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2019/04/15

藻谷浩介さんの講演「アベノミクスの実態と地域活性化」を聴いて

1月末に日本総合研究所調査部首席研究員 藻谷浩介さんの講演を聴きました。藻谷さんは全国の市町村を巡って講演をされていて、これまで知多半島にも何回かいらっしゃっています。以下は講演の要約です。

 

知多半島は、野菜、肉、魚など世界の一級品があるが、愛知は、それらを引き立てるおしゃれな空間を作りたがらない。今日はアベノミクスの実態と地域活性化と題して話す。

まず、イメージや空気は事実と違うと言うことを、改めて認識していただきたい。
養老孟司さんは、「社会脳」という言葉を使って、脳は自分のものではない。社会(世間)からの刷り込みで動いていると述べている。
事故などで記憶を喪失した人は、自分の名前は思い出せないが、自分が人間であることや自分の性別については認識を持っていたりする。これは、記憶喪失後に、周囲の環境から自分のアデンティティを再認識したと考えられる。脳がいかに外部環境の影響を受けているかの査証だ。

例えば、よく治安が悪化していると言われるが、殺人事件は増加していると思う人はパー、横ばいだと思う人はチョキ、一貫して減っていると思う人はグーを出して欲しい。
実は、グーが正解。殺人認知件数は、戦後ほぼ一貫して減ってきている。昭和30年に約3000件だったものが平成30年は約900件になっている。

自殺もここ数年減っている。

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さて、平成になってバブルがはじけて、日本の産業は世界的にも振るわないと言われている。それでは、日本の輸出は、平成になってから減っているだろうか。大方の人は感覚的にそう思い込んでいるかもしれないが、数字で見ること、事実をつかむことが大事だ。
実際には、日本の輸出額は平成元年(1988年)約38兆円だったものが、平成29年(2017年)には77兆円になっている。少しどころではなく、大幅に増えている。これをなぜ安倍さんは自慢しないのか。政治家もマスコミも数字をチェックしていない。

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日本は、国際マネー競争に勝ち続けていることをご存じだろうか。
国際収支(貿易黒字)は平成元年に1740億ドルだったのが今は6860億ドルになった。ピークは2011年の7860億ドルだった。
円高になると、むしろ原料が安く買えるので黒字が増える効果がある。
アホな経済学者はKY(空気しか読まない)、SY(数字を読まない)、GY(現場を見ない)から、間違ったことを平気で言う。

平成になってこれまで輸入が3倍以上になった。しかし観光収入や金利収入が昨年最高になって、外貨を稼いでいる。

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日本が国際収支で黒字を出している相手国を知っているか? 中国・韓国に対しては日本が輸入超過だと思っていないか?
日本にとって黒字国の1位は、もちろんアメリカ(12.5兆円)。2位は中国(5兆円)、3位は韓国(2.7兆円)だ。ケイマン(2兆円)は日本人が金融資産を運用している結果だ。
日本が一番赤字を出しているのは、中東の産油国(-7兆円)に対してだ。他にはオーストラリア(石炭)、ロシア、マレーシア・インドネシア・ベトナム(天然ガス)など化石燃料資源国が続く。

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「日本は、アジアの国に製品輸出で負けている。円高になると日本は潰れる。」というのはウソだとわかる。
ただし、経済で勝ったとしても、ワインの美味しい信州でフランスワインを飲むことこそが、文化的に負けていると自覚すべきだ。

新潟県の柏崎刈羽原発は過去に震度6強の地震を3回経験している。そして、東日本大震災以来、原子力発電所が止まって久しいが、この間、化石燃料の輸入は増えているはずだと思うだろう。
ところが、実際には化石燃料の輸入量は減っている。理由は(ソーラー発電が増えたことも少しはあるが)省エネが進んだからだ。このことは経産省も知らないし、検証していない。

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景気はどうなっているだろう。
輸出は2倍になったが、GDPは、平成元年に421兆円、平成9年に534兆円、それから平成30年に545兆円で、平成になってから3割アップしかしていない。平成とはすべてが平たくなった30年で、激動などしていない。

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バブルは地価と株価が上がっただけ。データは残るが、バブルは皆さんの記憶と共に消えるのみだ。

アベノミクスでは算式を変えてGDP水増しを演出しているのみ。おまけにグラフの足を切って変化を強調して描いている。物の値上げはほとんどが石油の値上がり分だ。
日銀に国債を買わせたのは時限爆弾だ。飲まなくても良い毒薬を飲んでしまった。

株価が上がろうが下がろうが、経済(GDPや賃金)には一切関係ないこともテータが示している。株を持っている人はお金を使わない。株を上げても経済には効果がない。

人口が減るのが、経済が横ばいになる原因だ。特に働く人の人口が問題だ。

経済学の教科書は、無尽蔵に失業者がいることを前提としている。日本では人手が足らなくなるとロボットを使う。それをマルクス経済学、近代経済学は想定していない。外国人労働者は200万人しかいない。

自動化が進んでいるので労働者が減っても生産は落ちないが、企業が払う人件費の総額は減るし、現役世代を顧客にした商品の売り上げも減る。それでも生産を落とさない商品は値崩れしていく。これをデフレと呼んで日銀のせいにしているのが現状だ。

サザエさんで出てくる波平は54歳。寿命が延びたことはみんなの頭には入っていない。大企業から退職金をもらってハッピーは過去のことだ。長い余命を暮らしていかねばならない。

名古屋は東京都心、福岡に次いで人口が増えているが、地味だ。
東京は、選手育成能力がない。層がどんどん薄くなる。FA、トレードで持っている巨人軍と同じ。せめて、愛知県くらいは東京から人を取り戻して戻して欲しい。

中国では、50年かけて15歳から60歳を中心に3億人が減る。労働力は10億人から7億人になる。60歳以上は1.3億人から4億人に増える。成長しない。マクロ経済がこれを想定していない。

知多半島10市町では、最近の約5年間で30,800人が15歳を超え、15歳~64歳が差し引き4,000人転入したが、41,800人が65歳を超えた。その結果、15歳~64歳が7,000人減少している。

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八事に家を構えるくらいなら、南知多に住めば良い。
ニューヨークの人から見たら、名古屋の人は頭が狂っていると思うだろう。世界の大都市で50km内に南知多のようなところがあるのはナポリ(マフィアがいるけど)のみだ。

南知多はもう年寄りの原材料がないので老齢人口が減り始める。福祉費用が減るので、教育、子育てにもっと力を入れるべき。
東浦は40年くらい年寄りが増え続ける。住みよく、健康で死なないせいでもある。

世界的に見ると、中国をはじめすべてで高齢者が元気そう。
日本に、外国人が30万人来ても、生産年齢人口が何百万人も減っているのだから、(ロボットでできないことは)なんともならない。

福井は家庭(世帯)の収入は東京や愛知よりも多い。東京は意外と女性が働いていない。
知多半島でも南知多だけは島根県並みに女性が働いている。愛知県全体で、南知多並みに女性が働けば、働き手は27万人増える。

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