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2011/01/28

『徹底討論 2・6ナゴヤ住民投票』に参加して

1月10日に名古屋市公会堂で開かれた公開討論会を聴きに行きました。討論のテーマは「議員報酬」「減税」「議会と首長のあり方」です。

パネリストは、河村たかし(名古屋市長)、石田芳弘(衆議院議員)、横井利明(名古屋市議会議長)、平野一夫(名古屋市議会解散請求代表者)、竹下譲(四日市大学地域政策研究所所長)、井上治子(名古屋文理大学准教授)、今井一([国民投票/住民投票]情報室事務局長)。司会は、志村清一(中日新聞編集局長)。

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私のメモに依れば、およそ、次のようなやりとりでした。

平野: 経済が右肩下がりの中で、公務員給与と議員の高額報酬が問題だ。議会が一度可決した減税議案も否決した。これでは市長マニフェストを実現できない。議会改革の方向性もない。

横井: 議員が何をしているか見えない、議会の議論が見えないのは認める。議会の情報公開、議会への市民参加、議会機能の強化が必要だ。河村市長の言動が議会に刺激を与えたのは間違いない。名古屋市議会自身も努力して改革度?ランキングが全国17位になった。委員会記録はさかのぼって公開、インターネットで放映している。さらに、無作為抽出市民による討論会で議員報酬を議論してもらう。

しかし、議会のリコールには反対だ。市長権限は強大で、大統領と首相を足したようなものだ。さらに議員まで思い通りにしようとするのは危険だ。今解散すると来年度予算が決まらない。選挙にともなう32千万円の支出は、東海地震の積立金を崩して賄われる。

河村: 減税を公約にして選挙で選ばれたのだから、減税は皆さんから命じられてやっているつもりだ。議会の抵抗に対しては、あきらめるか、もう一度民意を問うかのどちらかしかない。

議員は本来ボランティアでやるべきだ。市民との同質性を考えても、せいぜい800万円。これは60才管理職の年収に相当する。シュワちゃんはタダ。バンクーバーの市長は市民の平均年収と同じだ。

横井: 河村市長の報酬は800万円だが、議員と違って、公設秘書5人と専用車もあって、1億円以上使っている計算だ。

河村: 行政は議員とは違う。議員報酬が安くていやならやめればよい。自分達の報酬を是正することもできないのか。

石田: 議会の自浄作用がなかったと思う。リコールなどの直接民主制は間接民主制を補完する。名古屋の実験は面白い。

議会改革については、まず、報酬ではなく、やる仕事を決めるべきだ。予算提案権など、権限、責任を与えて、やる気を生む制度改革が必要だ。

しかし、市長が議員報酬を決めるのはおかしい。自分なら、まちづくり基本条例を公約にしたい。

竹下: 私は長い間、イギリスの制度を見てきた。20年前まで地方議会はボランティアだった。シングルマザーの議員も多かった。弱者の立場がわかるので議会で中心的な役割を果たすようになって、パートタイムで働く時間もなくなった。生活保護を受ける議員もいた。そのため、この10年で報酬はアップしている。大学教授の年収が約4万ポンドのところ、ロンドンの議員は53千ポンド。これで若い人も議員になれるようになった。

井上: 報酬の問題は、市民と議員の信頼関係。仕事の厳密な積算は無理だ。

横井: 年収800万円だと、月2030万円たらずで、やっていけない。議員年金の掛金もとられている。これまでも報酬を下げてきた。これからさらに、市民に報酬額を決めてもらうよう検討中だ。

平野: 市長が800万円でやっているのに、やっていけない議員のほうがおかしい。

石田: 報酬は主権者の市民が決めればいい。そのシステム作りが必要。自分は500万円でもやれる。

今井: 議員がお手盛りで報酬を決めるシステムがおかしい。市民が決めるべきだ。

竹下: 市長は飾り物でよいが、議会は飾り物では困る。議会は、住民の意見を聞いてまとめられる人が集まるような魅力あるポストにする必要がある。ロンドンの議員報酬は庶民の2倍だ。

河村: 不況だからこそ減税する必要がある。(2つの市役所が競合できれば面白いが)独占企業には必ず無駄遣いがある。民間は価格競争をしている。役所もプライスキャップが必要。

平成18年から地方財政法5条が改正されて、地方自治体の減税ができるようになった。この政策を利用したのは名古屋が全国初だ。151億円の減税額を上回る行革をしたい。

石田: 民間と役所は違う。値下げ競争は危険だ。

横井: 2年前には減税に関心があった。しかし、6月に質問したとおり、市長は国の天下り団体に12億円支払っている。名古屋市も399人天下りをしている。

162億円減税すると、400億円財源が足りなくなる。赤字市債を発行することになるが、いったい誰が返すのか。河村市政になってから600億円借金が増えた。

河村: 外郭団体は、コスト減、人員減を進めている。職員人件費も10%減らした。減税が1年限りで終わっては、企業も来ないし、寄付も進まない。

石田: 豊かな市は交付税を通して、山村に貢献すべきだ。それを減税とは何事か。選挙で当選するのは白紙委任とは違う。

横井: 48%の市民が減税を受ける。(52%の市民は非課税。)借金して高額所得者に減税はおかしい。

横井: 議会と行政は独立対等な緊張関係を持つものとしてこれまで自分はやってきた。

平成12年には行政評価の外部評価システムを提案した。事業仕分けをやるのは議会の仕事だと思う。平成15年には市の収入を増やす方策としてネーミングライツ(レインボーホール、市民会館など)を提案した。ポンプ場に頼るのでなく、都市の洪水を防ぐために地下の川を提案した。

「市議会に爆弾が落ちても困らない」は市長の失言だ。

河村: 行政サービスは市長や役人がやっている。1円でも税金を減らすのが使命だ。市長が住民から直接選ばれているのに、議会が公約を実行させてくれない。減税は一旦決めたのだからやらせて欲しい。

石田: 議員には予算の提案権がない。(米大統領には予算提案権はない。議会にある。)議員が行政に参画すれば、職務権限で予算が作れる。

議員は、統治、マネジメントをすべきだ。しかし、株主総会で文句を言う程度。それほど市長権限は大きい。

リコールには市長が口を出してはいけない。

井上: 市民運動を権力側が使ってはいけない。しかし、今回のリコールは必ずしも市長のリードではない。市民の自主的な活動があった。

平野: 住民がすべてを担ったと言う自負がある。

横井: 河村市長が「リコールをやる」といって、街頭にも立ったではないか。

河村: 執務時間中にはやっていない。想いをマイクで語ることのどこが悪いか。

選挙の結果(減税に賛成)を実行する知恵がないと、大統領制は機能しない。

市議会議員選挙は地域代表を選ぶ選挙になっている。市全体の減税は争点にならない。

石田: 河村さんは、選挙で白紙委任を受けたわけではないのだから、議会と議論をして欲しい。だいたい、予算編成時期に選挙とは何事か。ダブル、トリプルの選挙は市民運動を踏みにじっている。

河村: 気に入らなきゃ市長を不信任にしろと言ってきたはずだ。減税をテーマに住民投票をやって欲しい。

公開仕分け条例は議会主導だ。まずは行政改革をやって減税するのが当然だ。

今井: 議会と市長が対立したときには、市長選の結果を尊重すべきだ。

またもめたら、同じことの繰り返しになってしまう。だったら、市長選と同時に個々の住民投票(減税、議員報酬をテーマに)をすべきだ。全国に先駆けて常設型の住民投票条例を制定したのは愛知県高浜市だ。

竹下: 住民投票は最終的なものだと思う。住民は感情的になりやすいものだ。

議会と市長は、減税の根拠を明らかにするなど、議論すべきことはあるはずだ。

市長主導のリコールはおかしい。市長が、議会が言うことを聞かないからと言って、解散させるのはおかしい。

<質問に答える形で>

中学生までの通院無料化はどうなったか?

河村: 10億円かかるので今年度は無理。来年度、そのための財源を手当したい。

限られた人しか議員になれない。サラリーマンにとって、議員への参入障壁があるのでは?

横井: 政党の論理で候補者を決めてしまうのが問題。サラリーマンの身分保障制度などを考えるべきだ。

阿久根市の竹原市長のやり方をどう思うか?

河村: 阿久根市の役人の給料が市民よりも高い現実がある。問題意識はわかる。

石田: 専決処分は致命的にダメ。議会軽視は住民軽視につながる。

横井: 議会軽視は名古屋市でもあるかもしれない。議会が解散している間にノーチェックで議案を通すかも。

河村: 当然、議員選挙が終わってから提案する。

<最後に一言>

今井: 市民はバカじゃない。よく考えて冷静な判断をするだろう。

平野: 住民投票は、市民が知性、理性、感性を発揮した結果だ。我々のネットワークは河村市長を支持する。

河村: 民主主義を名古屋から! 戦後復興はお上主導でよかったが、これからは民主主義をつくりたい。

横井: 市長主導のリコールがあちこちでまかり通るようになれば危険。これからも住民のために尽くす。

石田: 介護など少子高齢化対策の議論のほうが大事。早く正常化して欲しい。

井上: 対立は政治に高揚感をもたらす。ただし脱線しないようにやって欲しい。これからは行政サービスだけに頼らない市民の力が必要だ。

竹下: 理解の政治と感情の政治があるが、市民には理解した上で判断して欲しい。そのためには議会の議論が市民に見えるようにするのがまず第一だ。

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河村市長としては、恒久減税は彼の政策公約の根幹(一丁目一番地)なのだから、これは、やらせて欲しいと言うことなのでしょう。
市長のやり方は強引との批判がありますが、河村市長でなければ、短期間でこれだけ問題提起をして、議会に猛省を促すことはできなかったでしょう。
リコールに持ち込んだのは政治戦術なのでしょうが、本来なら、直接の争点である「市民税の恒久減税」について住民投票すれば一番スッキリするのではと思います。解散選挙では、同じ状態が繰り返される可能性が大きいと思います。

当日の討論の詳しい内容については、次のサイトを参照。

徹底討論 2・6ナゴヤ住民投票 公開討論会 - ニコニコ生放送http://live.nicovideo.jp/watch/lv36922524

徹底討論ナゴヤ住民投票・詳報(1)http://www.chunichi.co.jp/article/feature/vsshigikai/list/201101/CK2011011102000164.html

徹底討論ナゴヤ住民投票・詳報(2)http://www.chunichi.co.jp/article/feature/vsshigikai/list/201101/CK2011011102000165.html

Togetter - 「「徹底討論2・6ナゴヤ住民投票」まとめ」http://togetter.com/li/88095

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