新年を迎えて
あけましておめでとうございます。
失われた20年といわれるように日本のみが低成長を続けていたかと思ったら、欧米先進国にも世界的な景気減退の波が襲い、成長華々しかったBRICsなど新興国にも景気の陰りが出てきました。
通信革命に始まった世界のグローバル化は、地球をますます狭くして、もはや先進国がビジネスチャンスにつながる情報を独占する時代ではなくなりました。生産拠点も、短期的な判断で世界中を駆け巡る時代となりました。
また、この狭い地球上に、70億人もの人口がひしめき、鉱物資源、エネルギー、そして水や食料が限られたものであることも明らかになってきました。成長の伸び代が見えなくなる中で、人類は、本当の豊かさ、本当の幸福を求めて、その価値観、方策を模索中です。
日本も問題山積です。人口がピークを迎え、GDPの成長がとまり、世界に例を見ない急速な勢いで少子高齢化が進む我国は、これまでと状況が180度変わる中、方向性を見失っているように思われます。正解のない中で、地方こそが、様々な試みを模索して、元気の糸口をつかまねばなりません。
個人の自立も必要です。まずは、自分で考え、自分で行動する。そして、一人ではできないことは家族で、近所で、地域で、そして行政で。互いに思いやり、助け合う、それが公共の姿です。
物質的な満足に幸せの指標を求めていたのに対し、これからはいかに心を豊かに保つか、足るを知ることを喜ぶ謙虚さも大切になってくるのではと感じます。
さて、東浦町は、この数年来、2012年の新年に市制移行する段取りを進めてきました。残念ながら、国勢調査の人口が5万人に満たず、実現できませんでした。市制移行については、次回2015年の国勢調査に向けてこれからも住民の皆さんに何がどう変わるかを説明し、理解を得ながら進めていきたいと考えています。
町の財政にかかわる問題としては、まず、昨年の9月定例議会で、町長の退職手当の支給の特例に関する条例を可決いただき、自らの退職金を支給しないこととしました。手狭になった役場庁舎の増築計画も見送りにしました。市制移行に伴う関連予算1億9862万円は、12月定例議会の補正予算で減額をしました。
しかしながら、設備が老朽化し、給食の供給能力にも限界の見えてきた学校給食センターの新築移転に20億円余り、また、緒川新田地区の名鉄踏切の高架化にも数十億単位の負担が必要となるため、今後の予算配分は慎重に行わなければなりません。これら懸案の資金調達には町債を発行(すなわち借金を)することになります。
限られた、予算を何に重点的に使っていくか、住民の皆さんのご意見をいただきながら進めていく必要があります。当然、削らなくてはいけない事業も出てきます。皆さんの納得をいただきながら進めていくために、予算の編成過程を公表し住民の皆さんとともに予算の在り方を考えていくことを、部分的ではありますが始めます。
今年の夏ごろには、「事業仕分け」を計画中です。住民の皆さんにもご参加をいただき、現在行われている事業が町行政でやるべきことか、また改善の余地はないか、外部の目も入れて、議論したいと思います。
自治体間の交流、協力関係も重要なテーマです。刈谷市とは定住自立圏形成協定を結び、公共施設の相互利用や公共サービスのネットワーク化を進めていきます。大府市とはウェルネスバレー構想に基づき、20年後を見据えた健康・福祉・医療関連産業の育成と健康長寿のまちづくりを目指します。
一方、福祉については、子育て、介護予防、健康管理、障がい者福祉など、これまで東浦町が地道な努力を積み重ね評価をいただいてきた分野について、今後ともサービスの質を維持し、また必要なものについては充実していきたいと思います。しかしながら、福祉にかかわる民生費は年々増額の一途をたどっており、無制限には増額できない状況にあります。福祉予算のありようについても「わかりやすい福祉」を心がけ、受益と負担の関係を明確にしていきたいと思います。
コミュニティについては、公民館を「コミュニティセンター」と位置付け、地域の皆さんが地域の課題を見つけ、それを解決していく方向で活動できるよう、段階的にお任せしていこうと考えています。
昨年、東北地方は未曾有の大災害に見舞われました。不幸な災害の中にあっても、互いに思いやり、助け合い、節度をもって行動する日本人の姿が世界で高く賞賛されました。そして、互いに支え合う地域のきずなの大切さが改めて見直されました。個人の自由と民主主義を守りながらも、地域の暖かい絆を残し、犯罪や災害に強い、顔の見えるまちづくりをしていきたいと思います。
どうか今年も、皆様のご理解とご協力とご参加をお願いいたします。
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