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2016/06/08

サイエンス講座「アフリカで生まれた人類が日本人になるまで」を聴いて

東浦町では、科学・技術について、その分野の専門家をお招きしてサイエンス講座を開いています。一般の方や中高生にもわかりやすい講座をめざしています。

昨年度は、第1回「酢の化学と酢の力」、第2回「火山の話」、第3回「やさしく解説!クルマが走る原理と新技術」、第4回「放射線って何だろう?」、全4回の開催でした。

今年度の第1回目は、6月5日(日)に名古屋大学博物館講師の門脇誠二さんをお招きして、「アフリカで生まれた人類が日本人になるまで」というテーマで講演をいただきました。門脇先生は、東京大学大学院修了後、アメリカとカナダで人類学を学び博士号を取得、遺跡発掘にも携わっています。

「アフリカで生まれた人類」と言えば、人類の祖先をたどっていくとアフリカに生まれた一人の女性に行き当たるという「ミトコンドリア・イブ」説が有名です。「イブ」とはロマンチックな表現ですが、要するに、昔々ある時に起きた一つの遺伝子の変異がホモ・サピエンスが生まれるきっかけとなったわけです。以下、講演の要旨です。

ヒトは類人猿との共通祖先から進化したと考えられています。人類は、約1200~1500万年前にオランウータンと分かれ、約600~800万年前にゴリラと、約500~600万年前にチンパンジーと分かれたと考えられており、DNAの違いは、ヒトとゴリラで1.4%、ヒトとチンパンジーで1.2%しかありません。(ちなみにゴリラとチンパンジーの違いも1.2%です。)

人類が、猿人→原人→旧人→新人と進化するうちに、猿人で二足歩行ができるようになり、原人でさらに二足歩行を発達させ、原人、旧人、新人につれて歯が小さくなり、脳の容積が大きくなってきたことが骨格から見てとれます。

2012年には、洞窟内の遺跡から100万年前に人類がすでに火を使っていた痕跡が見つかりました。

人類の起源はアフリカの大地溝帯地方にあると言われています。しかしながら、原人がアフリカで生まれアフリカから出て、世界各地でそれぞれ進化を遂げて今の人類になったわけではありません。原人も、原人から進化した旧人も一旦絶滅し、再度、十数万年ほど前にアフリカで旧人から生まれた新人(ホモ・サピエンス)が世界各地に散らばって、それぞれの場所の環境にあった文化を形成してきたものと考えられています。
また、ネアンデルタール人など旧人と、新人は同時期に存在していたことがわかっており、それぞれが交雑した形跡もあります。事実、日本人の遺伝子の中にも平均2.5%ほどのネアンデルタール人のDNAが含まれているそうです。そして、ヒトの遺伝子の中の言語発達に関係すると推定される遺伝子領域には、旧人由来の遺伝子が少ないことから、言語の発達が人類が生き残るのに重要な要素だったのかもしれません。

アフリカからアジアに新人が渡ってきたルートとして、北回り(中央アジア)ルートと南回り(東南アジア)ルートが考えられます。日本の旧石器時代の遺跡からは、北回りルートの文化(石刃尖頭器、ビーズ、ペンダントなど)と南回りルートの文化(磨製石器、海を渡る技術など)の両方の特色がみられることから、両者が日本にたどり着いて融合したと考えられます。

最後のところは、(時代は異なりますが)いかにもシルクロードの終着点にふさわしいお話しで、とても興味深く聞かせていただきました。
今回のサイエンス講座には、いつもよりたくさんの受講者かありました。やはり我々は自分たちのルーツに強い関心があるのかもしれません。「つれづれログ」でも最も書き込みが多いのは、名字(家系)の由来についての記事なのです。

 

※門脇先生の講演とは異なりますが、ネット上を検索していて面白いサイトを見つけました。元教員の方が書かれた宇宙と生命の起源についてのサイトです。個人のホームページですが、なかなかの力作です。
http://www.s-yamaga.jp/nanimono/seimei/jinrui-01.htm#アフリカ単一起源説
http://www.s-yamaga.jp/nanimono/nanimono-hyoushi.htm

※ミトコンドリア・イブについて記述しているサイトです。参考まで。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%83%88%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%BB%E3%82%A4%E3%83%96
http://www.geocities.jp/hakodatereports/mitoibu.htm
http://www.gregorius.jp/presentation/page_15.html

 

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