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2017/11/26

スクールパートナー研修会に参加

片葩小学校で開催されたスクールパートナー研修会に参加しました。

東浦町で、教職を目指す学生の力を学校教育に生かす取り組みが始まってから5年目を迎えました。この間にスクールパートナー(SP)として登録した学生の数は350人を超えています。この取り組みの中で、学生と学校は“Win-Win”の関係になっています。夏休みに開催している「わくわく算数教室」では、子どもたちが学ぶことの楽しさを思う存分味わう一方で、学生たちは、教育のおもしろさ、難しさを肌で感じ、教師という仕事のやりがいを確実につかんでいます。この取り組みをより充実したものにしていくために、そして、学生同士や学生と教師とで情報交換をすることで、互いがさらに力量を向上させていくために、前回に引き続き、片葩小学校でSP研修会が開催されました。

私は町長として、①ひとりひとりの子どもに目の届く、わからないまま放置しない、公教育の責務をはたすこと ②科学する姿勢を身に着けること ③自分の頭で考え、自分の言葉で文化の異なる人に伝えられる、世界に通用する個人を確立すること ④そして、以上のことを検証可能な形で実行すること を東浦の教育に期待しています。
片葩小学校ではじまったSPは、マンツーマンに近い形で学生と子どもたち一人一人の学びの場を創り出し、なおかつ日常の振り返りや研修会などで学びのフォローもしています。そんな仕掛けをつくり込んだ、学生も成長を実感できる取り組みは、まさに東浦のブランドとも言えるものになってきました。今年の夏休みには、小学校と合同で東浦中学校が「わくわく数学教室」も実施しました。

SP研修では、学生たちの体験発表やグループワーク、東浦中学校主幹教諭の竹内稔博先生と片葩小学校SPコーディネーター(前片葩小学校長)の中村浩二先生の講演がありました。
私も学生のグループワークに混ぜてもらいSPの声を聴くことができました。そのなかで、「小中学校によってはSPの少ない所もあるので、町内のSP同士の情報共有の場が欲しい。学生が運営する事務局本部やブログ、LINEのネットワークをつくってはどうか。」などの前向きな意見がありました。
中村先生は、「わくわく算数教室で、子どもたちの学力が向上したという数値的データはない。」「学習意欲が高まった子はいる。」「自分を大事にされるという経験こそが一番の成果ではないか。」「SPがしていることは一人の子どもを大切にすること。」「教育の指導の原点は1対1。教室で30人の子どもを前にして行うのは、1対30の指導ではなくて、1対1の指導を30通り行うこと。」と強調されていました。
教職を目指す学生ボランティアが育つのは東浦と言われるように、SPの“Win-Win”の関係を全町に定着させていきたいのもです。

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コメント

下記は自分の能力を自分で閉じてしまう」怖さの記事でしょうか。
1歳の子に背中を押され、自分が閉ざしていた可能性_森田真生_2017/11/30 日本経済新聞夕刊
 絵を描くことが苦手だと、いつしか思い込むようになってしまった。小さい頃は、そんなことはなかった。紙の上にぐちゃぐちゃと線を描いているうちに、面白い奇妙な形が生じる。何を目指すわけでもなくそういう形と戯れるのが、それだけで愉快だった。小学校に入った頃からだろうか。犬を描くとか、家を描くとか、目的が定型化してきて、描くことが面白くなくなってきた。正しい絵を正しく描くことについては、自分より上手(うま)い人がいくらでもいる。
 同じ頃、学校の視力検査で「色弱」という診断を受けた。それまで色について不自由を感じることはなかったのに、自分は本来見えるべき色が見えていないと思うと、色と向き合うこと自体が苦痛になった。以来、「自分は絵が苦手なのだ」と、すっかり決めつけてしまったのである。ところが最近、息子が絵を描き始めた。「まーむぅ(まる)」と言いながら丸い輪郭を何重にも描き、「いちぃ」と言いながら上下に往復する軌跡を描く。「ばばばぁ(バナナ)」も「ままぁ(ママ)」も「あじあ(?)」も、見た目には似たような形だが、その様子がいかにも楽しそうなのだ。
 そんな姿を眺めていると、自分も久しぶりに絵を描いてみたくなった。横に座って、同じように、言葉や、変な音を出しながら、絵ともつかない絵を紙に描きつける。勢いよく力強い太い線。淡い色の消え入りそうな微(かす)かな線。塗りつぶしたり、散らしたり、クレヨンの先を踊らせたり、回したり。自由に描く喜びに、久しぶりに夢中になった。横で息子が、「ガハハハ」と豪快な声で、満足そうに笑う。絵を楽しく描くことに、上手いも下手もないのだと、おかげで思い出すことができた。下手だ、苦手だと、決めつけてしまえば、素直な楽しみも苦痛に変わる。絵を描くことや、歌うこと、踊ることや物を作ること。小さい頃はただ無邪気に楽しんでいたはずのことが、いつしか成績や評価の対象になり、他者との優劣ばかりが気になり始める。劣等感は募り、気づくと自分で自分の可能性を、勝手に閉ざしてしまうのだ。
 先日、近所で開かれている絵画展の情報がふと目に飛び込んできた。せっかくだからこの機会にと、珍しく、絵の鑑賞に出かけた。絵を描く喜びを再発見したことで、人が描く絵を観(み)てみたいと素直に思えるようになったのである。誰もがプロの画家になるわけではない。同じように、誰もがプロの音楽家や数学者になるわけでもない。だが、絵を描くことや、音を奏でること、あるいは数学すること。そういうことを、もっと伸び伸びと楽しんでいいのだと気づくことができれば、絵を観て、音楽を聴き、数学を味わうことも、いまより素直に楽しめるようになるのではないか。そうして、作品の受け取り手が増えることは、作者にとっても大きな力になるはずである。
 「私は絵が苦手です」と、これからはもう口にすまいと心に決めた。ただ夢中で何かに没頭する時間に、下手も苦手もないからだ。
 1歳の子に背中を押され、自分が閉ざしていた可能性の扉を再び開いた。いくつになっても外は、爽やかな風が吹いている。

投稿: とだ-k | 2017/11/30 20:51

色に対する感受性の異なる方が、実際にどんな色彩の絵を描くのか、とても興味がわきます。
そういえば、つい先日、子どものころから所謂運動音痴でスポーツが大嫌いな知人(普段は元気なのにスポーツと聞いたとたんに別人のようになってしまうのです。)が、最近ふとしたことから、友人に誘われて水泳大会に出たり、ジョギング大会に出たりするうちに、身体を動かすことの楽しさに目覚めたようなことを言っていました。
ウマイ、ヘタではなく、自分で、あるいは仲間と楽しめれば十分です。みんな違うのですから。

投稿: 神谷明彦 | 2017/12/07 16:28

今日の新聞書評欄で紹介されているものです。人の意識の国際化が遅れているといわれる日本の生活意識に変化を求めることにつながるかもしれないと思います。
日本の15歳はなぜ学力が高いのか? ルーシー・クレハン著_国際比較で考える「よい教育」
2017/12/9付 日本経済新聞 朝刊
複数の国の教育を比較する本はいろいろあるが、この本はお薦めだ。面白くて、しかも深い。
著者はロンドンの貧しい地区で教えていた英国の若い女性教師である。へとへとになるまで働いてもなかなか成果が上がらない。英国の教育の仕組みがダメなのではないか。そこで、PISA(学習到達度調査)で高得点をあげている5カ国の教育を見に出かけていき、どういう教育をしているのかを知ろうと考えた。人類学者を思わせる著者の卓抜した観察眼と、多くの研究成果を関連づけて考察を組み立てる論理の確かさとによって、単なるルポではなく、それぞれの国の教育の本質を、説得力あふれる筆致で描き出すことに成功している。5つの国は、一つ一つまったく異なっており、それぞれ長所も短所もある。授業のやり方だけでなく、その外側にある社会の仕組み、教育制度、教師文化、人々の信念など、多様な要因が国ごとに違っている。それらを使った謎解きが本書の議論の大きな魅力である。
できるだけ生徒の分化を遅らせた仕組みが、高い成果につながっているフィンランド。支えているのは、自律性が高く高度な専門性をもつ教師の質の高さだ。対照的なのがシンガポールだ。小学校高学年で能力別に分化し、12歳で受ける小学校卒業試験の点数が将来を大きく左右する。プレッシャーも強いし、不平等も大きい。しかし、どの子も猛勉強をしており、低い成績の子も、本当に有用な職業訓練を受けられる。
頑張ればだれでもできると考え猛勉強に励む上海。授業は詰め込み一辺倒に思われがちだが、実は英国の学校以上に知識の定着と応用をしっかりやっている。多文化社会のカナダは、個に寄りそう教育を行っている。リーダーシップ、組織作り、多様性の尊重など、多様な教育目標も重視されている。では、日本はどう描かれているのか――それは読者の愉(たの)しみに残しておく。残念な誤解もあるが、急所はしっかりと書かれている。
著者は最後に5つの提言をしている。なるほどと思わされる。教育改革の議論は迷走しがちだが、改革を口にする人は本書を読んで、じっくりと考えをめぐらせてほしい。「よい教育」は多様だし、そこへの道も単純ではないのだ。
原題=CLEVERLANDS_早川書房

投稿: とだ-k | 2017/12/09 18:54

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