ご近所福祉発見講座 ~「助け合い」を形にする方法を学ぶ~
9月8日(土)に開催された酒井保さんの「ご近所福祉発見講座」に参加しました。地域の福祉に関心をもち、実践されている方々がたくさん集まってくださいました。
近ごろ、社会福祉協議会と福祉課がいろいろ仕掛けています。
地域の人たちのニーズを調べてみると、実は助けて欲しいというよりも、助けてあげたいというニーズを持っていることがわかってきた。このニーズをどう支援するかが地域の支え合い構築のキモになるというお話しです。
このあと、支援の仕組み作りのための基礎データともなる「住民暦書」を書いてみようという展開に。
私は最後まで参加できなくて残念。「それってあるある」みたいに、思わず引き込まれてしまう講座でした。以下、自分の聴き取りメモです。
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サロンが盛んなところと、盛んでないところ。一体どちらが地域の支え合いがあると言えるだろうか?
サロンが盛んでないところは、実はサロンの必要がない地域なのかもしれない。
数値化されない、目に見えない地域の支え合いを「お宝」と呼ぶ。
つながり合い、暮らしぶりが、健康に影響する。
互いに関心を持つことが地域の危機管理になる。皮肉なことに、制度・サービスの安心があると、かえって関心がなくなる。
福島県郡山市の事例では、NHK放送局前のスピーカーからラジオ体操を流していたら、人が自然に集まってきて、15年間毎日ラジオ体操をするようになった。そのうち、ラジオ体操+歩こう会になった。毎日顔を合わせていると、互いの暮らしぶりがわかってくる。誰か来ないと、みんなで散歩で家に立ち寄る、お弁当を買ってあげる。いつの間にか、見守りや買い物代行など、地域の課題解決になっている。
コンビニのイートインコーナーがサロンのようなところになるケースもある。場所、やり方を型に当てはめて定式化しないことが大事。郡山市はコンビニの店長に感謝状を贈ったそうだ。
サロンとは言わないサロン。見守り活動とは言わない見守り。数人の単位で生活課題を解決。これらは、仕組みや事業によるものではなく、制度によらない支え合いだ。これを意味づけして、価値を共有する。
「お裾分け」は互助。えこひいきに恣意的に助ける。一方、Shareは平等に山分けするイメージ。もったいないに訳語がないのと同様に、日本の精神だと思う。
自分のやっているサロンに将来参加したいと思うか?
サロンに誘っても参加しない人をどうするか?
とりあえず放っておいてはどうだろうか。やっている人達が、参加しない人達に関心を持つ効果はある。
会場に対して、「助けて欲しいと思う人?」・・・ほとんど手が上がらない!
では、「助けてあげても良いと思う人?」・・・ほとんど手が上がる!
通常、助けてといえる人は全体の3~5%。これに対して、助けたいと思う人は97%。(言われなくても助ける、声をかけるという人は15%。)
なかなか人間は「助けて」とは言えない。しかし、「助けたい」というニーズを持っている。このニーズをどう支援するかがポイントだ。
60%できる人を100%助けてはダメ。残りの40%は他の人を助けることに回せる。助け支え合いの一方通行はダメ。できることとできないことを交換すべきだ。
吉備中央町のボランティア講座での事例。
ある人が、母と一緒に徘徊してくれるボランティアを募集したら、引き受けてくれる人がいた。これで味をしめた。場所、時など、ボランティアの内容が詳しくわかると、花束をしてくれる人、ぞうきん作りの古着をくれる人、母を一日預かってくれる人、もっとボランティアをしてくれる人が増えた。
課題と自分の暮らしのマッチング。支援者が知りたがっていることは、いつ、どこで、だれに、何をするかだ。これをマッチさせれば、支援する仕組み作りになる。
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私は聴いていたのはここまでですが、このあと、「住民暦書」の展開演習をしたそうです。自分は何ができるか何をしても良いのか、自己紹介をしてみる。「困った」と「できる」を地域の中にマッピングしてみる。それ自体が地域のコミュニケーションになる。人為的な仕組み、制度を作ることをめざすというよりは、地域の肩のこらない地域の自然なコミュニケーションが重要だというのが、酒井さんの仰りたいことなのかもしれません。
東浦町では、地域の助け合いの関係づくりを積極的に進めています。酒井さんもお忙しい中度々お越しいただいています。10月13日(土)には、コミュニティソーシャルワーカーの草分け的な存在でNHKドラマ「サイレントプアー」のモデルにもなった勝部麗子さんをお招きして「支え合いの地域づくりフォーラム2018」を開催します。
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