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2014/06/28

信なくんば立たず

非行防止と青少年健全育成町民大会を開催しました。犯罪や非行をなくし社会を明るくする願いを込めた小中学生の作文、ポスター、習字について表彰を行いました。
作文による意見発表では、お父さんの親友の海外転勤に伴って、高校生になった親友の子どもを家族で預かる話、周囲に支えられながら陸上部の練習に集中する話、歴史的建造物を壊すことなく未来へ伝えることの大切さを説く話など、それぞれ心に響く発表でした。次いで「二つの道」という家族や学校や地域の人たちの接し方によって一人の子どもの人生が変わりうることをテーマにしたDVDを鑑賞して、最後に西部中学校の吹奏楽部の演奏を聴きました。むずかしそうな曲を難なくのびのびと演奏してくれました。曲の名前は「恋す蝶」でした。

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子どもたちがすくすくと健全に育ち、犯罪のない明るい社会をつくるには、まず大人が率先して襟を正して、良き手本とならねばなりません。事の善悪に対して毅然とした態度をとれること。おおらかに互いを認め合えること。人と人が信頼し合える社会をつくることが大切ではないでしょうか。

「信なくんば立たず」という孔子の言葉があります。山岡宗八の”徳川家康”を読むと、幼少の家康が駿府に囚われの身だった頃、今川義元の軍師でもあった教育係の太原雪斎が、家康に政治の要諦を問うシーンがあります。食(経済)と兵(軍備)と信(信頼)の3つのうち、3つとも維持しきれなくなって、止む終えずどれか一つを諦めねばならなくなったとき、どれを捨てるかと尋ねられて、家康は「兵」を捨てると答えます。では、残りの2つのうちどちらかを捨てねばならなくなった時、どちらを諦めるかと聞かれて、家康は「食」を捨てて、「信」を残すと答えるのです。戦国時代においても、社会の信頼は、軍備よりも、経済よりも大切だったというエピソードですね。

 

ところで、「こいすちょう」と言えば、壬生忠見の

 恋すてふ わが名はまだき 立ちにけり 人知れずこそ 思ひそめしか

と言う歌を思い出します。百人一首にある歌です。

「恋をしているという浮名がもう立ってしまった。人知れず思い始めたばかりなのに。」と言う意味の恋の歌です。「てふ」というのは「と言う」の意味で、同じく百人一首の中の「春過ぎて 夏来にけらし 白妙の 衣干すてふ 天の香具山」という持統天皇の歌にも同様の言い回しが使われています。
「人知れずこそ 想いそめし」は強調のための係り結びですね。なんだか、中学・高校時代の古典を思い出してしまいました。
いきなり「恋すてふ」なんて歌が出てきましたが、決して不倫願望があるわけではありませんので、あしからず。

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