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« 地方議員年金制度は破綻状態。 | トップページ | 東浦町のまちづくりについての中学生アンケート »

2010/01/20

地方議員年金制度は破綻状態。なのに当事者の地方議会は他人事??

地方議員年金の問題に関して、昨年12月定例議会の議会運営委員会にオブザーバー参加した私が、「議員年金の廃止は一刻の猶予もならない。事務局に年金の実態を調べてもらい。議員全員で当事者意識を持って話し合うべき。」と意見したのが認められ、12月21日(定例議会最終日)に議員総会が開かれました。

資料を見ながら、出した結論は、「早急に議員年金廃止の意見書を出す。(1月29日に臨時議会が予定されている。)」だったはずでした。自民党議員も共産党議員も(清算方法などを議論するのは後回しにして)まずは一刻も早く年金を止めねば、ということで意見が一致したはずでした。

ところが、その直後に開かれた議会運営委員会で、自民党も共産党も、「国に訴えたところで、議長会がウンと言わなきゃ始まらない」「まず議長会にお伺いを立てなきゃ」「他市町の動向も見たうえで」などと言いだして、議長も「まず、1月29日の臨時議会が終わったら、議長会に廃止したらどうか聞いてみます。意見書を出すのは3月議会をめどに。」と腰砕けです。

そこで、私たちの会派3名(平林由仁、齋吉男、神谷明彦)は、議長あてに文書で、国と議長会に廃止の意思表示を早急にすることを提言しました。そして、1月29日に予定されている臨時議会に「地方議員年金制度の廃止を求める意見書(案)」を提出するつもりです。「提言」および「意見書(案)」の内容は以下に示したとおりです。

もうすでに、全国いくつかの議会で地方議員年金の廃止を求める運動が起こっています。この期に及んで当事者である我々地方議会は行動を先延ばしにしてはならないと思います。

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   地方議会議員年金の廃止に向けた早期の対応を求める提言、
   および意見書案の提出

12月21日に開催された議員総会で、東浦町議会議員の総意として、破綻が確実視される中で一刻の猶予もないこと、そして、議会として早急に地方議会議員年金の廃止を求めていくことを確認しました。

全国で3万人の議員が9万人の受給者を支えるいびつな構造が維持できるはずはありません。住民の税金をこれ以上いたずらに投入することは到底許されません。また、処理が遅れれば遅れるほど年金財政が悪化し、清算すらおぼつかなくなることは言うまでもありません。

しかしながら、その後開かれた議会運営委員会では、1月29日の臨時議会終了後に、全国町村議長会に廃止を求める通告をすること、3月定例議会で意見書を採択することを方向付けたのみで、早急な対応とは程遠いと言わざるを得ません。

2年で破綻するといわれているときに、「3月議会で」などと言って3ヶ月も先送りするような悠長なことを言ってはいられないはずです。また、議員年金の廃止には法律改正が必要なため国に対する早期の働きかけが必要なことは言うまでもありません。東浦町議会として早期に関係機関に向けて地方議会議員年金廃止を求める意思表示をすべきです。

よって、東浦町議会は、全国町村議長会に対して直ちに議員年金廃止を求めることを文書で通告し、直近の1月29日の臨時議会で「地方議会議員年金制度の廃止を求める意見書」を採択すべきと考えます。

これに先立ち私たち3名は、「地方議会議員年金制度の廃止を求める意見書(案)」を提出します。同意見書の内容は、議員総会で開陳された議会事務局案に準じたものが適当と考えます。

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   地方議会議員年金制度の廃止を求める意見書(案)

地方議会議員の年金制度は、地方公務員等共済組合法に基づく相互年金制度として40年を超える歴史を有しており、退職議員やその遺族の生活安定のために大きな役割を果たしている。

近年、地方議会の議員数の減少や年金受給者の増加等により年金財政が厳しい状況にあったことから、平成15年度には給付水準の2割引き下げや会員の掛金率の引き上げ等が実施されたところである。

さらに、市町村合併の進展等に伴い、議員数が減少する一方、退職議員の増加により年金受給者が大幅に増加したこと等から、平成19年度には、地方議会議員年金制度の長期的安定を図るため、給付水準の引き下げや負担の引き上げのほか、合併による激変緩和策として特例負担金の上乗せ措置などが実施されたところである。

しかしながら、町村議会議員年金財政は、平成19年度においても184億円の赤字が生じ、非常に厳しい財政状況となっている。これは、先の制度改正における市町村合併の影響に対する措置が不十分であったことによるものと考えられ、今後も継続的な損失金が生じ、地方議会議員年金制度の存続が憂慮されているところである。

このような中、地方議会議員年金制度は、議員に対する厚遇処置ではないかとの批判があがっている。社会保障制度の充実は喫緊の課題であるが、公的年金制度とは性格や中身を異にする議員年金制度である。地方自治体の財政が逼迫する中で、改善の見込みのない議員年金に対するこれ以上の公費負担は許されない。

地方議会議員年金制度の廃止に向けた議論に当たっては、議員年金への加入は法によって強制されているとこに鑑み、年金受給者への給付金、有資格者の受給権及び現役議員への返還金など、多くの課題を早急に整理、検討し、地方議会議員年金制度の廃止に向けた方向性を一刻も早く示すよう要望する。

提出先  内閣総理大臣、内閣官房長官、総務大臣、衆議院議長、参議院議長

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コメント

年金制度の破綻は、議員年金に限ったことではないため、破綻を理由に制度廃止を求めてよいものか、当初、私はわからずにおりました。でも、アップしていただいた記事を拝読するにつれ、公的年金との重複加入等、まさに特権でしかありえない議員年金制度というものの実態を知り、これは悠長に様子をみている場合ではないとわかりました。あとは、既得権解消に向けていかに整理するかですね。議会としての素早い対応を期待します。

確かに、年金を頼りに生活をしている人もいるでしょうから、全くなくなれば影響は大きいものと思われます。影響を少なく抑えようとすれば、たとえ廃止しても莫大な税金投入(一説に1兆3千億円)が必要となるでしょう。市町村合併による議員の激減は国の政策のせいだとして、国に補償を迫る動きもあります。

しかし、右肩上がりの社会構造を前提とした制度設計はもはや成り立たないのは明らかです。

地方議員年金は、国民年金や厚生年金などの公的年金や他の議員年金との重複受給ができる、遺族年金がある、受給資格が12年で取れる、受給資格を満たさなくても一時金があるなど「特権的」だといわれています。

財布の中身がマイナスになるというのに、受給権という財産権を楯にとって、もっぱら受給者の既得権を主張する声もありますが、現に掛け金を払っている人、若手の議員やこれから議員になる人から強制的に取って、受給者に回せばよいという考え方は、むしろ法のもとの平等に反するのではと私は思います。

(これは非常に意見が分かれると思いますが、)そもそも議員は職業なのでしょうか??
私は、長老議員が期数を重ねて居座るよりも、若手や女性も含めていろんな立場の人が(もちろんマジョリティーであるサラリーマンも)もっと気楽にボランティア的に2期か、せいぜい3期務めて、人が入れ替わっていくほうが良いのではと思います。
年金よりも、会社に勤めながら議員ができる制度、議員になって会社をいったん辞めても復帰できる制度が必要だと思います。
もちろん、年金掛け金を払わずに済めば、その分の報酬を貯金に回すこともできます。

この度は意見書案の提出及び賛成討論、お疲れ様でした。反対意見はどんなものなのか楽しみに(!?)していたのですが、「ゆっくり議論しましょう」式の問題先送り論があったのみで、とても残念でした。反対理由を明確に述べることなく、ただ「賛成少数」という理由のみで決議される様子には、非常に違和感を覚えました。

さて、「現に掛け金を払っている人、若手の議員やこれから議員になる人から強制的に取って、受給者に回せばよいという考え方は、むしろ法のもとの平等に反する」というご指摘、大変説得力がありますね。これに対する反論があるとすれば、相互扶助の精神でしょうか。でも、若い人にこれ以上借金を担わせてよいのか、そこが問題です。

「議員は職業か?」について。国会議員と地方議員でも異なるでしょうが、現在、議員を職業として務めておられる方は何割くらいなのでしょうか? また、もっと気楽にボランティア的に務めて人が入れ替わっていくためには、まず何から変えていけばいいのでしょう。会社に勤めながら議員ができる制度等も必要ですが、「魅力ある議員活動」であることもボランティアを募るには大事な要因に思えます。

議員が魅力ある活動ができるかどうかは、やり方次第だと思います。議会の承認がなければ首長は何もすることができません。まさに意思決定機関なのですが、その権能を十分に生かしていないところに問題があると思います。

議員が会派を作らないと議会運営に口出しさせないとか、通告しないと発言できないとか、議長は1~2年でたらいまわしにするとか、議会自身が、活動を不活性化するような慣例をたくさん作って、首長とまともに対峙することを避けています。

それから、議会が議論をする場になっていません。議員全員で議論して合意形成を図る習慣が希薄です。国や県や上部組織の指示待ち状態で思考停止状態に陥っているケースも見受けられます。これでは議会は儀式化してしまいます。

日本的談合体質といえばそれまでですが、喧嘩するよりも首長と仲良くして、小っちゃなお願いを聞いてもらったほうが得だといったところでしょうか。

また、市民が、議員を市民としての1つの役目といった感じには捉えていないことも問題です。「先生」という言葉の裏には「政治屋」として軽蔑している面もあるでしょうが、「プロの政治家」または「名誉職」として、一般市民とは違う世界の生き物であるかのような響きがあります。

でも、議員は市民の誰かが当然にしてやらねばならない役目なのです。ボランティアでよいかどうかは別としても、プロである必要はどこにもないと思います。

職業議員がどれだけいるかというご質問ですが、
報酬とも関係すると思いますが、一般に市議会では議員専業の人が多くて、町村では副業的すなわち、アマチュアが多いと考えてよいと思います。
当町の場合は、2007年の選挙情報
http://www.senkyo.janjan.jp/election/2007/23/00006449.html
から見ると、当選者19人中、政党人として議員を専業とする・・・1人、無職(定年退職者または主婦)・・・4人、副業的・・・14人 と考えてよいと思います。

選挙情報のサイトは初めて知りました。町村に関していえば、議員をボランティア化することも現実問題として可能なのですね。「魅力ある議員活動」とするためにも、議会に一般市民の参加が必要というご指摘かと思います。

名古屋市のボランティア議会の取り組みが面白いと思うのですが、各地区から立候補した方達が本当に立候補されたのか、それとも「お願い」されて出てこられたのか、とても気になるところです。もしも純粋に立候補されたとすれば、大きな一歩だと思います。

議員を政治屋としてではなく、市民の活動の1つと考えれば高額な報酬をもらうのはおかしいと思います。(地方は二元代表制です。議院内閣制の国会の延長線上で考えるのは誤りです。地方自治法の規定でも、首長は雇われ経営者もありだけど、議員はそのまちの住民でなければならないことになっています。)

住民参加に関しては、近年、行政への住民参加は各地で急速に進んでいますが、住民の代表であるはずの議会への住民参加(例えば、議会報告会を開く、意見交換会を開く、傍聴者との懇談会を開く、議会モニター・議会サポーター
http://www.town.kuriyama.hokkaido.jp/parliament/g_monitor-supporter.html
導入などなど)は遅れをとっています。ここで言う住民参加とは議員個人と支持者の関係ではなく、議会と住民とのコミュニケーションです。だいたい、議会のホームページに「議会への質問・ご意見」欄のあるところを見たことがありません。
行政のほうが住民に近ければ、もはや議会の存在価値はありません。

名古屋市の地域委員会制度
http://www.city.nagoya.jp/shisei/gyouzaisei/nagoya00076457.html
には興味を持っています。当然新しい試みには批判がつき物です。
http://www.n-jcp.jp/news/pdf2009/townsidea.pdf#search='地域委員会

この名古屋市の地域委員会制度を河村市長が「ボランティア議会」と呼んでいるのは、うまいネーミングだと思います。既存の議会の改革も大事ですが、試しにボランティアでやってみたらどうなるか、「いっちょやってみやぁ」という行動力を、私は買います。

名古屋市の地域委員会制度は、我々のまちで言うならば、コミュニティ改革・自治区改革に相当します。

公民館長・地区連絡所長として行政末端の準公務員的な仕事と、区長・コミュニティ会長として地区住民代表の仕事を一身に引き受けている「区長」さん、一方、半ば持ち回りでイベントの手伝いはするけど、地域の意思決定には殆ど参加していないであろう区協議員さんやコミュニティの役員さん、これらの役割と権限そして選出方法と自覚を根本的に見直す社会実験に相当するのではと思います。

公務員たたきをしながらも、何でもかんでも役所にお任せして、痒いところに手の届くサービスを待っているのは、確かに楽です。
こうした伝統的なお上依存体質から抜け出して、本当に機能する地域自治、住民自治を目指すのは並大抵のことではありません。日本人の心のありようにも関わってくると思います。

こうした住民自治を模索する動きが、まさに始まりつつあります。

住民自治、地域自治が機能していれば、市議会議員の仕事は、本来の法務と財務がメインになるはずです。

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