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2015/03/08

防災講演会を開催

3月7日午後から、名古屋大学 減災連携研究センター 特任教授の新井伸夫先生をお招きして防災講演会を開催しました。偶然にも、新井先生はセンター長の福和先生と全く同じファーストネーム。新井先生は、津波と同時に発生する人間に聞こえない超低周波の音(空気の疎密波)を特殊なセンサーで計測して、津波の実態を捉えたり予測したりする研究をされています。
講演では、地震の正しい理解、震災が発生するとどんな事態が起こるか、その時我々個人として何ができるか、などについてわかり易くお話しいただきました。
東浦町では、災害が起こった時でも必要最低限の業務を継続し、また、停止した業務を優先順位をつけて復旧させるためにBCP(業務継続計画)を立てているところです。しかしながら、大災害が起きれば、消防も救急も含めて行政の機能のほとんどが麻痺してしまうことが想定されます。そんな中で、最も基本となるのは自助と共助です。
以下、講演の内容からの抜粋です。

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今日ここへ来たのは、防災について意識の高い人。今日お話しすることはすでにご存知かもしれないが、再認識していただいて、是非今日ここへ来ていない他の人に伝えていただきたい。

1600年以降、徳川幕府ができて、日本全国一律に情報が管理されるようになった。特に地震による城郭の被害などは、修理の許可をもらうために、地方から幕府に詳細な報告がなされている。したがって、当時の文献を読み解いていけば、いつどこでどの程度の地震が起こったかをかなり正確につかむことができる。この間起こった東海・東南海・南海に震源を持つような巨大なプレート境界型地震としては、慶長地震(1605年)、宝永地震(1707年)、安政東海地震・安政南海地震(1854年)、昭和東南海地震(1944年)・昭和南海地震(1946年)がある。この中で、安政地震では東海地震の35時間ほど後に南海地震が起きており、昭和地震では東南海地震の2年ほど後に南海地震が起きている。安政東海地震では駿河湾沿岸に被害が集中、昭和東南海地震では遠州灘沿岸から愛知県にかけて被害が集中しており、これら2つの地震の震源域が異なっていた可能性が指摘されている。そう考えると震源域別の大地震の周期はもっと伸びることになり、今ホットな議論となっている。このように地震の周期を推定することは難しいが、時間とともに地下で着実に歪がたまっていることは間違いない。

震源という言葉があるが、断層面がずれるのだから、大型の地震では、幅500km、深さ300㎞もの震源域となる。これによって海水が面的に押し上げられて非常に周期の長い津波となる。津波は水深1万mでは音速に近い速度で伝わるが、水深10mでは秒速10mほどに減速する。そのため急ブレーキがかかって後から津波がかぶさってくるので、波高の高い水塊となって沿岸に襲い掛かることになる。
東日本大震災を起こした東北地方太平洋沖地震は、3つの震源が2分?ほどの間に時間差を伴って起きたと考えられる。同じ震度7といっても、強い揺れが長く続くかどうかによっても被害の度合いは異なるものと考えられる。

救急車は全国で6114台で、2万人に1台しかない。医師は全国平均で10万人に20人程度しかいない。病院の病床利用率は常時7~8割に達している。他地方からの緊急消防援助隊も現地に集まるまで1週間ほどかかる。援助物資はすぐには行きわたらない。阪神大震災で生き埋め・閉じ込めにあった人で、救急隊に救助されたのはたったの1.7%で、残りの98%の人たちは自力もしくは家族や近所の人の力で助けられた。

大震災の時には、すぐに支援の手は届かない。したがって、自助・共助が必要。共助を進めるためにも、自らが被災しないで、助ける側に回れる人をたくさんつくることが大切になる。
予定調和の避難訓練はもう卒業すべし。災害は夜来るかもしれないし、酔っぱらった時に来るかもしれない、パニック状態にもなるだろう。居酒屋で酔った人も参加して避難訓練をする例もある。
次の世代に、地震に備える姿勢を見せ、たとえ地震が起きなくても、それを伝えていくことが大切だ。

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