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2019/01/20

商工会賀詞交歓会の年頭所感でお話したこと

1月12日に開催された東浦町商工会新年賀詞交歓会は、過去最多の160人ほどの出席があったそうです。毎年恒例の町長の年頭所感では、以下のようなことをお話しさせていただきました。少し長かったと反省しています。
 

 新年、明けましておめでとうございます。
 私は、年末に「陸王」の再放送を見ました。私も元々、製造業の環境で生まれ育ったので、そうだそうだと、涙腺をうるうるさせながら見ておりました。こはぜ屋という埼玉県の小さな足袋屋が、大手スポーツ用品メーカーの妨害に遭いながらも、新しいコンセプトのランニングシューズを開発するお話しです。豊橋で大規模なロケを行ったことでも話題になったドラマです。登場人物の一人が発する「仕事の厳しさと、そこから逃げずに挑戦する楽しさ。それが仕事の本当の面白さだ。」という言葉が印象に残りました。スポーツも、ものづくりも、まちづくりも、チームが一丸となり、メンバーがそれぞれの役目を果たすこと、そして、飽くなき探究心と諦めない強い思いが試されるのだと感じました。

 さて、昨年は「災害」の年と言われました。幸い東浦では大きな人的被害等はありませんでしたが、台風21号では強風のため卯ノ里小学校の体育館の屋根の表面がめくれてしまいました。しばらく雨が続いたせいで床も湿ってしまい一部にソリが出るなどの二次被害も出ました。直すのに4千万円ほどかかりそうですが、幸い文科省の災害対応の補助金をいただけることになって満額の2/3は国費でもってもらえることとなりました。
 台風24号では、県内で唯一の避難指示を出しました。台風24号では伊勢湾台風の再来と言うことで気象台の方から高潮が3.2mに達するとの予測値がでました。気象台長さんに盛ってませんかとお訊ねしたところ、風の吹き寄せの効果があって湾の奥の東浦の方が半田港よりも潮位がかなり高めになることが予想されるとのことでした。もしその通りなら、堤防の天端の高さ3.6mに対して高潮が3.2mなので、堤防を越流することはないにしても、高波が来た場合に堤防に隣接して建つ家屋については波が直撃する恐れがあるため、緒川の古流作と藤江の須賀川の河口の地区に限って避難指示を出させていただきました。幸い、台風のコース、通過時間ともに少しずれたこともあり、高潮は2メートル台にとどまりました。

 昨年は猛暑の年でもありました。東浦町はこれまで特別教室にエアコンを入れて、特別教室の運用で夏をしのぐ方針でしたが、こういう事態が続くと特別教室だけでは対処しきれないため、児童生徒の学習環境と教員の教育環境を改善するために、今年夏を目標に小中学校の全普通教室にエアコンを導入することとしました。エアコン設置の費用として4億6千万円ほどを議会に認めていただきました。
 エアコン導入を発表して、もちろん保護者の皆さんからの反響がありましたが、予想外に大きかったのは学校の先生方からの反響でした。「必ずもっともっと良い学校にして見せます」のような力強い言葉もいただきました。考えてみれば、今どき汗でベトベトになりながら室内で仕事をする職場は学校をおいて少なくなったと思います。

 4月からごみ袋に課金させていただき、家庭系可燃ごみ処理の有料化を実施いたします。各地区で86回の説明会を開催し、私もできるだけ出席し、生の声を聴かせていただきました。女性の方は敏感なので、この方針を発表した頃には、居酒屋で女性の方と一緒になったりすると、机をたたいて「あんたねえ!!」とやられたものです。ただし、有料化が決定され説明会に伺ったときには、多くの方々から「必要性は認める。もうわかったから、あとはみんながキチンとルールを守れるようにしっかり実施して欲しい。」とのご意見をいただきました。もちろん、「なぜ、東浦町が他市町に先行するのか?」「ごみ袋の収入はどのように使われるのか?」などのご質問もいただきました。ごみの分別、収集、運搬は各市町が独自に行っていることなので、広域でごみ処理をしている市町とも協議はしますが、自治体によってそれぞれの事情がありますので、どこかに足並みをそろえると言うことは困難です。
 これは、ごみの減量化と、出した量に応じた負担の公平性、そして、財政負担の軽減の3つを目的とするもので、年間のごみの収集・運搬・処理に要する費用3億円余りのうち、ごみ袋の手数料収入により、税金からの持ち出しが約2億2千万円に縮減される見込みです。どうか皆様方のご理解ご協力をいただきたいと思います。また、住民代表として長期的視野に立って賢明なるご判断をいただいた町議会には、感謝と敬意を表したいと思います。

 さて、いま、緒川駅周辺で、いくつかの建設工事が進んでいます。高層マンション2棟も立ち上がってきました。イオンモール東浦の増床工事も進んでいます。また、カリモクの新しい社屋も完成しました。これらは、東浦町の景観計画に基づき、色合いや建物のシルエットが緒川の丘陵地の緑ある景観を阻害しないようにご協力をいただいています。景観計画では町内全域の大規模行為について届け出制となっており、事業者と相談をさせていただくことになっています。導入当初は、町の方も慣れておらず、また案件も集中し大変でしたが、だんだん落ち着いてきたのかなと感じています。この制度を定着させ東浦の景観を守り、育て、創っていきたいと思います。
 また、明徳寺川沿いの景観、緒川の屋敷や生路の郷中、森岡のぶどう畑の景観については重点地区候補として、いま、地区や関係者と話し合いをさせていただき、景観まちづくりに対するご理解が深まるよう努めているところです。景観への取り組みは、まちの特徴を大切にして、まちのアイデンティティ、その空間にいることによる居心地の良さ、そこに住むこと訪れることの価値を向上させる有効な手段ともなります。時間は掛かりますが、皆さんのご協力をいただいて、まちを挙げて、息の長い取り組みをしていきたいと思います。

 東浦は、住むのに環境も良く、交通の便もそこそこ良いと言うことで、土地を求める需要は大きく、あちこちで住宅の建築が行われていますが、大規模な宅地供給がないため、宅地需要のニーズを満たし切れてはいません。いま、都市計画道路名古屋半田線の整備に合わせて、緒川新田地区で新たな道路を活かしたまちづくりを計画しているところですが、当然のことながら地権者のご理解が必要となります。先祖伝来の土地をいじることにはそれなりのためらいがあるものでしょうが、土地の価値は利用価値にあると言うことにご理解をいただき、未だ可能性を秘めている緒川新田地区のまちづくりを必要なこととして決意を持って進めていきたいと考えています。人口減少の足音が着実に近づいてくる中で、まだ宅地需要があるうちに、まちづくりのできるうちに着手する必要があります。利用価値がなくなり、最後は荒れた山林や耕作放棄地になることが最も残念なことです。何はともあれ、そのあたりの事情をお話しして、地権者の皆さんのご理解をいただきたいと思います。
 これからは、公共交通機関や生活利便施設の集まっているところに市街地を集中させ、高齢社会になっても暮らしやすいコンパクトなまちづくりをしていかねばなりません。幸い東浦町は東海地方のJRでも例外的に駅間距離が短くコンパクトな構造になっています。この構造を活かして公共交通機関に近いところの余白を埋めるまちづくりが理想と考えます。そう言う意味で、緒川新田地区の他、366号に近い緒川と森岡の間、東浦駅周辺などをまちづくりの重点地区と位置づけています。

 さきほど、イオンモール東浦で増床工事が進んでいると申し上げました。駐車場を屋上化して、映画館のある建物の面まで長方形状に建物を拡張しています。売り場面積約7万平方メートル、GW前にグランドオープンが予定されているようです。アウトドア、ファッション、飲食を充実させ、キッズファミリー三世代の集客を狙うそうです。また建物の厚みが増しますので、周回してショッピングとウォーキングが楽しめるようなアイディアもあるそうです。

 東浦インター入口では4haほどの造成工事が進んでいます。こちらでは、伊藤金属工業の工場が秋頃までに完成する予定です。刈谷市小垣江町にあるエンジン周りのオイルノズルやバルブを製造する従業員160人ほどの会社です。小垣江から東浦に拠点を移していただけるとのことで、有り難いことです。
 現在、石浜にある自動車に使うカムシャフトなどの製造を行っているイヅミ工業は工場建屋を新設しているところです。大手は人手は不足しているけれど、業績は上がる方向にあるようです。JDIでは、これから指紋認証の需要が増して、東浦工場が試作品の技術開発拠点として伸びてくのではというお話も伺いました。

 東浦町では、いま、住民の皆さんがとても頑張ってくださっています。緒川のボランティアセンターなないろの隣にある「地域の縁側 グリーン・ラソ」はオープンしてから一年が経ちました。民間の自由な発想でみんなが楽しめる居場所を作ってもらおうと、NPO法人絆さんに場所を丸ごと使って常設のカフェを開設していただいています。まかないのスタッフを募って、そのローテーションで週2回のランチを提供する仕組みを作っています。金曜日はマージャンもできるとか、月に一回は夜、お酒の飲める「夜カフェ」を開店して地域の皆さんが集まってくるとか、絵本の好きな人たちの「え・ほんカフェ」とか、介護の専門職が本音を言える場づくりとか、いろいろな先進的な試みがなされています。
 また、これとは別に、地域住民の皆さんが石浜地区や緒川新田地区で複数の飲食のできる全年齢の居場所や、勉強や遊びもできる子ども食堂を立ち上げてくださいました。短期間でこれだけの居場所が生まれるのは画期的なことです。まさに頭の下がる思いです。
 さらに、「グリーン・ラソ」が支店を出すという話も聞いています。石浜のアイプラザの喫茶店のあとを利用して、今度は「ラソ・プラザ」が新たな居場所としてオープンするそうです。また、飲食ができてかつ独自の活動をしている居場所がたくさんできてきたので、相互の連絡会議を作って互いに高め合っていこうという計画もあるそうです。これらは、良い意味でのコミュニティビジネスにつながっていく可能性も秘めているため、これから大きく期待しているところです。

 観光協会が中心となって、「おだいちゃん検定」を実施していただいたのも大きな成果だったと思います。以前からアイディアはあったのですが、町制70周年記念にあわせて実現してくださいました。出題から募集、実施、採点、表彰まで多くのご苦労があったことと思います。
 また、昨年11月に小石川傳通院の於大の方の墓所の前に、東浦町観光協会の記念碑が完成して除幕式を行ってくださいました。これまでは文京区教育委員会の看板があったのですが東浦のことは明記されていませんでした。その奥に東浦と於大の方の関係をしっかり記述した立派な記念碑ができました。

 住民有志による市民映画「バリアフリーかあちゃん」の制作も行われました。映画作りは多くの人の参加と、プロの技術、通常数百万円のお金のかかる大変な事業ですが、基本的に住民有志の想いだけで映画作りを実現してしまいました。これはすごいことだと思います。町は、パートナーシップ推進事業補助金で二十数万円は支出しましたが、ほとんどは有志の方々で資金を集めて、高浜市や西尾市で市民映画を手掛けられた石丸みどりさんに監督をお願いし、出演者を募集して映画を完成させました。
 2月24日(日)18時から文化センターで上映予定だそうです。皆さん、東浦でロケを行った東浦住民による東浦初の映画をぜひ鑑賞していただきたいと思います。

 それから、これは昨日聞いた話ですが、3月9日(土)には知多メディアスさんが「メディアスまちフェス」を開催して下さるそうです。2部仕立てになっていて、前半は、市民映画の石丸みどり監督のトークショー。後半は、東浦出身の田村侑久さんに出ていただいてBOYS AND MENのコンサートを開きます。町制70周年記念で町が作ったPR動画にも田村さんは出演していただいています。町外も含めて1000人くらいの集客を見込んでいるので、コンサートとしては初めて東浦町体育館のアリーナを会場にします。

 昨年11月に於大公園で「池の水ぜんぶ抜く」の収録があって、すごい賑わいでした。それだけ住民の皆さん方はマスメディアに興味があるということだと思います。よく、「行政はもっと上手に情報発信しろ。マスメディアへの露出度をもっと上げろ。」と言われます。そういう意味では、町のことをもっともっと世の中に知ってほしいという、愛町心や町への誇りを強く感じます。
 半田市が今年の成人式で、新成人に半田市オリジナルの名刺を配って、自身の名刺として市の宣伝を兼ねて配ってほしいと訴えていることを聞いて「やられたなあ」と思いました。
 われわれも町役場が一丸となって町のプロモーションを頑張らなければなりません。また皆さん一人一人が宣伝マンになって、まちをセールスしていただきたいと思います。そのためには、まず、コンテンツ。一人一人の自慢を作る。そしてそれらを正当に訴えていくことが必要ではと思います。町を挙げて頑張れたら素晴らしいと思います。

 さて、冒頭、商工会長さんのあいさつで、「あきんど塾」の話をされました。1月22日から大府商工会議所と共催で、事業承継をテーマに「あきんど塾」が開催されます。事業承継は大事なテーマだと思います。
 知多市では最近、ざまざまなテーマで積極的にセミナー等を開催しています。昨年、岡崎ビジネスサポートセンター(OKa-Biz)センター長 秋元祥治さんの「地域が元気になる人と事業の育て方」と題した講演があったので、聞きに行ってきました。とても面白いお話でした。OKa-Bizでは、相談に来た事業者と一緒に考え、その気になるまでサポートしています。
 ぜひ、商工会の皆さん方も、町の外にも目を向けていただいて、新たな情報を得ることにも貪欲であっていただきたいと思います。
 長くなりましたが、この一年、皆さんのご活躍とご発展をご祈念申し上げ、年頭の所感とさせていただきます。どうもありがとうございました。

 

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