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2013/11/14

知多郡町村会視察報告 その2

二日目は岩見沢(いわみざわ)に行きました。190万都市札幌から40kmの通勤圏にあります。明治時代に開拓者が浴(ゆあみ)をして疲れを癒したことから「浴澤」(ゆあみさわ)と呼ばれるようになったのが現在の地名の由来だそうです。
この記事の後半に視察レポートを添えておきます。

P1140992_640x480     火災で再建されたレンガ壁の駅舎が立派です。

P1150007_640x480     駅の隣のこの建物に「自治体ネットワークセンター」が入っています。

P1150004_1024x767     ここで「ICTの利活用によるまちづくり」についての説明を受けました。

P1150006_640x480     1階には障がい者就労支援のカフェも入っています。

 P1150014_640x480 P1150018_640x480
 P1150016_640x480 P1150017_640x480
     岩見沢市毛陽地区にある宿泊施設も案内していただきました。
     合併特例債を利用。ログをふんだんに使った建物です。

P1150032_640x372     千歳に近づくと雪はすっかりなくなっていました。北海道の空は広いです。

 

 岩見沢市・・・ICTの利活用によるまちづくり

面積481km2、人口87000人。年間1000人弱減少。除雪に年間7億円(23年度20億円)かかる豪雪地帯。
石炭の運搬など北海道の交通の要衝として、日本で3番目に古い鉄道が敷かれた。その後、時代が変わったが、現代の情報の要衝となるべく、全国に先駆けて自営光ファイバー網194kmを整備し、教育、福祉、医療など幅広い分野で利活用を進めるとともに、新たな雇用とビジネスの創出を進めている。昨年末で、34社の企業進出と延べ608名の雇用があった。
目標は、ICTの高度利用による「住民生活の質的向上」と「地域経済の活性化」。
平成5年から、現総務省と組んで、パイロット事業を行ってきた。

●通信網の整備
他地域とは、岩見沢~札幌間の自営光ファイバー網(北海道開発局が国道下に敷設した管を利用)のほか通信事業者接続サービスを利用した3ルートを確保している。
市内は、自営光ファイバー網に加えて、公設民営型無線アクセスサービスで市内全域をカバーしている。

●ICT関連拠点施設
自治体ネットワークセンター(地域IT拠点施設)やテレワークセンター(滞在型ラボラトリー施設)、新産業支援センター、ITビジネスセンターを整備し、コンテンツ制作、配信、人材育成、レンタルオフィス、起業家支援などを行っている。

●クラウドデータセンター
市と民間大手企業が出資して2か所のクラウドデータセンターを設置、全国の企業や自治体のデータ保存を受け入れている。ニーズに合わせて増設可能なようにコンテナ型のユニットを採用。年平均気温8℃の地の利を生かして空調は外気方式。3年で黒字化の見込みとのこと。

●教育分野では、
市内25小中学校と1市立高校で、衛星回線と地上回線による、双方向遠隔学習システムを展開。教職員と教委で構成する「情報教育委員会」がカリキュラムから番組制作まで独自で行っている。市販のソフト教材も安価なコストで共同利用している。
また、講談社と提携し、児童文学のイントラネットを使った電子配信をしている。

●医療分野では、
岩見沢市立総合病院と北海道大学病院を自営光ファイバー網で結んで遠隔画像診断が可能になった。一次医療機関、二次医療機関、大学病院等の病診連携も進んでいる。

●安心・安全分野では、
個人にICタグを配布し、地域各所に個別受信機を設置することにより、地域児童見守りモデル事業や単身高齢者の安否確認に活用している。先月から日用品の移動販売を開始、移動販売車にも受信機を搭載している。

●農業分野では、
有料で、50mメッシュの気象情報提供をしており好評を得ている。農業へのITC利活用の検証も開始した。

●産業振興
データ入力やコンテンツ制作企業などの企業進出や地元創業が進んでいる。

●GISとその広域利用
全庁GISシステムを平成10年度に独自開発開始、13年度に革新的なGISの取り組みが認められ、SAG表賞受賞。農協、土地改良区、水道企業団などと地図データを共用。市民向けとしてはより軽いオープン系を利用。
国土地理院と包括協定を結び、航空写真等の地理空間情報を無料で活用。(GISや税務のために航空写真を撮る必要はない!)
すでにいくつかの自治体では、基幹システムやGISの広域利用が始まっているそうだ。

●ところでコストは
人口9万人(財政力指数0.3)ほどの市でこんなことができるのだと驚いたが、果たしてコストはどれだけかかっているのだろうか。
質疑応答の中では、ざっと15年間で延べ30億円(うち国・県が15億円)投資し、ランニングコストは年1億円ほど?だそうだ。どれもパイロット的な事業なので、相手の企業は廉価で引き受けてくれる傾向があり、トータルで総務省の想定単価の割安に契約できているようだ。個々の事業のコストを詳しく知りたいところだ。
担当の職員は9人~現在6人。コンサルは使わず企画セクションとして内製でやっている。全員一般事務職で本当の専門家はいないが、業者とはよくディスカッションする環境にあって、時々ヒントももらっているとのこと。
住民にはITはわかりにくい。医療連携は住民からは見えない。児童見守りが始まって住民にITの効果がわかりやすくなったと思う。農業分野では現場から好評をいただいているそうだ。

以上、とても参考になった。オープンデータへの取り組みについて興味があったが、質問しそびれてしまったのが残念。

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