鉄道駅のバリアフリーについて思うこと
JR東浦駅の跨線橋のエレベーター設置工事がほぼ完成し、3月14日(金)から使用開始となります。合わせて、新しい多機能トイレも完成します。駅員さんの引き上げ、長距離切符の販売中止などで苦情をいただいていた東浦駅ですが、これで、跨線橋の上り下りが楽になります。
従来の跨線橋の両側に建屋を設けエレベータを据え付けた構造です。一日乗降客が3000人以上だと、国の補助が1/3もらえます。JR側の施工で工費は約2億円、そのうち東浦町も1/3の7千万円弱を負担します。
しかしながら、日本全国すべての踏切やホームの行き来が立体交差になり、なおかつエレベーターなどでバリアフリーになれば結構なことですが、コストを考えればとても現実的なこととは思えません。とくに、本数が少ない路線では踏切で十分だと思います。東浦駅も昔は駅内に線路を渡れる踏切がありました。今でも平面構造の尾張森岡駅は使いやすい駅だと思います。
友人のfacebookにこんな記事を見つけました。
帷子ノ辻(かたびらのつじ)駅のバリアフリー化にびっくり
学生時代、しばしばお世話になった京都市右京区の嵐電(京福電鉄)帷子ノ辻駅。
久々にホームに降り立って、あれっと思いました。
嵐山行ホームと四条大宮及び北野白梅町行のホームが、改札内の乗客用踏切とスロープで繋がっていたのです。
もちろん、そういう駅はあります。
びっくりしたのは、以前は改札内の踏切はなかったから。今更、踏切を作るというのは、以前は思いつかなかったことだと思います。
その昔、帷子ノ辻駅はビル化された際に改装され、ホームは階段で降りて地下を行き来するようになり、改札口も地下にできたからです。それが近代化という感じでした。
駅員さんによれば、三年前に、車椅子利用者の方々が利用しやすいように、改札内に踏切とスロープを設置し、同時に改札口は、地下をやめ、嵐山行きホーム側の地平に移したとのこと。
ただし、地下道も一応残したそうです。
垂直移動のバリアフリー化は、エレベーターの設置が主流ですが、帷子ノ辻駅のように、個々の事情に応じて、自由な発想で取り組むことも必要だと思いました。
この踏切によって、お年寄りが元気にホーム間を移動していました。私も、乗り換えがとても楽でした。
嵐電では、観光の女性客が電車の写真を撮ったり、嵐山駅の染織による装飾に、「超キレイ」と声を出したり、熟年の男女が、嵐山駅の足湯で楽しんだり、とてもいい感じでした。私は、嵐電は非常に立派な人情味あるLRTだと思っています。これからも繁盛していってほしいと思いました。
ホームの行き来を平面交差に戻したというのです。これはすごく面白いと思いました。これまで、立体交差にしてエレベーターを設置するのが「バリアフリー」でしたが、本来あるべきバリアフリーとして、こういう発想の転換があってもいいのではと思います。
(ただし、ある車椅子に乗られている方にこの話をしたら、踏切では車椅子が線路にはまりやすいので注意が必要とのこと。線路を渡る部分に構造的な工夫が必要かもしれません。)
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