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2008/10/15

ブータン王国に行ってきました。

お休みを取ってブータンに行ってきました。インドとチベットに挟まれた素朴なヒマラヤの山国です。国王はGNP(国民総生産)ではなくGNH(国民の総幸福度)の向上を国家目標に掲げ、自然環境と伝統文化を守りつつ持続ある社会の発展を目指しています。我々先進国はこれまで対前年売上や時価総額などひたすら物質主義的な金額増大を追求してきましたが、空虚な信用膨張や信用収縮を目の当たりにする中で、本当の幸せとは何かを考える時期に来ているのではないかと感じます。

1974年まで鎖国状態にありましたが、1972年に先王の急死後16歳で即位した第4代目のジグメ・シンゲ・ワンチュク国王が独自の近代化を進めてきました。
国王は、経済成長や金銭、物質的価値を追求するGNPではなくGross National Happiness(国民総幸福度)の追及を国是に掲げ、手段の一つにすぎない経済成長を目的化してはならないと戒めています。GDHの客観的指標化は困難ですが、4つの開発原則(公平な社会経済開発、伝統文化の保護・振興、自然環境の保全と持続可能な利用、市民参加型の統治)と、9つの要素(living standard、cultural diversity、emotional well being、health、education、time use、eco-system、community vitality、good governance)を掲げ、指標化を検討中だそうです。

また、国王自ら民主化を宣言し、新憲法を制定、議会制民主主義に移行した。国王定年制を唱える国王は2006年に65歳を待たず51歳で、26歳のジグメ・ケサル・ナムギャル・ワンチュク新国王に譲位し、2008年11月に戴冠式が行われることになっています。

小学校から英語で授業を行う一方、伝統文化を重んじ、民族服の着用や伝統的な建築様式が推奨されています。教育費と医療費は無料。国内でのたばこ販売は禁止(公共の場での喫煙は禁止されているが家庭での喫煙は可能)。プラスチックバッグ(いわゆるレジ袋)の廃止など、その今日的な政策は注目に値します。

面積は九州と同じくらい。人口は約70万人。首都ティンプーの人口は7万人程度。

・人種は約6割がチベット系のブータン人

・宗教はチベット仏教系のカギュ派の中のドゥルック派が国教となっている。ヒンドゥー教徒もいる。

・言語は、ネパール語、英語、ヒンディー語、地方の言語などたくさんあるが、公用語はゾンカ語、第2公用語は英語。小学校の授業ではゾンカ語の授業以外は英語で行われる。

・通貨はニュルタムで、インドルピーと等価。1ニュルタム=約2.5

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コメント

まず、GNHの中にcommunity vitalityやgood governanceが入っていることが、意味深いと思いました。また、もっていたイメージと異なる今日的な政策に驚いています。

そして、「ブータン紀行」を拝見しましたが、大変な力作ですね!唐辛子と携帯電話という両極端でありながら、まだまだ大自然の中で暮らしているこの国の人々に、親近感を覚えました。

最初は「なぜ神谷さんが、よりによってブータンに?」と思いましたが、紀行文を拝読して納得がいきました(o^-^o)

私は、もともと「山の奥地」が好きなのです。理由はわかりません。

インドやタイをよく訪問している隣まちのお坊さんが、「今度ブータンに行くけど、確か以前行ってみたいと言ってたよねえ?」と誘ってくれたので即決しました。

おっしゃるとおり、政策は、今日的というか、示唆的、未来的で、地方自治体にとっても参考にする余地が十分にあると思います。

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