新成人へのメッセージ
新成人おめでとうございます。
「セレンディピティ」という言葉をご存知でしょうか。自然科学の研究者の間ではよく使われます。もちろんビジネスの世界でも使える言葉です。あえて訳語があるとすれば「偶察力」とでも言うのでしょうか。
セレンディピティとは、「偶然に、とても興味深いあるいは価値のある発見をする能力」のことです。偶然を見逃さず、そこからひらめきを得て幸運をつかみとる能力といっても良いでしょう。18世紀のイギリスでできた造語で、『セレンディップ(セレンディップとはセイロン(現スリランカ)のこと)の3人の王子』という童話の中で、王子たちが旅の途中で意外な出来事に遭遇し、彼らの聡明さのおかげで、彼らがもともと探していなかった何かを発見することにちなんでいます。
2002年にノーベル化学賞を受賞した田中耕一さんがグリセロールとコバルトを誤って混ぜてしまったものを捨てずにおいたために、タンパク質の新しい質量分析法の開発につながったことは有名です。古くは、フレミングが、カビが生えてしまった培養サンプルから抗生物質ペニシリンを発見した話しや、ケクレが、蛇が自分の尻尾をくわえて回る夢を見てベンゼンの6員環構造を思いついた逸話などがあります。研究に没頭して、なおかつ偶然訪れたチャンスを迎え入れる準備ができているものだけが幸運を手にすることができるということなのでしょう。
何ごとも、諦めないこと。いつも頭のどこかに自分自身の課題を大切に持っておくことが必要なのだと思います。ぜひたくさんの幸運をつかんでほしいと思います。
東浦町長 神谷明彦
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