見えるかどうかを話題にしました。その後も「広報ひがしうら」特派員報告で富士山に触れた記事がありました。今では、東浦からは富士山が見えないのが定説になっていると思います。
それでも、東浦町から富士山が見えると言う話を耳にします。本当に富士山が見えるかどうか数学的に考察してみたいと思います。夢のままにしておきたい方は読まないことをお勧めします。
<山の高さと地球の丸さ>
富士山は東浦から約170㎞離れています、その間には標高約1000mの三河の山地と標高約2000mの南アルプス南部の山塊が横たわっています。地球が完全な平面であれば、図を描けば一目瞭然、標高3776mの富士山はこれらの山地越しに見ることができるわけです。
しかし、地球は球でできています。「そんなばかな、地球はとてつもなくデカイのだからそんな影響は無視できる」と考えがちなアナタ・・・!!実際にピタゴラスの定理を使って計算してみましょう。
地球を半径6400㎞の完全な球だと仮定して式を立てると下の図のようになります。東浦と富士山の距離(図では”d”に相当)を170kmとすると、地平線と地表面との距離は約2.26㎞。すなわち地表面が約2300mも下がることがわかります。富士山は地平線上に約1500mしか頭を出すことができません。手前にある山々に遮られてしまいます。(この後さらに、南アルプス南部の山塊と三河の山々が地平線上にどれだけ頭を出すかを計算し、それらを比較すれば、東浦の上空何mまで上がれば富士山を見ることができるかもラフに計算できると思いますが、今回は省略します。)
東浦町にも冨士に由来した地名がありますが、これは”願望”でつけられた名前だと思います。名古屋にも富士見町という地名(たしか気象台あたり?)がありますが、名古屋市内から富士山は見えないはずです。
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以前,中日新聞に東浦から見た富士山ということで,写真が掲載されました。写真を撮った場所は役場近くの高層マンションだと思われます。同じ写真を自分もそのマンションから撮ったので間違いないでしょう。写真に写った富士山は,実は富士山ではなく,南アルプスの間ノ岳で,富士山とは角度がかなり違っていました。よって,東浦から富士山は見えません。知多半島で見える可能性のある市町は,半田市南西部,常滑市,武豊町からならおそらく富士山を見ることができるでしょう。
投稿: 富士 遙 | 2012/07/25 14:28
富士 遥さま
コメントありがとうございました。
おっしゃるとおりです。当時、自分のホームページ
http://homepage3.nifty.com/kamiya-a/fuji.html
にも書きましたが、中日新聞に掲載された写真は間ノ岳だと思います。悪沢岳あたりの山を富士山と勘違いする例もあるようです。
知多半島のどの辺りから富士山を見ることができるかについては、
http://kamiya-a.cocolog-nifty.com/turezure/2012/01/post-4d29.html
をご覧ください。詳しく調べている方がいらっしゃいます。
投稿: 神谷 | 2012/07/25 19:45