美術展表彰式が開かれました。
11月3日(日)午前中に、美術展表彰式が開かれ、18人の方々が油彩、日本画、水彩、水墨、彫刻の分野で賞を受賞されました。
それぞれの作品の講評(受賞理由や特徴の解説)が面白かったです。
そのいくつかをご紹介します。(講評のメモがあるものは添えてあります。作品の隅が切れてしまったり、照明が映り込んだりしているものがあることはご容赦ください。)
町長賞 「室内」 田中洋子 作
バックの風景画の額縁の黄と女性のカチューシャ、ネックレスの黄、椅子の背もたれの赤とテーブルの上のバラの赤、同じく背もたれの緑と絨毯の緑、同系色で各部を関連付けてまとめ、女性の衣装と靴は白で清楚な雰囲気を出している。服装のひだはゆったり、女性の表情は穏やかで、テーブルの下から顔をのぞかせる猫も作品の和やかな雰囲気づくりに一役買っている。
町議会議長賞 「野良の春」 長谷照美 作
春先に起耕する前の田んぼと一本の道、変哲のない身近な風景を柔らかな色調と日本画らしい繊細な筆遣いで丹念に描いていて、愛情が感じられる。田んぼの土の色が鈍いのでもう少し茶色などの暖色系の色があっても良かった。背後の林の形(ビラミッド型)が単純かも。
教育委員会賞 「秋景」 長坂章代 作
秋の澄んだ日差しに輝く黄葉がとても美しく、作者の感動が伝わってくる。木の影の模様を細部まで描いているのが特徴的。画面中央に横長に見える背後の林を暗い緑にしたのも黄金色の葉を際立たせている。木の幹を画面中央から少し左右どちらかにずらして、葉も少しまばらな部分をつくると画面により動きが出るだろう。
中日賞 「大正ロマン(名古屋市政資料館)」 野々目邦弘 作
複雑な構成を確かな遠近法にのっとり丹念に描いている。記念撮影をする男女にも臨場感がある。水彩画らしい淡白な味わいの中に温かみのある色彩。視線が画面左の階段、人物、ステンドグラスに集まり、右下の雑然としたところの魅力に欠けるので、構図に工夫が欲しい。
午後、それぞれの出品された作品について、野村卯 前文化協会会長から詳しい解説がありました。なるほど、言われてみればとうなずく点も多々、とても興味深く聞かせていただきました。
(左上の写真: この彫刻は爪の先までとても丁寧に表現してますね。こういうのをおろそかにすることをツメが甘いと言います・・・。)
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