ビオカフェ第2回「生物多様性を考える」のご案内
ビオカフェ第1回に引き続いて、第2回の案内をいただきました。
場所: 名駅前スパイラルタワー北側の住友信託銀行1階セミナールームにて
1 CBD市民ネットの流域作業部会の趣意書
2005年の愛知万博で、ピーター・バーグが提唱した生命地域(Bio-region)の概念は、日本語でいえば流域【たとえば、伊勢湾流域とは、降った雨水が伊勢湾に注ぐ全ての地域をさす】で、その山から海までのあらゆるつながりが、山の幸、里の幸、海の幸を産み出す根源の力であることを教えてくれた。20世紀型の乱開発は、その価値を知らぬまま、このつながりを断ち切ってきたところに最大の問題があった。日本政府は、生物多様性COP10で「里山イニシアティブ」を提唱しようとしているが、日本各地にある伝統文化や、持続型の生活様式は、山から海までの自然のつながりによる産物(=山の幸、里の幸、海の幸)の流域内自給が基盤になっていたことを思い返す必要がある。中部圏で活動しているCBD市民ネット会員を中心にして、地域、流域にある課題や、自然生態系のつながりと流通のつながりをとりもどす活動事例を可視化して、「流域再生」の必要性を世界に訴えたい。
2 CBD市民ネット・生命流域部会の「ビオカフェ」について
狂牛病が人に感染する可能性を認めながらイギリス科学委員会は「感染しない」の見解を発表しました。感染する可能性を認めるとイギリス社会への影響が大きすぎることから選択された政治的見解でした。このように科学者が科学の範疇の中で判断できない領域が激増しています。科学技術の肥大化が不可知領域あるいは不確実性領域にぶちあたっている結果です。アメリカの核物理学者アルヴィン・ワインバーグはこの領域のことをトランス科学領域と呼びました。彼は、「科学によって問うことはできるが、科学によって答えることのできない問題群からなる領域」と定義しているようです。
ヒト狂牛病の発生でイギリス科学委員会見解は破綻しました。この事件が発端となって、イギリスをはじめとするヨーロッパ各国でサイエンスカフェ運動が開始されました。科学者が(愚かな、あるいは知識の欠落した)市民に科学のことを教えるという従来型の欠落モデルを捨てて、科学者と市民が対等の立場で科学の進め方について議論する場です。日本でも同じような試みが開始されています。
CBD市民ネット・生命流域部会では、生物多様性をテーマとしたサイエンスカフェを「ビオカフェ」と名づけて、COP10本番まで毎月1回くらいのペースで行う計画を立てつつあります。
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