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2015/06/23

第7回 景観検討委員会

少し時間が経ってしまいましたが、5月27日に開催された第7回 景観計画検討委員会の報告です。
前回までの景観検討委員会では、主に屋敷と郷中(旧市街地)のまちなみをモデルとして景観づくりのルールや範囲、景観重要物の指定やあるべき行動をの方向性について議論をいただきました。また、森岡の丘陵地に広がるぶどう畑の景観を東浦に特徴的な景観として大切にしていきたいという意見も出ています。と言っても、産業景観の主役はあくまでも事業者である農家の皆さんですから、部外者が勝手なことを言うのではなく、作業効率や保安性を確保しながら、農家も地域も心地良い、ぶどう狩りなどに訪れる人にとっても美しい景観を、農家の立場に立って考えていくべきです。2月には、委員の皆さんの発案で、ぶどう農家の方たちと景観計画検討委員会の皆さんとの初会合が持たれました。皆さん方のご協力をいただき、美しい景観を守り育てていきたいと思います。
第7回・8回では、これまでの議論の積み重ねを、理念や方策として具体的にまとめて景観計画の素案となるものをつくり上げていただく予定です。

 

第7回委員会の資料として出された景観計画案のたたき台(全42ページ)の中で、「めざすべき景観まちづくりの目標」を以下のように記述しています。

目標1 【地域コミュニティの拠り所となる景観づくり】
 鉄道駅を中心としたコンパクトな市街地のまとまり、という本町の利点を生かし、まちなかを歩いて楽しむことができ、まちなかで暮らしてみたいと思える都市。郷中に、地域本来のコミュニティの拠り所となるような景観と都市の機能を維持できる都市。

目標2 【訪れる人の印象に残る景観づくり】
 駅を降り立ったときや、自転車で通過するとき、他の都市とは違う個性や美しさ感じ、来訪者の記憶に残る都市。

目標3 【生活と自然が共存する景観づくり】
 日常生活や休日のレクリエーションとして野山や水辺をめぐる中で、豊かな農業や水、緑の景観を愛でることができる都市。

目標4 【交流を生み、持続的なまちづくりへとつながる景観づくり】
 景観まちづくりを通じて、その結果として、住民同士や外からの来訪者との交流が生まれ、まちなかの古い建物の保全・活用や、農業、山林を守る取り組みへの参加が活発となる都市。

 

良好な景観の形成に関する方針」としては、

■まちとみちの景観
都市の印象を形づくり「まちの顔」を際立たせる

・「屋敷」と「郷中」の景観
 中世、近世、近代と重層的に残る歴史や生活文化と、坂道、道路のほっとする空間を活かす
・新しいまちなみの景観
 節度・品位のなかに、にぎわいや快適さのある新しい景観を創造する

■農と緑と水の景観
「自然」への畏敬を持ち、町民の「原風景」として大切に継承する

・「根」と「挟間」の景観
 自然環境に親しむ場としての里山と農地に囲まれたふるさとの川の景観を守り、育てる
・ぶどう畑のある田園の景観
 農業の魅力を味わうとともにアピールし、農業を応援する

■岸辺の景観
岸辺を歩き、水に親しめる空間をつくる

・岸辺の景観
 美しい水際の景観をつくり、まちの「エッジ」を際立たせる

■「ひろがり」を持った景観
町民の美意識を育む「原風景」をみんなで考え、守り、育てる

・視点場
 みんなにとっての「自慢の場所・とっておきの場所」を発見し、共有する

となっており、その中で、より具体的な場所や、凡その課題と方策が例示されています。

 

景観計画の区域と枠組み」については、

①まず、町全域を景観計画区域とし、当面、大規模(開発)行為に限り、制限を設ける
②更に、特に東浦らしさのある特徴的な区域、町民が集える場所のある区域、放置すれば失われていく恐れが強い区域などにおいては、地域住民が参加しながら「重点区域」を設定し、区域の特性や課題に応じた行為の制限を設ける
③“できるところからはじめる”ために「先行的プロジェクト地区」を検討する。景観まちづくりの具体的な事業・アクションとして先行的に事業実施が可能な建造物や公共施設等について、その歴史的・景観的価値や保存・修復の必要性、所有者の意向などから判断して重点区域を中心に考える

としています。

 

これらのたたき台に対して、
・景観計画区域の行為の制限が、曖昧で緩過ぎる。重点地区の規制の気配が、全体の景観計画に感じられるようにすべき。
・旧市街地では道路拡幅計画もある。景観を守るか、建物を守るか、拡幅を優先するか、議論が必要。
・先行的プロジェクト地区の検討を強調してスピード感を持たせるべき。
屋外広告物条例についても、県条例では市街化区域しか対象としていないため、町独自での検討が必要。
・コンビニや医療機関は、規制が緩いだけに景観率先行動が求められている。まちや市民が関わることによって、企業などの行動パターンも変えていけるはず。
・頭ごなしの規制ではなく、景観に配慮することによるメリットを示していきたい。
・栗東市のように、すべての建築確認申請を市の窓口に集めて、景観をアピールするやり方もある。
・“美”のわかる人を役所の担当に据えること。
・行政としても、景観形成を、公共事業としてやるのか、補助事業として誘導するのか、規制をするのか、啓発にとどめるのか、個々の課題について手法を明確にすべき。
・景観計画の章立てとして、冗長な前段や背景は後回しにして、対処すべき方策を前面に示しては。
などの意見が出されました。

 

今後のスケジュールとして、第8回景観検討委員会で素案をつくり、9月に議会に対して素案を説明、意見をいただき、さらに第9回・10回の景観検討委員会で景観計画を練り上げて、景観計画を策定していきたいと考えています。第9回の後にはパブリックコメントを行う予定です。

また、7月には、住民の皆さんと意識共有を図ることを目的に「景観シンポジウム」を開催したいと思います。シンポジウムの前段は景観検討委員会の会長である海道清信 名城大学教授から講話をいただき、後段で検討委員会のメンバーと町長、そして会場の参加者にも入っていただいて、東浦町の景観の特徴について意見交換をすることを考えています。意見交換では、景観計画の必要性とあわせて、景観計画の基本理念・基本方針について、東浦の特徴を紹介しながら、そこに住む人同士の意識の共有をしたいと思います。
現実に生活や事業を営む人を無視したルールづくりをしても意味がありません。みんなでまちのたたずまいをつくっていこうという共感を得ることこそが、大切なことだと思っています。

さらに、7月~8月には、「景観フォト&エッセイコンテスト」を開催する予定です。コンテストでは、撮影された景観に込められた思いをエッセイとして写真に添えてもらうことにしました。住民目線でまちの良いところを再発見できるような趣旨にしたいと思います。
審査の視点として、①この景観を見たい、住みたい、訪れる人を魅了すること、②東浦らしさ、③豊かな自然と人の生活、④人の営み、⑤誰もが自由に訪れることができる場所、であることを重視して、審査は景観検討委員のメンバーにお願いする予定です。

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