タテ割りのセクショナリズム
住民の皆さんと、対話をしていると、しばしば役所の縦割りの弊害についてご批判をいただきます。
一昨年、新日本製鉄と住友金属工業が合併して、新日鉄住金が誕生しました。その中で、これから世界の鉄道技術に与える大きなインパクトが期待できるのだそうです。
新日鉄は、鉄道用レールの国内シェア60%、明治以来100年以上にわたってレールを製造してきました。一方、住金は、鉄道用車輪の国内シェア100%、これまた明治以来100年以上にわたって車輪を製造してきました。
レールと車輪はペアで一つの機能を発揮します。レールが硬すぎれば車輪がすり減るし、車輪が硬すぎれば、レールが早く摩耗します。そこで、組織が一つになれば、レールと車輪の最適化を図ることができます。
もちろん会社組織は一つでも、中の階層を見ていけばセクションは別れているかもしれません。それでも、同じ屋根の下、同じ財布の下、同じ会社で働く同僚同士のコミュニケ―ションができる意味は大きいです。
役場でも、仕事を進める上で、各セクションに別けてそれぞれに責任を持たせています。ほとんどの仕事は一つのセクションにとどまらず、幅広いセクションに関連していることが多いのです。それだけに、お客さまに聞かれて「その件はうちではありません」と言うのではなく、キチンとしかるべき部署のしかるべき人に繋ぐこと。そして、セクションが違っても常に情報交換しつつ、問題意識を持ってディスカッションする風土・姿勢・習慣が必須だと思います。それでなければ、同じ組織を構成している意味がありません。
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