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2009/11/05

ごみ焼却場の見学

東浦町と大府市、豊明市、阿久比町で構成する東部知多衛生組合の議会の視察で、名古屋市鳴海工場(名古屋市が持っているごみ焼却場の1つ)と刈谷知立環境組合クリーンセンター(刈谷市と知立市が共同で運営しているごみ焼却場)を見学した。

東部知多衛生組合の焼却施設はあと10年の寿命とされ、10年後には新たな焼却施設の建設が必要とされている。埋立て処分場の新規立地が難しい中、焼却残渣の減容化のために、焼却残渣を千数百度の熱で融解してしまう熔融炉が必要になると言われている。そこで、最新の焼却施設を見に行くことになった。これまで、視察と言えばわざわざ泊まりで県外まで出かけていたのだが、愛知県内で十分見学できるのだから近所の施設を日帰りで廻るのは当然だろう。

鳴海工場は、1つの炉で、ごみの焼却と残渣の融解を行い融解物を水の中に注ぎ、金属と道路の路盤材などに使えるスラグを回収するガス化熔融炉で、新日鉄など7社で構成する特殊目的会社にPFI方式で建設と運営を任せている。

刈谷工場は、実績と安定性を重視し、従来型のストーカー炉と、そこから生じる焼却残渣をアーク放電で融解する熔融炉との組み合わせ。刈谷市と知立市で構成する刈谷知立環境組合の直営で、運転管理を民間会社に委託している。

ワンポット方式のガス化熔融炉か、それとも焼却してから別の炉で熔融する方式か?
PFIか直営か?
処理性能、経済性、安定性、安全性などを精査する必要があるだろう。それにしても、10年後のごみ処理事情はどうなっていることだろうか。

各地で、ごみ減量が進み、焼却炉のキャパシティがダブついているとも聞く。名古屋市の責任者からは、災害時やメンテナンス時に余裕のある炉を融通しあう協定の提案もあった。

そんなに炉が余って来るならば、ごみ処理圏をもっと広域にして、新しい炉の建設をやめればよいのにと思う。ただし、広域ごみ処理圏の拡大は、ごみを持ち込む側と持ち込まれる側という構図を生むことになるので、住民の理解を得るのが難しいとの指摘もある。

焼却炉の技術的な進歩も見逃せない。小規模ながら火力発電施設が併設されるのは当たり前になった。ごみ処理日量300トンクラスだと、売電で年間3000~4000万円ほどの売り上げがあるそうだ。といっても、炉の建設費は100億円以上、運転経費は年間15~20億円にも上るという。

熔融炉の場合、回収される金属の主成分は鉄だが、銅が10%弱も含まれていたりするのだそうだ。もちろん金やプラチナやレアメタルもわずかながら含まれている。そういう意味ではまさに「都市鉱山」なのだという。皮肉なことに、分別をしないほうが希少な金属の含有量が増えて高価になることもあり得るそうだ。ただし、リサイクルするには、遠隔地の精錬所に輸送せねばならないので、コストが高くついて現時点では実用的ではない。クリーンセンターのとなりに精錬所があれば良いのだろうが、都市の真ん中に鉱害施設などつくれるわけもない。

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コメント

大変参考になる記事を有難うございました。

各地でごみ減量が進んでいることは歓迎すべきであるのに、焼却炉キャパのダブつきを生かせないとすれば、非常に残念な話です。

米・ワシントン州でゴミ埋め立て場の視察をしたことがあります。そこでは、ゴミをサイコロ状にスクラップして貨物列車に乗せ、隣町の埋め立て場まで運んでいました。ゴミを持ち込むにあたっては勿論お金を支払っているわけで住民訴訟等の話は聞きませんでしたが、ことによると当初は反発があったかもしれません。

名古屋市鳴海工場のHPには見学の申し込み先まで掲載されていたので、そのうち私は焼却炉見学マニアに転向するかもしれません。

投稿: 某傍聴マニア | 2009/11/09 23:27

なんでまた、ワシントン州のダンプヤードを??
ちょっと興味がありますねえ。

投稿: かみや | 2009/11/12 20:50

さぁ、なんで ですかねぇ?

投稿: 某傍聴マニア | 2009/11/13 01:14

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