ゆりあげ港朝市と日和山
9月末に、東日本大震災で津波の被害に遭った名取市の閖上(ゆりあげ)地区を訪ねる機会がありました。閖上では、週末に復興朝市を開いています。
ここには、震災前に漁港があって、朝市は新鮮な魚介や蒲鉾など水産加工品の買い物客でにぎわっていました。かつて5千人もの人々が住んでいた集落は地震の津波で壊滅。今は更地にされ、海寄りのところに仮設の市場が建っています。
この地区には日和山(ひよりやま)と呼ばれる小高い丘があってその上に社(祠)がありました。1000年に一度とも言われる津波は、高さ数mの丘をも乗り越えて、祠は流され、松の大木だけが残りました。その後、祠は再建され、今、丘の上に上がると視線を遮るもののない閖上地区をぐるりと見渡すことができます。
閖上の記憶は、被災地支援をするNPOがプレハブでつくった「集う場所」「伝える場所」です。中では展示を見たり、語り部から話しを聞いたりすることができます。震災の時、日本中が陸地を遡上する津波の映像にくぎ付けになっていましたが、被災地の人たちがこの映像を見たのは何日も後のことだったのだと改めて考えさせられました。
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