ブルータワー
数年前に買ったままになっていた本のうちの一つです。
500ページもの長編ですが一気に読んでしまいました。久しぶりにSFを読んだせいもあってか、結構単純に楽しめました。
これは9.11に着想を得た作品です。末期の脳腫瘍を患った主人公の意識が現在と200年後の世界を行ったり来たりします。(と言っても本当に200年後の世界に飛んでいるのかは確かめようがないのですけど。)
22世紀では、世界大戦後に生き残った人々が、5層からなる地上2,000mの超高層タワーに5つの社会階層に分かれて住んでいます。最上層に住む一握りの人間が富を独占して下層に住む人間は貧困にあえいでいます。タワーにさえ住めずに若くして死んでいく人たちもいます。この社会における悲劇の元凶は、生物兵器としてつくられた致死性インフルエンザウィルス。体制を死守しようとする勢力と人間を階層から解放しようとする勢力との間で絶望的な戦いが繰り広げられます。人は何のために生きるのか、生きるとはどういうことかちょっぴり考えさせられます。
| 固定リンク
コメント