川の全国シンポジウム 淀川からの発信
秋は行事が本当に多い。今日はコミュニティまつりだ。私はうどん屋さん担当。申し訳ないが、お昼前に失礼して、京都大学で開かれている「川の全国シンポジウム」に参加。
お昼過ぎに着いたら、100年記念講堂は満席、立ち見も出る状態で大盛況。
多くの発言者が、治水、利水についての決定権を国土交通省から住民の手に取り戻すこと、建設目的のはっきりしないダム事業を中止することを訴えた。
前委員長の宮本さんが建設官僚だったころに立ち上げた淀川流域委員会の現メンバーから、国が答申を無視してダムありきの姿勢に先祖返りしてしまったことを批判。
京都弁護士会からも、流域委員会の答申を待たずに暴走している国の違法性を指摘する意見書が出た。
大阪、京都、滋賀の3府県の知事の講演もあった。あいにく橋下徹大阪府知事は都合のため欠席。その代りに地域を無視した国の干渉を批判する旨の文書が紹介された。
元総務官僚の山田啓二京都府知事は国の河川行政の問題点を指摘、地方意思の尊重を訴えた。
つづいて嘉田由紀子滋賀県知事は、川と人のかかわりを再生したいと語り、客観的なデータを示しつつ、行政だけでは同時多発の水害被害を防げないこと、自助・共助・公助の流域連携が必要なこと、ダムに頼らない流域治水が必要なこと、効果が見込めない淀川水系4ダムの建設事業への疑問と、何十年も苦しめられてきた建設予定地の地元住民への配慮を訴えた。
淀川流域以外にも、五木の子守唄で知られる球磨川上流の川辺川ダム計画、本体工事に入る前に当初の全体計画をはるかに上回る4500億円をつぎ込んでしまった利根川水系の八ッ場ダム計画、知事が代わって脱ダム宣言が撤回されてしまった長野県の事例報告などがあった。
1日目の最後のプログラムは、川辺川の五木村や八ッ場ダムで水没することになっている川原湯温泉を訪ねて住民との交流を持ってきた加藤登紀子さんのトークショー。しめは、旧知の嘉田知事とのデュエットだった。
2日目は、淀川流域委員会前委員長の宮本博司さんと各政党の国会議員とのトーク。ただし、出席があったのは民主党の前原さんと共産党の穀田さんのみだった。
東京大学瀬戸演習林の蔵治光一郎さんからは、根拠のないダム建設への批判と、愛知県で計画中の設楽ダム、揖斐川導水計画などの問題点の指摘があった。
学生や市民ボランティアグループによる川と市民の触れ合いのための取り組みの事例発表をリレー形式で行った後に、京都宣言の発表でシンポジウムが締めくくられた。プログラムは下記の通り。
> 「川の全国シンポジウム-淀川からの発信-」
>
> 開催日:平成20年11月2日(日)~3日(月・祝)
> 会 場:京都大学 百周年時計台記念館
>
> 11月2日(日)
> 1000-1010 オープニング・セッション
> 開会挨拶(10分)
> 実行委員会委員長 川那部浩哉
> 1010-1140 基調講演
> 河川法改正の意義(講演40分 質疑5分)
> 弁護士・龍谷大学法科大学院教授 寺田武彦
> 広域行政の必要性(講演40分 質疑5分)
> PHP総合研究所代表取締役社長 江口克彦
> 1140-1300 昼食休憩
> (会議室Ⅳでのポスター展示をお楽しみください)
> 1300-1500 淀川水系流域委員会からの発信
> 報告 淀川水系流域委員会が目指す新たな川づくり(現元委員からの発信 45分)
> 全般(芦田) 環境(中村) 治水(今本) 利水(荻野) 利用(川上) 住民参加(三田村)
> パネルディスカッション:淀川水系流域委員会の実態(準備5分 ディスカッション70分)
> 宮本博司(経緯)+三田村猪佐武(進行)+竹門康弘+千代延明憲+細川ゆう子
> +山下淳+村上興正+村上悟+谷内茂雄
> 1500-1550 出席者からの発信①(1人10分)
> 大熊孝+姫野雅義+渡辺洋子+つる詳子+北山早苗+草島進一
> 1600-1730 特別講演
> 河川と地方分権 京都府知事 山田啓二
> 近い水を取り戻す河川政策-滋賀県の治水政策の今- 滋賀県知事 嘉田由紀子
> 1730-1830 特別出演 川への想いを語る(講演60分)
> 川への想いを語る UNEP親善大使 加藤登紀子
> 1830-2000 懇親会(京大吉田生協・参加費3000円)
>
> 11月3日(月・祝)
> 1000-1200 河川法改正の趣旨は活かされているか(司会進行:川村龍一)
> 講演&インタビュー:
> 前原誠司(民)+穀田恵二(共)+各政党代表者(依頼中) (1人10分)
> 京都弁護士会会長 石川良一(15分)
> 元国土交通省河川局専門官・前淀川水系流域委員会委員長 宮本博司(15分)
> フリージャーナリスト まさのあつこ(15分)
> 1200-1300 昼食休憩(時計台ホールで「みずになったふるさと」を上映します。弁当持込不可)
> 1300-1400 特別報告
> 全国における流域委員会の実態(30分)
> 東京大学 愛知演習林 講師 蔵冶光一郎
> 水制度改革国民会議について(30分)
> 水制度改革国民会議理事長 松井三郎
> 1410-1500 出席者からの発信②(1人10分)
> 市民グループによる事例発表(依頼中)
> 1500-1520 クロージングセッション
> 総括報告(15分) 実行委員会委員長 川那部浩哉
> 京都宣言(5分)
川の全国シンポジウム 淀川からの発信HPhttp://kawasympo.s294.xrea.com/
yurika.net BLOG(川の全国シンポジウムのレポート)http://yurika-net.sakura.ne.jp/blog/index.php?mode=res_view&no=42
淀川水系流域委員会HPhttp://www.yodoriver.org/index.html
京都大学100年記念講堂 吉田寮は今でも健在 正門前の食堂の599円ランチ
帰りは、特にあてもなく吉田神社から真如堂、金戒光明寺を通って平安神宮まで歩いた。写真は京都市内を見下ろせるところにある金戒光明寺の文殊塔。
私は、子どもの頃、
かなりのダムオタクで、高度成長期の中、新しいダムができるたびに心を躍らせていました。しかし、そんな私でさえ、もはやダムの有効な建設地点を開発し尽くして、なおかつダムを造り続けようとする国の姿勢には絶望的なものを感じざるを得ません。電力会社が発電利用を断念したようなところまで、大ダムを造ろうとするのは正気とは思えません。水道水が余ってきたため利水目的も根拠を失い、残る根拠は科学的説明が困難で恣意的な推測に頼らざるを得ない治水目的しか残っていません。その治水でさえ、なおざりにされてきた下流域の堤防強化や、床下浸水を容認する総合治水対策をとったほうが、有効かつ低コストであるとの指摘がなされています。
日本全国を見てみると、いまだにいたるところにダム建設計画があるのがわかります。
今、話題の川辺川ダムの建設計画以外にも、
史上最大のコストが見込まれる利根川水系の八ッ場ダム(中和施設で中和しなければならない草津温泉からの酸性水の流れる吾妻渓谷に40年?続く大ダム計画、両岸は地盤のゆるい崩落地帯、川原湯温泉街を丸ごと移転、国道、JRも水没予定地から付け替え)
愛知県では、設楽ダム(ダムのない寒狭川に高さ129mのダム)
・・・まだまだあります。いったいどこまで造れば気が済むのでしょうか・・・。
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