木曽路はすべて山の中
松本に用事があって、中央線に乗った。
中津川からは木曽川沿いに鳥居峠の分水嶺までひたすら川をさかのぼる。木曽川は明治・大正期に電源開発が始まって、開発され尽くした川だ。福沢桃介が電源開発に情熱を注いだ話は有名だ。途中、優に10箇所を超える水力発電所が車窓から見える。
そのうち最大規模の読書(よみかき)発電所は、いまはトンネルに入るので電車からは見えない。昔の中央線は発電所の背面にある水圧鉄管の上を鉄橋でまたいでいたのでよく見えた。このあたりから下流の区間は、木曽川の谷が迫り、斜面に生える木々も立派で、中央線で最も景色の良いところのひとつだった。SLが走っていた頃は写真撮影のスポットにもなっていた。この区間の険しさゆえか、旧中仙道は川筋を避けて馬籠峠越えのルートを通っている。
左:産業遺跡として国の重要文化財に指定されている読書発電所はいまも現役。
右:発電所背面から見たところ。旧中央線の線路敷が残っている。
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