年末年始は帰省のシーズン。素粒子研究に貢献している幼なじみも帰ってきます。
正月休みになると、幼なじみが故郷に帰ってきたりします。
毎年、盆暮れに帰ってくる友人のひとりに高エネルギー加速器研究機構(KEK)の大森千広教授がいます。生路の前田(今の“すき家”のあたり)に前田屋という大衆食堂があったを覚えている方もいらっしゃるかと思います。出前のカツ丼が絶品でした。そこの息子で、彼とは家が近かったので保育園から高校までずっと一緒に通っていました。彼は、名古屋大学大学院で博士号をとって、東京大学原子核研究所に助手として就職、その後、筑波研究学園都市にあるKEKに移って、高性能の加速器をつくる研究を続けています。
加速器というのは、素粒子や原子核などの荷電粒子に高い電場と磁場をかけて光速近くまで加速する巨大な装置のことです。加速器でつくり出した高エネルギー粒子は、互いに衝突させることによって、物質の起源や宇宙の起源を探ったり、また、がんの治療に使ったりすることができます。素粒子物理学の研究で2008年にノーベル物理学賞を受賞した小林誠名誉教授は所長を務めるなど、長くKEKに在籍されています。
KEKには、KEKBと呼ばれる周長3kmの円形加速器や、KEK東海キャンパスにJ-PARCと呼ばれる大強度陽子加速器施設があります。ジュネーブ郊外にある欧州原子核研究機構(CERN)では、スイスとフランスの国境にまたがる地下に、全周27kmの世界最大の円形加速器が稼働していて、KEKと共同研究もしているそうです。CERNはインターネット(WWW)発祥の地とも言われています。また、ダン・ブラウン原作の「天使と悪魔」では、CERNが世界を消滅させうる反物質をつくり出す舞台として描かれています。
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