南三陸町のようす
11月に、区長会の視察で、岩沼から石巻まで被災の状況を見て回ったが、三陸(リアス式の入り組んだ海岸があるところ)まで足を延ばせなかったので、心残りになっていた。現地を見ないことには高さ十数メートルの津波がイメージできないと思うのだ。
12月22日に東京出張。福祉自治体ユニットの懇親会が終わってから仙台行の最終の新幹線に飛び乗った。23日の朝一にレンタカーを借りて南三陸町へ。
仙台東部道路と三陸道は無料化のため渋滞が予想されるということで、東北道で若柳金成ICをめざす。いわゆる櫛の歯作戦だ。途中、古川あたりで吹雪のようになったが、その先はおおむね良い天気。
登米市から峠を越えて、南三陸町志津川に降りていくと、廃車や瓦礫が目に入る。海が見えないうちから壊れた建物跡や漁船が転がっている。
現地には、鉄筋コンクリートの建物のみが廃墟のように立っている。他の家屋はがれきが撤去されて、残っているのは土台のみ。
完全に鉄骨のみになった南三陸町防災対策庁舎。屋上のアンテナにしがみついていた人以外みんな流されたという話はあまりにも有名だ。
当時の惨状の記録がこちらで見られる。http://www.town.minamisanriku.miyagi.jp/uploads/photos1/2064.pdf
http://pop-rin.seesaa.net/article/194917311.html
谷沿いにどこまで津波が遡上したかは、杉の枯れ具合を見るとよくわかる。
高台の中学校からまちの全体像を俯瞰するのを忘れてしまった。これはhttp://www.youtube.com/watch?v=HP_tDkOD7nM&feature=youtu.beからコピーした画像。
一方、海辺の集落でも、被害の程度に違いがあるようだ。海岸に面していても、あまり被害を受けていなさそうなところもある。結局、湾(大きな入り江)の奥のような地形の場合に、平地とそれに続く谷の上流にまで津波が遡って、大きな被害を出しているように見える。
こちらは、志津川湾内の少し出っ張ったところにあるホテル。海岸の崖に沿って建てられているので、大津波がぶち当たれば大きな被害が出そうなものだが、実際には、徐々に海面が上昇して1・2階に浸水したのだそうだ。すでにあと片付けを済ませて通常営業をしている。下右は、このホテルから南三陸町の市街地を見たところ。
一言に津波と言っても、その高さや勢いは海底や地上の地形に大きく影響されるようだ。また津波の破壊力は、水の勢いだけでなく、漂流物などにも大きく左右されるのだろう。
仙台空港3時の便に乗るために帰路につく。遠くから注意して見ると高速道路の路面が波打っているのがわかる。橋脚やボックスの前後は特に上下左右のずれが多いらしく、所々アスファルトが盛ってあったり、白線が引き直したりしてある。
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