高浜市の事業仕分けを傍聴しました。
19日(土)、20日(日)と見学に行ってきました。愛知県内初の高浜市の事業仕分け。
この2日間、A・B両グループで40事業を仕分けしました。窓口サービス業務から、ごみ収集、コミュニティバス、各種団体活動補助金、障害者扶助、高齢者生活支援、公民館管理運営、美術館管理運営、子育て推進事業、商工会補助金、中学生海外派遣事業、私立高校授業料補助、学校給食運営など、福祉施策にも果敢に踏み込む内容でした。全370事業から実効性のありそうな94事業に絞込み、さらに一般公開の事業仕分け委員会で40事業が選定されました。
2日間の仕分けの結果は、不要7事業、要改善29事業、継続4事業、民間化0事業でした。
高浜方式の特徴は、各グループあたり、構想日本からの仕分け人3名と市民仕分け人2名の計5名の仕分け人に加えて、市民判定員が30名程度いることです。
この市民判定員は、市役所が市民2千人に無作為抽出で依頼の手紙を出して、解答のあった約百人にボランティアをお願いしたものです。仕分け人と違って質問はしませんが、仕分け人と同じように仕分け判定をします。面白いことに仕分け結果は仕分け人のそれとほとんど一致していました。
今回、傍聴者は550人ほどあったそうです。以前も大阪市の事業仕分けを傍聴したときに感じたのは、他の市民参加の会議やイベントに比べて、仕分けメンバーにも傍聴者の中にも、若い世代の人たちの参加が目立つことです。
コーディネーターの歯切れの良い取り回し、蓮舫張りの鋭い質問をする厚木市の職員さん、いち早く事業仕分けを導入した高島市の元副市長の関西訛りのストレートな指摘が印象的でした。
ごみの減量を目指すなら指定ゴミ袋の有料化が正しい政策ではないか?という指摘もありました。
いきいき号循環バスは年間利用者数21,439人(293日運行)運賃収入約17万円で、かかる経費は2千4百万円以上。高齢者に特化するサービスなら、朝の時間帯に重点を置くか、デマンドバス(予約制)にするとか、タクシーチケット配布に変えるなどの根本的な改善が必要ではないか?との意見はうなづけます。
ワゴン車では車椅子が使えないと言う指摘もありました。会場に集まったたくさんの人たちの中で、いきいき号循環バス乗ったことがあるのは2~3人程度でした。
ハコモノの指定管理や給食調理委託など様々な分野で、㈱総合サービスとの随意契約がヤリ玉に上がりました。総合サービスは市役所のスリム化と地元の雇用創出を目指して、行政の仕事を外部化するために平成7年に作られた画期的なシステムでした。しかし今では、民間企業やNPOなどの参入の阻害要因になっているのではないかとの指摘が度々ありました。
事業説明のシートや参考資料が不十分・わかりにくいという意見が聞かれました。市民に事業を理解・支持してもらうための営業だと思えば、プレゼン資料にもっと気を配ってわかりやすく説得力のある説明をすべきとの指摘は当然でしょう。
厳しい突っ込みは、私の知る限り、概して議会質疑よりもシャープでした。行政職員は相当鍛えられることでしょう。
ただし、「要改善」と言っても何をどう改善すれば良いのか必ずしも明確ではありません。確かに問題はあるけど、どこをいじって良いやら・・・と言うことにもなりかねません。もっとも、そもそも論から事業の存在意義を洗い直して、事業を再構築するのは、(仕分け人の仕事ではなくて)高浜市役所自身の仕事ですよね。
終わってから、会場の市民から意見や感想を聞く時間がありました。若い人からも年配の人からも、高齢者に重点配分されている予算をもっと20代や30代のためにも使うべきだとの意見が出ていました。多分に政治的なバイアスがかかっている議会発言とは違って、市民の生の声は新鮮に感じます。もちろん正反対の意見もあるでしょう。
予算の世代間争奪戦は愚かだとの意見もありますが、各自治体で世代別予算配分がどうなっているかを調べてみると良いと思います。意外に実感と異なっていたりするかもしれません。この件は、いつも決算のときに頭をよぎりますが、いまだに集計が煩雑になりそうなので手をつけていません。
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