PETでなぜ癌がわかるのか?
PETとは、”Positron Emission Tomography”の略で、ポジトロン断層法(陽電子からの放出光を使った断層撮影)のことです。
ブドウ糖に、フッ素18のような核反応により陽電子を発生する原子を組み込んだ特殊なブドウ糖標識化合物(フルオロデオキシグルコース)を血中に投与すると、普通のブドウ糖と同じように、栄養源として細胞に取り込まれます。もしそこにがん細胞のような活発に細胞分裂を繰り返す代謝の盛んな細胞があると、糖分はその細胞の近くに集中することになります。標識化合物は核反応により陽電子を発生するので、その発生を機械的に検出すれば、体内のどこに糖分が集まっているかを調べることができます。これが、PETの簡単な原理です。
ただし、胃腸や脳や肝臓などの代謝の盛んな臓器では、正常細胞とがん細胞の見極めが難しいとされています。
詳しくは下記参照。
http://www.pet-net.jp/pet_html/treat/shikumi.html
http://homepage2.nifty.com/kirislab/chap2sc/newPET/aboutPET.html
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9D%E3%82%B8%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%B3%E6%96%AD%E5%B1%A4%E6%B3%95
http://www.nmp.co.jp/member/fdg2/outline/index.html
検査の始めに血中に投与するフルオロデオキシグルコースとは、グルコース(ブドウ糖)のOHを目印となるフッ素18で置き換えた薬剤です。フッ素18で標識したグルコースであることから、18F-FDGとも呼ばれ、性質はブドウ糖とほぼ同じです。フッ素18(陽子9個,中性子9個からなる原子核)の半減期は110分ですから、2時間ほどで約半分が崩壊して酸素18(陽子8個,中性子10個からなる原子核)に変わってしまいます。フッ素18が崩壊するとポジトロン(陽電子)とニュートリノが放出されます。
陽電子はブラスの電荷をもった電子の反粒子で、近くにある電子と衝突するとガンマー線を放出して消滅します。このガンマー線を検出することによって、ブドウ糖を消費する細胞の位置がわかります。
18F-FDGは半減期(寿命)が短いので、検査当日に検査施設内の専用設備で合成し、つくりたてのものを検査に使用します。
18F-FDG合成法
http://www.cyric.tohoku.ac.jp/kakuyaku/public/petdrug4/040FDG.pdf
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