色素増感型太陽電池(光合成型太陽電池)とは?
明日、町PTA連絡協議会のフィールドワークで岐阜県瑞浪市のサイエンスワールドを訪ねる予定です。ここではサイエンスワークショップと呼ばれる簡単な科学工作から先端の科学技術体験のできる種々の科学実験メニューが用意されています。あすは光合成型太陽電池を作って発電に挑戦します。
<色素増感型太陽電池(光合成型太陽電池)とは>
太陽電池の主流は、シリコン系(pn接合型)太陽電池です。おもちゃや電卓などにも使われている青紫糸の光沢のある板状のものです。シリコン系太陽電池では、p型半導体とn型半導体の接合部に光が当たると電子と正孔を生じて起電力が発生する固体(結晶)中の物理現象を利用しています。
これに対して、色素増感型太陽電池では、・・・陰極表面の二酸化チタンに吸着した色素が光を吸収すると、色素から放出された電子が二酸化チタンに伝わり、陰極から回路を通って陽極への電子の流れとなる。・・・陽極に到達した電子は、電解質中の三ヨウ化物イオンを還元してヨウ化物イオンになり、ヨウ化物イオンが電解質中を移動し陰極近くの色素に電子を与えて三ヨウ化物イオンに戻る。この化学反応のサイクルを繰り返すことによって、色素に光が当たっている間、発電を続けることができます。
二酸化チタンは、日焼け止めなどに使われる物質で、単独でも紫外線を吸収して電子を放出する性質があります。そこに可視光も吸収する色素を加えて太陽光の吸収効率を高めていることから、色素増感型太陽電池と呼ばれています。また、色素が光を吸収して化学エネルギーを生み出す光合成の仕組みと類似しているために「光合成型太陽電池」とも呼ばれます。
二酸化チタンを使った湿式太陽電池の原理は以前から知られていましが、1991年にスイス連邦工科大学(EPFL)のグレッツェル教授が、増感色素とヨウ素溶液を使う方法を考案し、新しいタイプの太陽電池として注目されるようになりました。
半導体製造に比べて、原料が安価なこと、塗布や印刷などを使えば製造が簡単なことから、製造コストを大幅に抑えられる可能性があります。軽量、薄型、折り曲げ可能など応用範囲も拡がる可能性もあります。まだ、光エネルギー変換効率と耐久性に問題がありますが、各社が競って開発を進めており性能の向上が期待されています。
関連サイトは下記参照
http://www.peccell.com/shikiso.html
http://www2.hamajima.co.jp/~elegance/kawamura/jikkenki/sikisozokan/
http://otonanokagaku.net/issue/lab/vol4/index03.html
http://www.nisinoda-electronics.co.jp/
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