自然環境学習の森ワークショップ(第1回目)に参加して
東浦町が主催する「(仮称)自然環境学習の森ワークショップ」に参加しました。今日はその第1回目です。
このワークショップは、現在、県が竹林の間引きと管理歩道の整備を進めている「自然環境学習の森」について、今後この地区をどう保全し、自然環境を再生していくか、市民のアイディアを活かした計画づくりを進めるためのものです。
参加者20人程度を募集したところ、出席者は15人(うち2人は都合のため今日のみの参加)。多くの方が炭焼きや生物観察など、日ごろ環境に興味を持って活動していらっしゃるようでした。参加者の中には小学生も。また頼もしいことに町外からも、力になろうと参加して下さった方がいらっしゃいます。これと、自然観察会のメンバーで、それぞれ鳥や虫や魚、植物などに詳しいアドバイザーの方が6人、町の担当部署の方が10人の総勢30人ほどで役場に集合。
自己紹介と簡単な説明の後、ワゴン車に分乗して現地に向かいました。本降りだった雨も現地に着くころには小降りになり、しっとりとした里山の中を、トンボやクモや草木に詳しい方から説明を聞いたり、役所の担当者から整備の状況を聞いたりしながら楽しく散策することができました。
谷の脇を流れる水路(主に液晶ディスプレー工場からの排水)には木柵がしてあります。雨のためかなり増水しています。
谷の出口方面には新池があります。宗教施設の建物が景観を遮っています。以前ここには小山がありました。
ここより谷の奥はよく手入れされた水田です。谷の水を使った昔ながらの田越しの灌漑です。水の中にはタニシがいっぱいいます。
竹林がはびこって日照をさえぎられた木々は枯れてしまっていますが、ところどころにコナラなどの大木が残っています。この木には以前、オオタカが営巣していたそうです。
ほど近いところには狐の巣穴がありました。今は空き家のようです。
昔の池の跡です。ここから用水路跡が伸びているところをみると、この辺りは階段状の山田だったのでしょうか。
竹はほとんど孟宗竹ですが、ところどころ竿が細くて節が(二重で)一定間隔の竹が混ざっています。マダケかハチクかどちらでしょうか?
この池は健在です。竹を刈れば明るい場所になるでしょう。
タツがえぐれてきていますので少し直したほうが良いかもしれません。
水田のさらに上流側は耕作放棄で草地(湿地)になっています。ここをどのように再生するべきでしょうか。とってつけたような「いかにもビオトープ」にはいささか抵抗を感じます。無理にどうこうするというよりは時間をかけて取り組んではどうでしょうか。
遮るものがないので液晶ディスプレー工場の騒音がかなり気になります。一応、工場造成時に斜面に植栽を施したようですが、樹種の選定が悪いためか全く育っていません。工場の斜面には里山型の高木広葉樹を植えてはどうでしょうか。
ここはもともと町道で荒れていたのを藪を刈って通行できるようにしたところです。この脇の奥にも小さな池があります。
町道をさらに進むと、谷の源流部で農免道路の法面に突き当たって行き止まりになります。現状はあまり目立ちませんが、農免道路は近い将来、現状の2倍近い幅員十数mに拡幅される計画があります。自然環境や景観に与えるインパクトは極力とどめたいものです。
道端に生えていたカナムグラ。ホップの仲間でよく似た実がなるそうですが、ビールはできないそうです。
役場に帰ってから、自然環境学習の森の保全活動の在り方や、やってみたいこと、必要だと思われる施設など、気のついたことをシートに書き込んで今日のところは解散。
次回はグループに分かれてディスカッションを予定しています。メンバーは皆熱心ですし、とても良い集まりになりそうな印象を受けました。
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» 明日は名古屋国際都市問題研究会6月例会で神谷明彦さんのお話 [あたけのぶろぐ]
ここのところ、あたけぼね本格売り出しに向けてマニュアル改訂などを行っていますが、今日の成果の一部。
このシステムを使った折りたたみ椅子を発売できないかというお話もありましたが、中国製のアウトドア用折りたたみ椅子かなり大きなものでも1000円切っていたりするので太刀打ちできません。
デザイン性を生かして、チタンとレザーで数万円という価格設定の椅子を出せないかと思うのですが。きっときれいなのができます。と言ってないで実際に自社で試作しないといけないのかもしれません。
さ... [続きを読む]
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わたしもワークショップに参加しました。一般公募の参加者は14名(内欠席者1名)。本日のみの参加者3名(内欠席者1名)。アドバイザーとして知多自然観察会の各分野(鳥、魚、植物、昆虫など)の専門家の方々計6名。町の事務局10名。公募でどんなメンバーが集まるかと興味深々でした。ふたをあけてみると、シルバー関係者で炭焼きをやっている方々5名、里山保存に興味ありそうな人に呼びかけて個々に応募した人が私を含めて4名、小学生1名、その他数名。女性は小学生の付き添いのお母さんを含めて4名(少ないよ~)。年齢は若い人は小学生1名のみ。あとは私たちの知人の40代数名、その他の方々は60代~。偏りがありますね~。これから里山を守っていって欲しい、20、30代の人や小中学生もたくさん参加してほしかったな、と思います。参加したくても都合がつかなかった人も結構いたのではないかと思います。
まずは、計画地の概要説明を受けて、それから現地へ。大雨の中、出かけました。現地に着いたら小雨になり、なんとか歩くことができました。歩きながら町の職員の説明を聞き、動植物を見つけながら知多自然観察会のアドバイザーの方々の話を聞き、さながらミニ事前観察会のようになってきました。その頃には雨も上がり、しっとりとした空気の中、森の木々に囲まれ、鳥のさえずりに耳を澄まし、昆虫を見つけながら散策。もうすでに、こんな風に歩けるだけで幸せ気分。こういうのを体験する場にしたいのです。
県の治山工事の一環ですでに側溝や水路の柵などが一部造られていますが、木製でとても感じの良いものでした。町職員の方々ともいろいろ話をしましたが、みなさん基本的な考え方は同じみたいで、安心しました。
第2回目でどのようにまとまるかわかりませんが、必要以上に人工建造物を造らず、なるべく今の里山の原風景を残して、竹林や下草の手入れなどに力を入れてほしいと思っています。
投稿: N | 2008/06/22 16:16