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2010/08/02

第6回全国自治体議会改革推進シンポジウムのパネルディスカッション・・・橋下大阪府知事と三谷三重県議会議長のバトルは聴きごたえあり

大阪上本町の大阪国際交流センターで、三重県議会主催の全国自治体議会改革推進シンポジウムがあった。三重県議会は北川知事時代から積極的に議会改革に取り組んでおり、その成果を広め交流を図るために、これまで地元三重県内や東京でシンポジウムを開いてきた。

 →三重県議会の議会改革の取り組み(分権時代を先導する議会を目指して)

 →第6回全国自治体議会改革推進シンポジウム

今回は、「地域主権下における自治体制度と会議の役割」をテーマに、まず逢坂誠二さん(衆議院議員、総理大臣補佐官、元ニセコ町長)から、以下の要旨で基調講演があった。

 地方自治が国全体のパフォーマンスを規定している。
 地域主権戦略会議で検討していること。
  ①ヒモ付き補助金の一括交付税化(地方に創造性と自由度と責任を付与)
  ②国の出先機関改革→国が本当にやる必要があるか8月から自己仕分け
  ③地方自治法の見直し→地方政府基本法へ
  ④地方議会の二元代表制(公選の首長と公選の議会が対峙する現行の地方自治制度)
   →議会内閣制(議員が執行部に加わる)を選択可能に
 これには賛成・反対さまざまな議論がある。
 地方にも「国に決めてもらったほうがやり易い」といった姿勢がある反面、自ら創り上げるプロセスが必要との意見もある。皆さんの意見を参考に制度改革をしていきたい。

続いてパネルディスカッション。P1050701nscf

橋下徹さん(大阪府知事)は、「市民は議員報酬削減、議員定数削減大歓迎。今のままの議会はいらないと言っている。こうなったのは二元代表制が原因。部外者がチェックするだけでは無責任。行政の中に入ってマネジメント責任をもたなきゃ。」と発言。

増田寛也さん(元総務大臣、前岩手県知事)も、「議会は信頼されていないと思う。アメリカの連邦議会の場合は、議会は予算を作り、大統領はそれを執行する(予算編成の指針となる教書は作るが)のみで、役割が完全に分離している。」と指摘。
「日本の地方議会は、予算編成権を持つこと、政治権力を分散すること、多数派の暴走を避ける仕組みが必要ではないか。議員間討議を通じて議会として合意形成することが望ましい。」と述べた。

三谷哲央さん(三重県議会議長)は、「現行の憲法にしたがって(二元代表制のもとで)議会改革を進めてきた。議会内閣制では、行政の職制の中で議員が指揮監督下に入る。現在でも首長の権限が強い中で、ますます首長の言いなり、馴れ合いになる。首長は自分のしたいことをしたいのが本音のはず。」
「情報公開さえしっかりしていれば、行政の外部にいたほうがシビアになれる。」と橋下知事に反論。

橋下さんもさらに応酬。
「外部にいても本当のチェックはできない。外部のチェックはマスコミに任せておけばよい。議会には議決権があるのだから決して立場が弱いわけではない。議員が首長組織の下に入るのがいやなら、首長は事務局長でも良いと思う。予算の責任を追わなければ責任ある意思決定機関とはいえない。」
「これからは、国から金をもらうのではなく、地方で(増税や新税など)税金を確保するマネジメントが必要となるだろう。」
「予算を削るな、増やせ!」と要求し、予算を削った首長を「アホ、ボケ、カス」呼ばわりするのが議会だ。だから自分たちで予算編成作業をしなければわからない。」
「議決責任といっても、○×をつけるだけ。そんなことは誰でもできる。予算編成は責任者が実際にやらなければならない。国の法改正で強制的に議会に予算編成責任を負わせても良いと思う。」

これに対して、三谷さんは、「議会が自ら改革することなしに、国の制度改革に逃げ込むのは危険。」と反論。

橋下さんは、「議員の関心のある質問のみするではなく、3千もある大阪府の事務の予算全体について責任を持つこと、チェックではなくマネジメントをすることが重要だ。そのためには公聴会もやらざるを得ないし、住民にいやなことも言わなければならない。府議会や政令市に100人も議員がいたら多すぎる。どんなに大会社でも100人も取締役はいない。」「予算編成をすれば能力が丸見えになる。議会内閣制ににするかどうかよりも、予算編成に携わることが必要だ。」と、議会内閣制にはこだわらない姿勢を見せた。

以下に、当日の増田さんと橋下さんの資料を添えておく。

Masuda20100802

Hashimoto20100802

パネリストがそれぞれの話題提供だけをして、議論がかみ合っていないパネルディスカッションがしばしば見受けられる中で、議会内閣制にテーマを絞って聴き応えのある議論が展開された。会場の参加者からもたくさんの意見が出された。
結局、「議員が行政組織に加わるかどうかは別として、議会は予算編成に責任を持つべき。議員同士が討議して議会としての合意形成をすべき。」との共通認識が得られたのではなかろうか。

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コメント

面白い議論の応酬も読み応えがありましたが、三重の議会改革の取り組みも感心しつつ拝見しました。

まずは現体制でできる限りの改革を進める姿勢にも共感を覚えますし、議員を取締役に喩えての問題提起もわかりやすくて頷いているうちに、自分がどちらに与するべきかわからなくなってきました。

なので、最後の「共通認識」を読んで、ようやく納得した次第です。

投稿: 某傍聴マニア | 2010/08/11 01:56

議会のオール与党化(そもそも、「与党」「野党」という言葉があるのがおかしいのですが・・・)、執行部に個別のお願いを聞いてもらう代わりに執行部提案に賛成する、執行部提案ばかりで議員提案がほとんどない、など、二元代表制(公選による首長と議会が並存・対峙するシステム)が十分に機能していない現状で、議員が執行部に入ったりしたらとんでもないことになってしまうでしょう・・・。憲法・地方自治法に則り二元代表制を全うすべく議会改革を進めている側にとっては、改革ブチ壊しですね。

一方、戦後60年間やってきたにもかかわらず、それでも二元代表制が機能していないのだから、いっそのこと一元制を指向してはどうかという考え方もあるでしょう。
でも、二元代表制の枠組みを残しながら執行部に議員が入るというのは、何か中途半端な気がします。
(※これと一見似ていて実は違うこととして、議員の兼職の禁止や公務員の職務専念義務の一部解禁があります。日本では自治体職員が議員になることはできませんが、ドイツなどでは行政職員が議員をやっていたりします。これは、公務員も、市民、社会人の1人なんだという考え方に基づくものなのでしょう。)

この議会内閣制の議論は、国会の真似事というよりは、アメリカに見られるようなシティーマネージャー制度http://www.jri.co.jp/page.jsp?id=5670
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%83%8D%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%BC%E5%88%B6
を念頭に置いているのではと思います。議員が取締役会を形成して経営者を雇うようなイメージです。

個人的には、地方自治のあり方をそれぞれの自治体で選択可能にすることは結構なことだと思いますが、生半可な(議会内閣制の)導入はさらに日本的無責任体制を助長する方向に働いてしまうのではと心配です。

前我孫子市長の福嶋浩彦さんは、まずは二元代表制をキチンと実行してみてはとの考えです。
福嶋さんの地方自治についての考え方はとてもわかりやすくて私は好きです。http://kamiya-a.cocolog-nifty.com/turezure/2008/08/post_0243.html

投稿: 神谷 | 2010/08/12 09:14

ご教示いただき有難うございます。おかげさまで、やっと国の議院内閣制と地方自治の二元代表制の区別がつくようになってきました。

このあたりのことを学校で教わった記憶がないのですが、自分が忘れているだけなのか、あるいはきちんと区別して教わらなかっただけなのか、よくわかりません。まだまだ勉強しなければならないことが多すぎて、目眩がしてきました・・・。

投稿: 某傍聴マニア | 2010/08/15 11:54

私も、ちゃんと教わったかどうか覚えていません。
と言うか、(今でも変わってなさそうですが、)当時は教科書の語句だけ覚えて、括弧の中の熟語を埋めればOK。本質的な意味やその背景について理解していたかどうか???
でも、「二元代表制」と言う言葉は聞いてなかったかもしれませんね。

ところで、福嶋さんの講演の記事、リバイバルで載せてしまいました。

投稿: 神谷 | 2010/08/16 03:14

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