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2010/07/17

8時半に金山に集合、『流域生命シンポジウムin王滝村(COP10・100日前イベント)』エクスカーションに出発。

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8時半に金山に集合、『流域生命シンポジウムin王滝村(COP10・100日前イベント)』に参加するために、バスで王滝村へと向かいました。
長野県王滝村にある名古屋市民おんたけ休暇村で1泊のエクスカーションつきシンポジウムです。COP10がらみの環境省の補助金も入っていて、環境省の職員も参加しています。参加者は、130人ほど。うち若い学生が50人ほどいます。

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梅雨明け直前に降り続いた雨で木曽川は増水しています。上流の牧尾ダムは満水で、余水吐から放流中でした。(放流中の牧尾ダム。中央の小山の左側の石積みがダム本体)
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牧尾ダムに設けられた関西電力三尾発電所の取水口。ここから取水された最大30.9㎥/sの水は水路トンネルで数km下流の発電所に運ばれ、水車を回したあとに王滝川へ放流されます。その水が木曽川を流れ下り、岐阜県の兼山ダムにある愛知用水兼山取水口で愛知用水として取水されます。
決して牧尾ダムから直接愛知用水の水路がつながっているわけではありません。兼山で取水するのと同量の水を、ここで放流するシステムになっています。
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王滝川本流をはじめとする牧尾ダムに流れ込むほとんどの河川には関西電力御岳発電所の取水堰が設けられていて、取水された水は山中に掘られたトンネルの中を通り、牧尾ダムをパスしてダムの下流にある御岳発電所に送水されています。これは、牧尾ダム(1961年)が建設される以前から、すでに御岳発電所が稼動(1945年)していたためです。従って牧尾ダムは、集水域が狭く、ダム周辺の降雨・降雪か、御岳発電所が取水しきれなくなって余った水しか貯めることができないようになっています。

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1984年の長野県西部地震の際に、御岳山頂付近から大規模な土石流が発生し、濁川温泉を呑み込み、はるか山麓まで流れ下った土砂が王滝川本流の氷ヶ瀬まで達し、谷を埋めてしまいました。このとき生まれた堰止湖が現在の通称「自然湖」です。
氷ヶ瀬にあるこのトンネルも土砂で塞がれてしまいました。その後トンネルは復旧していますが、このあたりより上流の河床は土砂のために20~30mほど高くなっているそうです。

(実は、私は当時、就職して買ったばかりの新車で、河原を走ってここまで見に来たことがありました。そのときの惨状は・・・あたり一面、木がなぎ倒されて、山は荒涼たる状態でした。発電所のサイフォンと水路橋は破壊されて水が噴き出していたのを覚えています。以下は、当時の写真を載せた営林署のパンフレットです。)
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バスの車幅の関係で、この日は氷ヶ瀬までしか行けませんでしたが、このすぐ奥に新しく付け替えられた水路橋があり、さらに少し上流に行くと、枯木の立ち並ぶ自然湖の神秘的な光景が広がっています。
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トラック輸送にとって代わられる前、かつて、王滝川流域には延長150kmにも及ぶ森林鉄道網が張り巡らされていました。王滝川をせき止め、牧尾ダムに流れ込んだ550万㎥もの浚渫土砂を、盛土してつくられた松原運動公園では、当時使われていた車両を修復して展示運転する試みがなされています。
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松原運動公園の駐車場にたくさん止まっている県外ナンバーの車は、今晩から明朝にかけて開催される「OSJおんたけウルトラトレイル100km」の出場者のものらしいです。0時にスタート、真っ暗な村内の林道100kmを駆け巡ってタイムを競うハードなイベントです。
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終戦後まもなく建てられた王滝村役場。一時期、おんたけスキー場が村の財政に恩恵を与えましたが、スキーブームの去った今、過剰な設備投資のツケが村の財政を圧迫しています。
災い転じて福となると言いますが、逆もまた真なりです。
王滝村は第二の夕張にならないように、人件費を削減し、財政に大ナタを振るい、なんとか借金を返済する目処も立ってきたとのことです。
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名古屋市民御岳休暇村は、昭和40年代の別荘ブームの頃か?名古屋市が、長野県企業庁から68ha(約20万坪)の土地を購入したのがはじまり。休暇村の敷地の中から発する樽沢は関西電力の取水堰のない数少ない河川で、そのまま牧尾ダム湖に注いでいます。敷地に中には炭酸泉が噴き出していて、入浴施設もあります。
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おんたけ休暇村は、名古屋市の行革の中で廃止対象の候補に挙がっていますが、人口1,000人に満たない王滝村にとって、約100人の雇用機会を創っている施設の存廃は無視できない問題です。
せめて森と水の恩恵を受ける下流域の都市住民にとって、恩返しの意味を込めて、休暇村を残せないか、さらには、水源林の涵養という意味でも、下流に住むものとして、上流の森に対して守り育てる活動ができないかというのが、シンポジウムの主催者側の想いでもあります。

以上、エクスカーションのレポートでした。

7月17日~18日にわたってビッシリ開催される『生命流域シンポジウム』のスケジュールは下記の通りです。私は、2日目午後の「水利権と下流域の利水の矛盾」分科会でコーディネーターを務めさせていただきます。

 

生物多様性条約締約国会議COP10・100日前イベント
      「生命流域シンポジウムin王滝村」プログラム

 開催日:2010年7月17日(土)~18日(日)
            開催場所:長野県木曽郡王滝村(名古屋市民御岳休暇村)

 17日:
 名古屋発 午前9:00(金山駅ダイエー前 8:30集合)

   王滝村到着 12:00
   王滝村エクスカーション(12:00~14:00)牧尾ダム、
              (14:00~16:00)長野県西部地震被害跡(滝越地区)
                       ・・王滝森林鉄道の痕跡あり、
                   王滝村役場(大型バスが入らないならパス・・)
       (昼食は・・・旧三岳村お母さんグループのお弁当・・・牧尾ダムで)

   名古屋市市民休暇村着 16:00
   16:00~(休暇村見学、散歩や休憩)
   17:30~(夕食)~18:30
   18:30 シンポジウムスタート(大会議室)

   18:30~19:15 基調報告:生命流域再生をめざして・・・山から海までの総論として
           (CBD市民ネット・生命流域作業部会長代行・大沼淳一)

   19:15~20:10 記念講演「名古屋市と木曽川」:河村たかし名古屋市長
           (柳川喜郎さんとの対談形式で)(司会:羽後静子)

   20:15~21:00 音楽:流域で活動するシンガーソングライター
           (宮本ファミリー)・・・(大会議室)

   21:00~交流会 (宴会場)

 18日:(宴会場)

   9:00~9:10 挨拶: 
           1)CBD市民ネット顧問・武者小路公秀さん
           2)CBD市民ネット共同代表・高山進さん
           3)環境省中部地方環境事務所統括官・田村省二さん

   9:10~10:10 基調講演「森は海の恋人・恋人たちをつなぐのは川」:柳川喜郎さん

   10:10~12:00 パネルディスカッション:
     「上流域再生プラン・・王滝村を例として」・・・コーディネーター(大沼淳一)
       ①「王滝村の歴史と現状」( 王滝村長・瀬戸普さん)
       ②「水道水源と上流域」(名古屋水道労組委員長渡辺泰さん)
       ③「豊田市水源基金の成立過程」(豊田市森林課長・原田裕保さん)
       ④「中山間地域農業再生のために何が必要か」(宮沢杉郎さん)
       ⑤ 基調講演者(柳川喜郎さん)

   12:00~12:45 昼食

   12:45~14:30 分科会:
       1)林業再生(cd. 安藤直彦さん・・
         加子母村総合事務所職員(林家)・伊藤満広さん、
         木曽森林管理署長・川瀬政輝さん、中川護さん)
       2)水源基金(cd. 東京大学愛知演習林長・蔵治光一郎さん・・
         豊田市森林課長・原田裕保さん、中部水道企業団・水野雅也さん)
       3)水利権と下流域の利水の矛盾(cd. 東浦町議・神谷明彦さん・・
         岐阜大学教授・富樫幸一さん、名古屋水道労組委員長・渡辺泰さん)
       4)上下流交流(cd. ヴォランタリーネーバーズ・大西光夫さん・・
         木曽広域連合長・木曽町長・田中勝已さん、
         名古屋都市センター主管・羽根田英樹さん、
         名古屋市民御岳休暇村総務課長・仲井弘志さん、
         王滝村ぷち工房CHIEKO主宰・ 脇坂智恵子さん)
       5)木曽川上流域の文化(佐口幸子さん・・王滝村の村自慢)

   14:30~15:30 全体会:・・・(宴会場)

   16:00 終了 →バスにて帰名(名古屋到着:19:00)

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