休日秋晴れ1日目
午前中は、愛知県と愛知県社会福祉協議会が主催する「生き生き長寿フェア」があいち健康の森公園で開催され、その開会式に参加、地元町長としてごあいさつさせていただきました。老人クラブのグランドゴルフやウォークラリー、マラソン大会、健康関連の展示など、高齢者を中心とした健康づくりや社会参加と生きがいづくりに関わる催しです。毎年開会式に出席していますが、幸いなことにいつも好天に恵まれています。
午後から、富士フイルムの安田知一さんを講師としてお招きし、自然科学講演会『光と色 画像・映像を科学する』を開催しました。中高生から大人までを対象にしつつ、ある程度専門的な内容も取り扱う講座としては初めての試みです。
光の三原色と色の三原色とは何か、被写体から届く光の位置情報と色をどうやって記録するか、記録を目に見えるものにするための方法と手順、従来のフイルム(銀塩写真)とデジタル写真の両方について、入門的な解説をしていただきました。厚さ30μほどの写真フイルムがそれぞれの機能を持った二十数ものゼラチンを硬化させた薄い層から出来ていることをご存じの方は少なかったと思います。それを、十数層まとめて秒速5mもの高速で塗布していることはもちろんご存じなかったと思います。
終了後の質問では、数人の参加者から実に的を射た質問がありました。
翌日の体育祭の準備と重なったせいか、中高生や親子の参加がほとんどありませんでした。感想を聞いたところでは、「最初はゆっくりでよくわかったが、後半は難しかった」という声が多かったようです。
子どもたちの理科離れが問題となっています。身近には中身の分からないブラックボックスと化した電化製品やおもちゃが溢れています。少しでも中身のしくみや原理を解明して「納得」「すっきり」「目からうろこ」の感動を味わってほしいものです。また、愛知県は産業県です。ぜひ技術者や昔、技術者だった方も他分野にまたがる科学や技術に興味を持っていただいて、さらに学びを深めていただくきっかけとなることを願っています。
安田さんの講演の冒頭にあった一節です。
・自然科学とは、物事の原理原則を明らかにすること。
・科学技術とは、原理を組み合わせて、目的の機能や性能を実現する手法。
参考までに、講演に使われたスライドの一部をご紹介します。
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コメント
色にはエネルギーがあり紫の方が黄、赤よりずっとエネルギーがあるとのこと。知りませんでした。紫外線は皮膚にそのエネルギーがぶつかるため皮膚を痛めるということでした。色にエネルギーがある」というよりすべての波長にエネルギーがある」ということではないかと思います。皮膚には紫外線も赤外線もあたっています。紫外線は破壊力が大きいということでしょうか。中村修二さんらが紫色LEDの開発をしているようですが長時間発光すると素材が壊れやすいということがあるようです。お話を聞いていてもうひとつ疑問に感じたことがあるのですが今もって思い出せないのでこの辺にします。
投稿: とだ-k | 2014/10/21 21:02
光のエネルギーは、光波の振動数(周波数)「ν」に比例し、「e=hν」で表されます。(hはプランク定数と呼ばれる定数)
振動数が大きい=波長が短いほど、高エネルギーになります。紫外線よりも波長の短い光線(=電磁波)はエックス線とよばれ、さらに波長の短いものはガンマ線などと呼ばれます。可視光線よりもずっと高エネルギーでいわゆる「放射線」と呼ばれる領域になります。これらは物体の表面では吸収されずに深部まで届き、吸収されたところで分子の結合を破壊したりします。細胞の中のDNAを傷つけてがんの原因になることもあります。
人間は、可視領域の光の波長の長短を「色」という概念で感じたり表現したりしているということです。色があるのは、人間の感覚の問題です。網膜の赤い光を感じる細胞を刺激すれば、脳は「赤」と感じるし、緑の細胞を刺激すれば「緑」と感じるし、両方を刺激すれば「黄」と認識するのです。
投稿: 神谷明彦 | 2014/10/23 17:53