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2010/09/13

「地方議員年金の廃止へアクション!」に参加して

8月21日(土)午後、ウインクあいちで開かれた「地方議員年金の廃止へアクション!」に参加した。プログラムは下記の通り。

 <第1部>
 ●基調講演: 河村たかし氏(名古屋市長)
      岩崎恭典氏(四日市大学総合政策学部教授)

 <第2部>
 ●事例報告
 「地方議員年金廃止の意見書・決議」の採択や議員年金廃止に向けた意見等
  ・山県市、敦賀市、安城市、名古屋市、武豊町、東浦町などの例

 ●ディスカッション
  ・三谷哲央氏(三重県議会議長)~地方議員年金の考え方や現状と今後について
  ・出口憲二郎氏(徳島県小松島市議会前議長)~市議会からの考え方と行動
  ・奥山たえこ氏(東京都杉並区議会議員)~議員年金を廃止する市民と議会の会
  ・コーディネーター: 岩崎恭典氏
  このあと、会場との意見交換

 <まとめ>
 ●会場参加者にアクションを提案し、議員年金廃止を求める集会決議を採択

 

●以下は、河村たかし名古屋市長の基調講演から。

P1070230nscf

総理大臣は(再議権はないが)内閣を解散できる。しかし、公選の市長に議会の解散権はない。

アメリカの地方議会、例えばロサンゼルスの市民憲章には「non party(無党派)」でと書いてある。議員は基本的にボランティアだ。ロサンゼルスでは、3期12年間でしか続けられない。金持ちしかできないのはウソ。

名古屋市長選挙の公約と民意は、10%減税と市民委員会だ。市長に就任したら100日間は大事にしてやろうというのがイギリスでは伝統だ。まずは首長に公約どおりやらせて、それから批判すればよい。この公約で選ばれているということは、有権者から命じられているということだ。

減税できない市長や議員はいない方が良い。市長がいなくても水道は出るし、ゴミは収集するし、行政サービスは問題なく続く。いる意味は減税だ。
減税しなくては行革はできない。そして、減税は寄付を呼び起こす前提になる。これは根源的な問いだ。

議員の報酬は800万円(60歳の平均給与)でよい。政治をやるものは市民と同じ給料でやるべきだ。何期もやめないのは儲かるからだ。
議員年金は国民年金と同じでないといけない。今までは自分達だけ市民と別個にご馳走を食べていたので他所事だった。

5~6年前に米国と韓国に行って来た。もちろん自費だ。あちらの議員は立派だ。早くやめる。金持ちは少ない。ソウルの市議会議員の年収は200万円ほどだ。(議員専業ではなくて)ある程度の社会生活をしている人が出るのが当たり前だ。

イギリスの議会は、市民の代表を送り出して王様が勝手に税金をかけないようにしたのがそもそもの始まりだ。政治のように強制的にお金を取れるところこそ価格競争が必要だ。

任期がないということは将来の生活設計ができる。議員は4年の任期ごとにやめるということは、将来設計の場にしてはいけないということだ。
ボランティアだったら党議拘束できないだろう。

国会法に、「国会議員の給料は他の公務員より高くなければならない」というおかしな条文がある。世界でたった一つ、議員でメシが食える国が日本だ。年金は退職金の代わり。議員共産主義だ。
議員は国民と同じ生活をする。いやならやめればよい。誰も困らない。
議員報酬は市民並みにする。議員年金はやめるべきだ。

今の状態なら、二元代表制をやめて議会内閣制かシティマネージャー制の方がマシ。議決した責任があるのだから、本来は議会も監査請求を受けるべきだ。
本当は、両者(長・議会)選挙の二元代表性のほうが面白いのだが、条件として、ノンパーティー(無党派)、非職業化、そして、公約を実現することが必要になる。

住民自治がうまくいかないのは選挙をやらないからだ。市民委員会で選挙をすれば名誉や責任感も生まれる。名古屋市では登録制で選挙ができることにした。自ら登録のために動くのが市民自治の第一歩だ。そして自由な立場で徹底的に議論する。ここを直さないと日本は変わらない。夜中まで殴り合いをやってみろ!

議員が家業になると、既存の議員は新しい候補者が出ないように画策する。そして、民主主義をつぶす。

市長の公約が実現できないとなったら議会を解散するしかない。しかし市長には解散権がないから、議会をリコールするしかない。市民の意識を変え、これまでの仕組みを変えたい。

地方議員年金は日本のみの議員特権だが、特権をなくすのが議員の役目のはずだ。税金から特権的なお金がもらえるのは王様のみだ。

減税はムダを出せなくするためのものだが、もうひとつ目的がある。減税がないと寄付が集まらない。公共を支えるのに、税から寄付への転換をしたい。寄付はもう1つの民主主義のルートになる。

 

●山県市、敦賀市、安城市、名古屋市、武豊町など、地方議員年金の廃止を求める意見書などを採択した地方議会の事例報告があった。
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私も、愛知県町村議会議長会が県内の町村議会議員全員を対象に議員年金制度に係るアンケート調査を行った結果と、東浦町議会で地方議員年金制度に廃止についての意見書を採択した経緯について報告した。内容は下記の通り。

 今年の2月末から3月末にかけて、愛知県町村議長会が県内の町村議会議員に対して行った『町村議会議員年金制度に係るアンケート調査』の結果が4月末に各議員宛に返って来ました。この調査結果の概要を報告します。
 (この調査に先立って、町村議長会は、各議長宛に年金制度の存続についての簡単な意向調査をしましたが、回答期間が短く議会内で意見を聞く余裕がない、議長のみを対象にしている、などの問題があり、各町村議会の議長からも、各議員に対するきちんとした調査が必要との声があったと聞いています。)

 愛知県町村議長会からの結果概要をグラフにまとめたものはこちらをご覧ください。
・調査対象328人中、回収率60.7%、うち有効回答が57.3%(188人)でした。
・現行年金制度について尋ねたところ、過半数の54.3%が「廃止した方が良い」と答えています。(「続けた方が良い」と答えた理由としては、「法律で義務付けた」とか、「市町村合併の結果」とか、「国の責任」をあげた人が大部分。)
・「廃止した方が良い」理由としては(2つまで回答可)、「今以上に公費負担をあげることは国民の理解が得られない」が全体の38%(74人/102人(71%))、「議員の職に年金は要らない」が全体の21%(40人/102人(39%))、「これ以上掛け金を払いたくない」が全体の27%(52人/102人(51%))となっています。
・裏面に、議員の年代別、在職期別の集計表がありますが、特に在職期別(右の太枠の中)で見ると4期目以上の議員に「続けた方が良い」、1期目・2期目の議員に「廃止した方が良い」という傾向がありますが、4期目でも「廃止した方が良い」と答えた議員が少なからずいることがわかります。
・問3として現行制度に代わる案(個別意見)を尋ねていますが、要約を載せておきました。
 このアンケート結果は、愛知県内の町村議会議員の声として、全国町村議会議長会にも届けられているそうです。

 東浦町議会では、「手をこまねいていても状況は悪化するばかり。一刻も早く年金を廃止すべきだ。」と考え、今年1月29日の臨時議会に「廃止を求める意見書(案)」を私を含む議員3人で提出しましたが、3:13で否決。
 6月議会で、反対していた最大会派が「地方議会議員年金制度に関し特段の措置を講じ廃止を求める意見書」案を提案してきました。内容的には、武豊町のものに類似していて、「廃止は流れとして避けられないが、廃止するなら、自分たちの受給権やこれまで支払った掛金は、国の責任で満額保障して欲しい。」というものです。
 私は、年金が破綻しようというときに国民の税金をつぎ込んでまで、既得権を主張するつもりはありません。まもなく債務超過になるというのに、既得権が100%保障されるとは誰も信じていないだろうと思います。既得権の保障を強く求めている点が非常に気になりましたが、まずは東浦町議会として全会一致で「廃止」を求めていくことが急務と考えて、意見書案に賛成しました。

 

●パネルディスカッションの要旨は以下の通り。

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三谷哲央三重県議会議長:
すべての議会議員に個別にアンケートをとれば廃止すべきと答える議員がかなり増えると思う。三重県議会では、49人中32人が廃止と答えている。国が参議院選挙後に判断を先送りしたということは廃止が本音ではないかと思う。既得権をどこで折り合うかが問題になるだろう。
今まで、議会と首長との対立がなかったのがおかしい。名古屋市議会と河村市長の対立はむしろ健全だ。議会ががんばらないと河村流が勝ってしまう。今までの議会のように、”良い待遇”、”はっきりしない賛否”ではダメだ。

出口憲二郎小松島市議会前議長:
議会改革を進めてきて日経ランキングで4位に入った。議員年金についても早い時期から問題意識を持っていた。問題を指摘しても誰も相手にしないから、業を煮やして、市に対して掛金の支払を拒否するから天引きしないよう申し入れをした。21年8月は引き落としされなかったが、騒ぎになって新聞で批判された。共済法には「首長に議員からの徴収義務がある」と書かれているので9月から再び天引きに戻された。3月、9月と2回意見書を出したし、総務大臣にも陳情に行った。
小松島市議会では住民向けの議会報告会を開いている。議員報酬は月額39.1万円だが、何をもって高いかは、議員の中でも違いが大きい。政務調査費は月額2万円までだが、執行率は40%ほど。2万円は上限であって余れば当然返している。自分はほとんど毎日出勤している。ボランティアにすべきというのは御説ごもっともだが、現実には無理だと思う。

奥山たえこ杉並区議会議員:
議員年金問題を詳しく論じた本は、立正大学の渡部記安教授の 「世界から見た日本の地方議員年金制度」くらいしかない。議員年金制度は韓国にはないし、台湾では市民の反対にあった。1月30日に「たすきデモ」を行い、「全国あまねく手厚い議員年金制度は世界中で日本しかない」「日本の議員報酬が如何に恵まれているか」「財政危機の中でのうのうともらい続けてよいか」を訴えた。受給者の年金給付額を引き下げるのは財産権の侵害には当たらないという説もあるが、人の人生設計を変更させることができるのか議論が必要。
議会は立法機関なのだから、独自の条例を作る能力が問われる。首長がちゃんとしていれば一般質問する機会は少なくて済むのでは。東京財団が企画した30分ごとの議員の行動調査に協力した。それによれば1日あたり公務2時間、準公務2時間程度か。

岩崎恭典四日市大学教授:
議員年金問題が地方議会のあり方を考える良い機会になる。議会は「自分達の報酬はいくら?」と市民に聞く手もあるが、それさえしない。(閉じた社会で高いだの安いだの言っているのみ。)地方自治の自由度は(総務大臣がダメと言っても、阿久根市の竹原市長は自分流を続けられるほど)本当は高いのだから、自分達で発案してできることはたくさんあるはず。

下記のような意見が会場の参加者からあった。

財産権保護の問題について、政策的な合理性があれば必ずしも保障する必要はないという見解がある。

政党系の議員は、個人では廃止すべきと思っていても、議員年金廃止を前面に出せない。三谷県議会議長から県議会議長会に、議員個人に直接アンケート調査をするよう働きかけて欲しい。
全国一律の議員年金制度には住民自治がない。だからやめるべきだ。いろんな自治があることを考える契機が必要だ。

OBの年金を現在の議員で支えればよい。議員年金制度がないと若い議員が出てこないはウソ。これからは若い議員ほど損だ。世間の評判が悪くて議員にも損な制度はやめたほうが良い。

議員年金制度は特権的と言われるが、特権的でない部分もアナウンスしないとフェアでない。
やめるのに1.3兆円必要というのは過大な見積だ。
廃止して払う必要のなくなった掛金分の手取りが増えるが、その半分くらい議員報酬を削減することになるのでは。
自分達で合併を議決しておいて、国のせいで合併したのだから年金財源を補填しろというのは、政治家失格だ。

 

●会場の参加者の賛同を得て、「地方議員年金制度の一刻も早い廃止を求める決議」を採択した。
 採択された「地方議員年金制度の一刻も早い廃止を求める決議」と「地方議員年金制度廃止についての要望書」はこちら

 

参考:
なくそう!議員年金(神奈川ネットワーク運動)
地方議員年金廃止への道(地方議員年金を廃止する市民と議員の会)

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