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2012/06/20

GW後半は家族で東北に行きました。

5月の大型連休後半は家族で東北を旅しました。

この旅、最初っから想定外のパターンでした。

このとき、東北地方は低気圧に覆われ、釜石市、山田町では記録的大雨、石巻では浸水被害。最初の目的地、湯沢雄勝地域も大雨警報、近くの泥湯温泉では旅館の裏山が崩れるなど、荒天にたたられました。そんな中、セントレアからの便は視界不良で仙台空港着陸を断念、日本列島を遊覧飛行してまた知多半島に舞い戻ってきました。後発組はすでに仙台着。私も新幹線で追っかける羽目になりました。仙台空港では、いつもと逆風が吹いていて山側からのアプローチとなったため、さらに視界が必要となったのでしょう。新幹線で古川駅に着いたらとんでもない大雨でした。

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さてさて、東北はやはり温泉です。福島県の阿武隈川が流れる、いわゆる中通り以東、宮城・岩手の北上川以東を除けば、どこへ行っても温泉が湧いているといってもよいくらいです。温泉地では、観光地と言うよりも町内会ごとに共同浴場があるようなところもたくさんあります。

ここは、秋田県南部、秋の宮温泉おなじみ荘のお風呂。火山地帯では珍しい無色、無味、無臭のお湯でした。お風呂の裏手は杉木立。
2008年の岩手・宮城内陸地震のときは、栗駒の宮城県側でたくさんの温泉宿が被災しました。中には、地形が変わるほどの地滑りで川が堰き止められ水没したところもありました。こちらの秋田県側は、温泉が濁ったり湧出量が変わったりはありましたが、被害はそれほどでもなかったそうです。
見た目とか豪華さとは別に美味しい美味しくないは厳然としてありますが、ここのご主人が作ってくれる料理は、掛け値なしに美味しかったです。採れたての山菜のほかに、この近くの名物稲庭うどんや秋田でおなじみのきりたんぽ鍋も食卓に並びました。帰り際におばあさんに勧められて、ここで採れたキノコを買いました。

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この辺りは、宿ごとに独自の源泉を持っていて、変化に富んだ温泉のハシゴができます。こちらは、宝寿温泉。もちろん源泉かけ流しは常識。鉄分を含んでいるので最初の湯船は還元性の第一鉄イオン(Fe2+)の淡緑色、2槽目の湯船は空気で酸化された第二鉄イオン(Fe3+)の赤褐色になっています。外の景色が本当に何気なくのどかなのは如何にも東北です。

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秘湯を守る会に入っている鷹の湯温泉はこの辺りの老舗。宿の裏手のワダチを流れているのは、もうすでに温泉のお湯です。この川を少し下流に行くと勝手に河原で温泉を掘れるところがありますが、この日は増水のためできませんでした。

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翌朝は、レンタカーで山形県の酒田方面へ向かいます。秋田県のこの辺りは今ちょうど桜が見頃です。
途中、秋田・山形県境近くにある奥羽線の『及位』という駅に寄りました。これ、なんと読むかわかりますか? 知っている方は、ちょっとした地理マニアか鉄ちゃんです。この近くに、修験道の山があって、その絶壁から逆さになって身を乗り出して崖下を「のぞく」修行があるそうです。この行をマスターすると位を授かることから、「位に及ぶ」と書いて「のぞき」と読むようになったのだそうです。これは結構有名な話です。
今年は幹線沿いでもまだ雪が残っていてナビに騙されてちょっとショートカットしようとすると通行止めにはまります。

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真室川の駅の売店で売っていた「木の芽」というのが気になって、なんだろうと聞いてみたらアケビの新芽なのだそうです。この辺では山菜シーズンにポピュラーな食材のようです。R47の最上ライン沿いではなく、峠越えで酒田に出られるかとお姉さんに聞いたら、もう大丈夫とのことだったので、駅前通りをそのまま酒田方面へ。

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酒田と言えば、本間さま。当時の豪商のお屋敷がいまでも残っています。
米や紅花を北前船で上方や江戸に出荷して富を築いたのでしょう。それなりの地元貢献もしていたそうです。農地解放前までは日本一の大地主と言われ、江戸時代には「本間様には及びもせぬが、せめてなりたやお殿様」言われたほどですが、現代まで脈々と続いてきた本間物産や関連の本間ゴルフは時代の変化の中で経営不振に陥りました。

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こちらは、山居倉庫。明治26年に酒田米取引所の倉庫として建設され、100年以上たった今もJAが農業倉庫として使っています。12棟の土蔵造り二重屋根の倉庫が連なる様は圧巻です。一部は内部を改装して観光客向けの資料館や物産館として利用されています。

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さあ、これから最上川を遡って肘折温泉に向かいます。最上川はこのところの大雨で増水どころか満水状態です。
日本三大急流と言いますが、北陸地方などもっと急流の川はいっぱいあるし、中でも特に最上川は緩やかなのではと思います。最上川も富士川も球磨川も中流部に大きな盆地があって水運上重要であったため、「流れの速さが問題だった」ととらえた方がよいのではと思います。

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肘折温泉に向かう道は、銅山側沿いに谷の奥へ入っていく険しい一本道。この道をどんどん詰めていくと、急に視界が開けてカルデラの底に位置する肘折温泉に着きます。ここは月山の東北麓にあたる豪雪地帯で、5月なのにまだ雪国状態。
車がやっと入れる狭い路地の両側に木造三階建の昔ながらの湯治宿が並んでいます。夕食の膳には前出の「木の芽」がのっていました。

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少し離れたところにある黄金温泉カルデラ温泉館は、同じ敷地内に温かい塩化物泉・炭酸水素塩泉と冷たい単純炭酸泉(炭酸水)が湧く、珍しい日帰り温泉施設です。

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