徳川家康の生母 於大の方ゆかりの乾坤院で火災、歴史を伝える建物が焼失。
無念としか言いようがありません。昨日(3月4日)午後、古刹、乾坤院の本堂付近から出火、伽藍の大部分が焼失。岡崎城主であった水野忠善が、先祖菩提供養と曾祖父にあたる水野忠政を顕彰するために建立した堅雄堂をはじめ、本堂、座禅堂も全焼です。山門は、火災を免れたように見えますが、屋根裏に火が入っています。
幸いにして、死傷者は無し。普段は名古屋市立博物館に収蔵されている絹本著色弁財天像、絹本著色諸尊集会図、紙本墨書正法眼蔵写本などの県指定文化財(絵画・書跡)
は無事でした。しかしながら、古くからの佇まいを残す建物の大部分を失ってしまいました。まるで心にぽっかりと穴が開いたようです。失って初めて、無くなったものの大きさ大切さに改めて気づかされた思いです。
思い出として、在りし日の乾坤院 本堂と座禅堂の写真を添えておきます。一昨年(2014年)の涅槃会のときに撮ったものです。
風はほとんどなかったものの、火災の影響は、すぐ隣の於大公園や周辺の林地にも及びました。於大公園内には、火のついた木片が地面や建物の屋根に降り注ぎました。役場の職員が大勢で消火にあたり、こちらは幸い低木や下草を焼いた程度で済みました。
知らせを聞いて、今朝、東京から水野宗家(結城水野家)のご当主 水野勝之氏が、竹中刈谷市長とともに駆けつけてくださいました。水野勝之氏は、2013年8月に開催された刈谷城築城四八〇年記念会の翌日、乾坤院を訪れ、短い時間でしたが、先祖の位牌が置かれている堅雄堂にお参りされました。そのとき、また改めてお参りしたいと仰っていました。それも、もう叶わないこととなってしまいました。重ね重ね残念でなりません。
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