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2017/12/03

第3回 65歳成人式 と 堀尾正明さんの講演

あいち健康プラザプラザホールにて「平成29年度65歳成人式」が開催され、東浦町在住の65歳の方の門出を祝いました。退職して地域に戻って来られる方もたくさんいらっしゃると思います。

初めに、東浦吹奏楽団による演奏、各種ボランティア団体の紹介、TBSテレビ「ビビット」などで活躍中の元NHKアナウンサーの堀尾正明氏の講演、ビュッフェスタイルの懇親会などが行われました。会場では、懐かしの同級生との再会を喜ぶ姿も多数見られました。

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東浦吹奏楽団の演奏と実行委員長さんの挨拶。各テーブルで自己紹介。司会の方が盛り上げてくれました。

Dsc00880_800x600              堀尾正明さんの講演。白板を使って正しい日本語のお話し。

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              地域の皆さんの活動紹介です。

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            ビュッフェスタイルの懇親会の様子です。

懇親会の様子がmediasエリアニュースで紹介されています。
http://www.medias-ch.com/movie_detail.php?page=6122

 

私からは、以下のようなご挨拶をさせていただきました。

 65歳の皆さん。65歳成人式おめでとうございます。
 60歳を過ぎて、定年という一つの節目を迎えられて、これから20年近くある人生をどう作っていくか、どうまとめていくか、考えるいい時期ではないかと思います。

 東浦町に転入された方はもちろん、地元生まれの方でも、お勤めの方は、どうしても自宅と会社の間を行き来する中で、もっぱら職場でのお付き合いが多かったのではないでしょうか。地元、地域のお付き合いが希薄になりがちだったと思います。退職というイベントを迎えられるor迎えられたこの時期に、ふだん顔を合わせることが少なかったお互いの交流と、地域の活動などを知っていただき地域と関わりを持つきっかけにしていただけたらと、65歳の成人式を計画しました。

 実行委員会の皆さんには、何回も会合をもって、本当に一生懸命に、熱く、この会の企画に携わっていただき心から感謝をいたしております。毎回、実行委員の皆さんの流儀で、講師も探していただいています。昨年は養老孟司さんでした。今年は、NHKでキャスターをされ今もTVで活躍されている堀尾正明さんをお招きしました。

 今日と言う日は、これからの人生において、いちばん若い日です。そう思うと希望が湧いてきます。
 皆さん方もご存知かもしれませんが、サミュエル・ウルマンの「青春」という詩をご紹介したいと思います。その冒頭に、“Youth is not a time of life; it is a state of mind;”「青春とは人生のある期間を言うのではなく心の様相を言うのだ。」というフレーズがあります。また、その少しあとで「年を重ねただけで人は老いない。理想を失う時に初めて老いがくる。」と続きます。人生をどれだけ遣り甲斐、生きがいを持って楽しめるかどうかは、まさに心のありようにあるのだと思います。

 皆さん方はこれまでの人生を通じて、またお仕事を通じて、さまざまなスキルや経験知をお持ちのことと思います。もれからも、ご家族、ご近所、そして地域の様々な方たちとふれあい、趣味を楽しみ、また、新しいことを学ばれたり、地域社会の中で頼りにされ貢献されるなど、一人お一人がご自分なりの存在感を持って、さらに輝いていただきたいと願っています。
65歳成人式がその一助になれば幸いです。

 

以下は、「輝け65歳 地域の仲間とともに!」と題した、堀尾正明さんの講演です。(私の部分的なメモですですので、正確性に欠けることをご容赦ください。)

いま、自分は62歳。月に1回休みを取っている。髪の毛もある。
ハイビジョンになって、シワやシミがくっきり映るようになった。ハイビジョン用化粧品でキメ細かくメイクしている。にもかかわらず、「同じスーツを3か月前に着ていた」とか、「シャツとネクタイのセンスがない」とか、クレームが来たりする。テレビのクレームの8割は見た目だ。例えば、「眉間のシワが怖いので整形してほしい。」「美しくて正確な日本語を話してほしい。」などのクレームも来る。
先進国の言語でも最も変化が激しいのが日本語だ。「だらしない」という言葉があるが、江戸時代には「しだらない」が正しかった。のちに、「うまい」を「マイウ」というように語順を変えたスラングから「だらしない」になった。
「潮時を迎える」という言葉の意味は、「終盤」ではなく、「一番盛り上がっている好機」。「失笑する」は本来「こらえきれず吹き出す。大きく目をあけて笑う」だが、今では「馬鹿にして笑わない」という意味で使われている。「憮然とする」は「がっかりする」の意味だが、「怒る」の意味で使われている。
春の天気の良い朝に、「さわやかな一日」と言ったら「それは秋の季語だと」叱られたことがある。セロテープ(ニチバン)もポリバケツ(セキスイ)も商品名なので、セロハンテープ、プラスチック製バケツと言わないと、ライバルメーカーからクレームがつく。エレクトーン、味の素もダメ。ヘアムースのことは「泡整髪料」。TDLのことは「千葉の大型テーマパーク」という。

弥生時代の人口は57万人、鎌倉時代は680万人、江戸時代は3000万人。明治期に急に人口が増えて、昭和42年には1億人を超えた。それが2004年をピークに急速に人口は減り始めた。今の人口は1億2700万人。それが2055年には8600~8800万人になる。ちょうど自分が100歳の時だ。今から4000万人が減少するが、これは、今の大阪府以西の人口に相当する。これだけがスポッと無くなることになる。
当然、税収も減る。住民の自助努力がないと地域社会が成り立たない。例えば、パトカー5台を更新するのに、パトカー2台と地域の青パトで行きましょうとなる。
一方で、今、地球の人口は73億人。これが2055年には93億人、2100年には120~130億人になるといわれている。1年で7千数百万人が増えるペースだ。

皆さんの世代は、騙されやすい。人が良いのに加えて、コミュニケーション能力が劣っている。オレオレ詐欺に引っかかった人の95%が自分は大丈夫だと思っていた。
日本の教育は読み書き中心だったので、会話力がない、討論、ディベートがない。武士道からくるであろう「男は黙って・・・」を美徳とする文化に対して、良くも悪くも西洋人は饒舌だ。
ディベートを「討論」と、スピーチを「演説」と訳したのは福沢諭吉だ。言葉巧みな人材を育てねばと、三田演説館(のちの慶応義塾)を創設した。しかし、この160年間、日本人のヒアリング能力、会話力は進歩していない。

皆さんの聴く力を試す問題を出してみよう。

Q1:
あなたはバスの運転手です。あなたの運転するバスは、最初の停留所で10人乗って、次の停留所で5人乗って、次の停留所で1人降りて、次の停留所で2人乗って・・・。さて、バスの運転手は何歳だったでしょう?

Q2:
あなたは川へ石を投げました。すると、その石は(手を下げたり上げたりするジェスチャーをしながら)沈んだりもぐったりしました。なぜそうなったのでしょう?

Q3:
小学校1年生の計算問題です。A、B、Cの3人がそれぞれ1000円ずつ出し合って、D子に2500円のCDを買ってきてもらいました。残り500円のうち3人に100円ずつ返して、D子は手間賃に200円をもらいました。
さて、3人が出したのは900円×3で2700円。それにD子がもらった200円を足すと2900円。最初3000円あったはずなのに100円足りなくなったしまったのはなぜ?

※上記の問題は話し言葉向けにできていますので、文章題には向いていないことをご容赦ください。

さて、みなさん。人の話しをちゃんと聞いてくださいと言っているのに、みんなわからない。人の話しを聞く力がないから、騙されやすいのです。

(※答えはおわかりでしょうか? もし確かめたかったら、このブログにコメントをください。私から回答します。)

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コメント

Q1->11/9日経新聞夕刊の森田真生さんのお話の初めの問題と同じではありませんか。"船上に26匹の⽺と10匹のヤギがいる。このとき、船⻑は何歳でしょう?"バスの運転手の歳は「わかりません」
Q2->川に向かってスライド横投げしたのではありませんか。もっと違う答えでしょうか。「沈んだりもぐったりしました」という情景に何かありそう。
Q3->2700円からCDの2500円を買えばお釣りは200円でこれがお駄賃になります。
>さて、みなさん。人の話しをちゃんと聞いてくださいと言っているのに、みんなわからない。人の話しを聞く力がないから、-->3つの問題はメモをとつてしばし考えないと私は即答できません。
2.サミュエル・ウルマンの「青春」という詩は在職中に聞きました。有名な詩ですね。65歳成人式でこそ生きてくることばだと思います。なぜ在職中、朝礼等で紹介されたのか不思議な気がします。あまりに歳の若い老人が多かったのでしょうか。大企業病になることを揶揄したのでしょうか。

サミュエル・ウルマンの「青春」という詩から古い思い出の連想です。
入社したてのころ東京上野の東照宮?寛永寺?に行ったとき下記の小さな巻物になっているものを入手しました。読んでなるほどなと、家康の生涯に思いをはせて涙が出たことを思い出します。

家 康 遺 訓  人の一生は重荷を背負セオいて遠き道をゆくがごとし、いそぐべからず、不自由を常とおもへば不足なし、こゝろに望みおこらば、困窮したる時を思ひ出すべし、堪忍カンニンは無事長久の基モト、いかりは敵とおもへ、勝つ事ばかり知りて、まくる事を知らざれば、害その身にいたる、おのれを責めて、人をせむるな、及ばざるは過ぎたるよりまされり。    

とだ-k様
ネタバレになりますので、覚悟の上でお読みください。

Q1:最初に「あなたはバスの運転手です」とはっきり言ってます。ここは何の会場だったでしょう?

Q2:「沈んだり潜ったり」もう一度よく読んでみてください。

Q3:おっしゃるとおり、2700円に200円を足すのは全く根拠のない計算で、何をしようとしているのか不明です。2700円から200円を引くとCDの値段になるというなら理解できます。

とだ-k様
サミュエル・ウルマンの「青春」はマッカーサーの座右の銘で、たまたまその額が昭和天皇とツーショットを撮った時に写っていて、それがもとで本家アメリカでも有名になったというエピソードがあるようです。
http://home.h03.itscom.net/abe0005/ikoi/seishunn/seishunn.htm

家康遺訓、いいですね。でも、のちの創作と言われています。真偽のほどはわかりませんが、大久保彦左衛門が関わったという説も、どこかで聞いたような。

Q1.>ここは何の会場だったでしょう?
ここまでいわれてもピンときませんでした。「あなた」は65歳。しかし、会場で自分の歳だと思った正解者は100%だったのでょうか。どこかのたとえ話で聞いているような気がします。人の言っていることをしっかり聞くことのむずかしさを感じます。日々反省。私にはときどき指摘されることが必要です。
Q2.わたしは現場の情景に経験がないのでしょうか。"沈むこと"と"もぐること"の違いがわかりません。"意志と関係なく沈む""沈もうとしてもぐる"ということでしょうか。この2つの動きのイメージがわきません。
>その石は(手を下げたり上げたりするジェスチャーをしながら)沈んだりもぐったりしました。
ひょっとして投げたのは石ではなかった。しかしそれだけでは答えにはならないですね。

家康遺訓は仰せの通りあとから作られたものかもしれません。しかし信長てはない。秀吉でもない。ひょっとして政宗、信玄のことばとして通ずるかもしれません。--しかし私は政宗、信玄の幼少や若いころの育ちは知りません。武将の知識は浅いですが、家康の育ちがこのようなことをいわせているという実感を私は持てます。日々人との関係性に下手な自分への箴言としたいと深く思っています。

とだ-k様
Q2のキモは、その場に居ないとわかりづらい(文章では表現し辛い)のですが、「潜ったり沈んだり」を(手を上下させるジェスチャーによって)勝手に「浮いたり沈んだり」と解釈してしまうところにあります。それで、「何で沈むはずの石が浮いたりするんだろう?」「なぜだろう?」となるわけです。子ども向けのなぞなぞにもあるような問題です。

家康遺訓は、万人に通ずるいわば人生のエッセンスですね。
でも、父の弘忠、祖父の清康にもあったように、松平の血筋には短気の相があって、それを意識して家康は自分自身を抑えていた、決して根っから我慢強くはなかったと、何かの本で読んだことがあります。

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