KURUMA・ザ・トーク・・・セカンドハーベスト名古屋の活動とフードドライブ
総合ボランティアセンター“なないろ”のKURUMA・ザ・トーク vol.5に参加。面白い話しが聴けるので、時間のある時は参加することにしています。
今晩は認定NPO法人 セカンドハーベスト名古屋 事務局長の前川行弘さんから、フードバンクの活動とフードドライブについて伺いました。簡潔なスライドでとてもわかりやい説明でした。以下は、お話しの要約です。イベント等にフードドライブを取り入れるのは可能ではと思います。
日本の年間食糧仕向けは約8300万トン、そのうち事業系廃棄物が約1900万トン、家庭系廃棄物が約900万トン。捨てられる食べ物の中で、まだ食べられるもの(食品ロス)は、事業系330万トン、一般家庭302万トン、合計632万トン。これは、世界の食糧援助量 年間約320万トンを大きく上回り、日本の年間コメ生産量788万トンに匹敵する。日本人1人当たりに換算すると、茶碗1杯分(約136g)の食べ物が毎日捨てられている計算になる。
食品が捨てられる理由は、①賞味期限・消費期限が短く、なおかつ慣習で、製造出荷に賞味期限の1/3、販売に賞味期限の2/3の期限を設けていること ②缶のへこみやラベルの傷など見た目の悪さ ③野菜の大きさや形など規格外 ④過剰生産や過剰仕入 などで、日本の消費者の要求レベルが高いこと、企業間の競争などが遠因にある。
“フードバンク”とは、食品メーカー、輸入業者や卸売業者、小売店やレストランから、賞味期限が残っていても販売しない食品を寄付してもらい、それを福祉施設、失業者・ホームレス支援団体、外国人生活支援団体に無償で提供する仕組みで、1967年に米国アリゾナで誕生した。1984年にはフランスで。日本では、2000年に東京山谷で炊き出し活動をしていたチャールズ・マクジルトン氏がセカンドハーベストジャパンを設立した。
セカンドハーベスト名古屋は2007年に発足、2009年にNPO法人として認可、東日本大震災被災者支援、生活困窮者個別支援、高齢者コミュニティ支援活動などを行い、2015年には認定NPO法人として認可された。2016年の年間取扱量は400トンで、142の企業・団体から食品を収集し、190の施設・団体に食品を配布している。400トンの内の8割を自前で収集し、残りは他のフードバンクから融通を受けている。食品は販売しないので、資金源は、行政の委託事業や企業からの寄付に頼らざるを得ない。各企業から寄付をいただいているが、特に海外の企業には寄付文化が浸透していると感じる。税控除もあり個人の寄付も募っている。現在、正会員・賛助会員115名、無給役員6名、有給職員2名、ボランティア約30名で、ドライバー、個人支援、事務、休日活動の各チームを運営している。
日本の食品ロス632万トンに対して全国のフードバンクの取扱量は0.5万トンで、食品ロスの0.1%しか消化できていないので、事業者や家庭への啓蒙がさらに必要と考えている。食品提供企業にとって、社会貢献企業としてのイメージアップや廃棄コストの削減などのメリットが考えられるが、既存顧客に対するブランドイメージの低下や提供品の選別・送付などのデメリットもある。フードバンクは、食品を再販しないことはもちろん、品質の保証や寄贈品の管理の徹底など、提携企業と信頼関係を構築することが重要になる。
食品配布については、団体支援のほかに、東海3県の社会福祉協議会や自治体と連携を進め、依頼書に基づき各相談窓口へ1件につき送料1500円で約3週間分の食品パックを送る生活困窮者向けの個別食品支援を行っている。
今後、家庭で余っている食べ物を学校や職場などに持ち寄り、それらをまとめて地域の福祉団体や施設、フードバンク等に寄付をする活動“フードドライブ”を進めていく。フードドライブは、①集会所、学校、職場など実施する場所を決め ②チラシやSNSで食品を募り ③食品を受付・選別し、フードバンクに送るか持ち込む ④活動の成果を参加者で共有する のステップで市民が実施する。寄付いただきたい食品は、米、缶詰、レトルト、乾物、調味料、乳児用食品、飲料など。賞味期限が不明のものや1ヶ月を切っているもの、開封されたもの、生鮮食品、冷凍食品、酒類、また食品以外のものは、お引き受けできない。イベントなどでフードドライブを実施する例もある。ぜひ、寄付を通じて、食品の提供を通じて、フードバンクの社会貢献に参加していただきたい。
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コメント
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>総合ボランティアセンター“なないろ”のKURUMA・ザ・トーク vol.5に参加。面白い話しが聴けるので、時間のある時は参
>加することにしています。
講師のお話、丁寧な内容紹介で出席しなくてもおよその理解は得られます。
公務以外にも町内、町外、夕方のイベントへのご参加。参加されるエネルギーに脱帽です。
投稿: とだ-k | 2017/02/26 16:19
とだ-k様
よほどの天才でない限り、無から有を創造することはできません。したがって先進事例を見聞きすることは不可欠です。そして、何事にも好奇心と想像力が必要だと思います。
こうしてレポートにして残すのは、一つには、自分の覚え(メモ)のためですが、書くことによって自分の理解を深めることにもなっていると思います。さらに、地域の課題意識のある方々に読んでもらい意識を共有するとともにヒントや気づきが得られたら幸いなことです。特に役場の職員には仕事のヒントとしていただきたいところです。
こうして、読んでコメントをくださる方がいらっしゃるのも、大きな励みになっています。ありがたいことです。
投稿: 神谷明彦 | 2017/03/02 02:16