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2019/02/16

防災講演会「地域防災活動とは 東日本大震災、あの日あの時」を開催しました。

総務省のプログラムで、防災減災アドバイザーの吉田亮一さんをお迎えして、防災講演会を開催しました。演題は「地域防災活動とは 東日本大震災、あの日あの時」です。

吉田さんは、仙台市郊外の茂庭台という住宅団地にお住まいで、自主防災会のリーダーをされていました。丁度そのときに東日本大震災に遭い、指定避難所の責任者として、開設から閉鎖まで地域住民の手で避難所の運営をした経験をお持ちです。その後、総務省消防庁の防災アドバイザーに登録をされて、防災の伝道師として全国を回り講演をされています。昨年6月に発生した大阪府北部地震の3年前に、高槻市寿栄小学校のブロック塀の危険性を指摘されていたことでも知られています。
1978年の宮城県沖地震では、仙台市内の犠牲者16人のうち11人がブロック塀の倒壊によるものでした。当時、私も仙台で学生をしていましたが、いとも簡単にブロック塀が倒れるのを目の当たりにしました。その教訓が大阪では活かされませんでした。
宮城県沖地震から三十年もの間に東北地方では大きな地震が幾度か起こっています。以前、防災講演会で講演いただいた名古屋大学の福和先生の言葉を借りれば「この間に倒れるものは倒れてしまった」「揺れに対する備えは相当できていた」のでしょうが、2011年3月に東日本大震災に見舞われます。犠牲者のほとんどは建物などの倒壊によるものではなく、当時「想定外」と言われた津波によるものでした。
この間、愛知県では大きな地震が起きていません。我々は揺れに対する経験もなく、また、避難所運営の経験もありません。吉田さんからは、現場体験に基づく、実行可能な目からウロコのお話しを聴くことができました。
また、吉田さんは、全国の高校、中学校、小学校を回って防災ジュニアリーダーを育てる活動をされています。今回、大阪府茨木市の小学5年生 美安拓大くんと3日間愛知県に滞在され、昨日は卯ノ里小学校で地域防災についての講演と大阪府北部地震の体験発表をしていただきました。明日は知立の防災ママかきつばたが主催する講演会で発表をするそうです。せっかくの機会なので、吉田さんの防災講演のあとで拓大くんの体験発表も聴かせてもらいました。拓大くんは、大阪北部地震の時の家族の話しを中心に、「勉強だけでなく備える力を身につけることが大事」と結びました。小学生がこのような遠隔地で防災啓発活動ができるのは、本人の意識はもちろん、ご両親や学校の理解が欠かせないと思います。

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以下は、吉田さんの講演の私なりの要約です。
 

 地球が生きている以上、人間が自然災害のない環境で暮らすことはあり得ない。しかし我々には考える力、行動する力がある。
 自分が自治会の班長になったとき、自治会長に防災の備えがどうなっているかを聞いたら、当時は全くゼロとのことだった。自分は保育園を経営しているので、毎月の防災訓練が義務づけられているし、子どもたちの安全に配慮しなければならない。自然災害への危機感を持ち、まさかの現象に臆病になる必要があるし、想定を知り想定以上の備えをする必要がある。自助・公助でできないことは地域の共助で行わなければならない。地域と言うからには、自治会も学校も保育園も一体となって取り組むことが必要になる。

 一口に避難所と言っても、一時避難所、地域指定避難所、広域避難場所、広域避難所、福祉避難所などがある。一時避難所は、地震の場合、安否確認や被害の把握をし、指定避難所が使えるまでの居場所となる。地域指定避難所は、点検表で使用可能確認ができて開設される。災害弱者や、家屋が全壊した人などを優先して避難させる。家のある人が利便性を求めて来る場所ではない。通勤の帰宅困難者は企業責任で、地域避難の対象ではない。

 避難所では、点検、設営、受付、炊き出し、物資、衛生、福祉、警備、総務、介護など多くの役割がある。学校の中の各部屋の使用目的別のレイアウトを事前に考えておく必要がある。例えば、ペットは民家から一番離れた場所、仮設トイレは衛生車のホースの届くところ、空き教室や特別教室を優先して使い、職員室、校長室、保健室、給食室などは、学校の授業再開を考慮し立入禁止にすべき。

 体育館の中のレイアウトは、一人分の2m×1mを通路付きで確保するために、4m×人数分mのブルーシートをグリッド状に並べる。体育館の両壁際は通路にせず、マットを敷いて跳び箱の最上段を長椅子のように配置すれば高齢者の居場所になる。図面とブルーシートを常備しておけば、小学生でもいきなり20分でセットできる。感染症を考えれば段ボールを敷いてはいけない。

 仙台市では1学区に2つ以上の福祉避難所があって、自治会と包括支援センターと福祉事業者が受け入れ体制を話し合っている。それぞれ車を出し合えば避難者の移動もできる。

 自分たちはゼロから5年間で、防災マップ、マニュアル作成、269世帯で7班の自主防災組織、毎年昼夜交互の防災訓練などを立ち上げた。訓練の台本は作らない、訓練の通知は回覧ではなく班で戸別に回る、避難訓練は学校行事として行う、小中高校生・大学生にも役割をつくる、高齢者でも良いから平日日中に地域にいる人がリーダーを務め、普段仕事に出ている人は手出ししない、訓練は自宅から始める、受付時の安否確認は名前と住所だけで細かいことは後回しにする、住宅の損壊度合を判定中の発災5日以内はダンボールの間仕切りをしない、炊き出しは薪を使うなど、実情に即した訓練をしている。防災マニュアルは訓練を通じて常に改善していく。

 また、赤字の町内会はないはずなので、町内会の繰越金から防災費を捻出し、トランシーバーや、インバーター付き発電機、介護用トイレなどを購入している。町内会長と自主防災会長は同一の方が良い。

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