平成31年度が始まりました。
朝から、係長級以上の辞令交付、新任職員の辞令交付、県派遣職員の辞令交付などを行いました。
年度始めの挨拶では、以下のようなことをお話ししました。
今日は年度初めの日ですが、家庭系可燃ごみ処理の有料化がはじまり、新しいごみ袋に変わる日でもあります。森岡、緒川、緒川新田地区はごみ収集日なので、朝、ごみステーションの様子を見てきました。場所によって多少の違いはあるものの、ほぼ綺麗に半透明白色の新しいごみ袋を出してくださっていました。ある日を境にごみ袋をキチンと切り替えることは簡単なことではありません。それでも、東浦の住民の皆さんはまちで決めたことだから、自分たちのごみのことだからと、みんなで一緒になってやってくださっている。私たち行政の職員も、この信頼を裏切らないように、住民の皆さんの想いに応えていかねばなりません。
毎年、新任や異動の辞令を渡しますが、つくづく思うのは、組織改変よりも、誰がどの部署に行ったかの方が遙かに影響が大きいと感じることです。それは、とりもなおさず、仕事は人で動いていると言うことです。皆さん方は単なる歯車の一つではありません。皆さん一人一人がまちを動かしています。当然個性も出ます。自分をさらに磨いて、やりたい事、やるべき事、自分ならではの仕事をして欲しいと思います。
今年も退職される方から話しを聞く機会がありました。東浦町の職員は、真面目でおとなしいが、もう少しとんがっても良いんじゃないか。他部署のことを知らなすぎる。関心がない。もう少し関わりを持って一緒に仕事を進めても良いのではないか。そんな話しを聞きました。
毎年似たようなことを言いますが、他の部、他の課、他の職員が今どんなことをしようとしているか、どんな課題があるか、気の合う者の雑談レベルも含めて、もう少し情報を共有して、全庁で動いていく必要があるのではと思います。今どき、一つの課の中で完結する仕事ばかりではありません。住民は当然に同時に複数の部署に関わっています。行政経営会議などでも他部署の仕事の進行や課題を共有できるようにしたいです。
それから、一つの組織の中だけで閉じこもっていては、新しい発想は入ってきません。他の公務員、民間、大学関係者や学生など、外の世界と積極的に交流して常に新しいアイディアを持つようにしてください。課長、係長は事業を構想する立場です。
アイディアは一人で持っているだけでは膨らみません。数人で白板を前にして図を描いてイメージを共有しながらディスカッションする習慣をつけましょう。
今年も人事の自己申告書を一人一人読ませていただきました。昨年に増して、質量ともにしっかり書いてありました。落ち着いて仕事を続けたいと書いている人。遣り甲斐を感じていると書いた人が比較的多かったです。忙しいと書いている人は減ったように感じます。人間関係が良くなったと書いている人が増えました。これは課長、係長の指導力、コミュニケーション力によるところが大きいと思います。
前向きな提案もありました。改善意識はあると感じました。小さな一例ですが、紙ベースでやっていた要望処理をデータベースに移し替えたらミスやトラブルが減ったという話しを聞きました。昔のやり方のままのものが随所にあるかと思います。手を着けるのは面倒ですが、きちっとした改善をすれば時間が生まれてきます。いまさらのことを含めて徹底してください。
2月に札幌市の加藤美浩さんに来ていただいて職員研修をしました。どんな公務員でありたいかの前に、どんな市民でありたいかが根本にあるはず。「市民目線で仕事をします」と言うけれど、そもそも公務員である以前に市民でしょう。と言うお話しがありました。いま住民と協働でやっていることがたくさんあります。住民ならばどう感じるか、住民ならばどうするのかを思いながら、住民と一体になって進めていかねばならないと思います。
最後にこれもある方から聴いたことです。
公務員生活はおよそ40年ありますが、これを4分割して、
・最初の10年は、正確な事務を身に着ける
・次の10年は、人材(後輩と地域)の育成
・その次の10年は、未来に備える仕組みづくり
・最後の10年は、後輩たちの全力支援
だそうです。50代の方は、自分の培ったものがあるはずです。伝えるべきものを後輩に伝え、後輩が思いっきり活躍できるようしっかり支援してください。
今年度も、役場全員で住民の信頼に応える良い仕事をしましょう。
これまでの年度初め式で話したことを以下にまとめました。
平成30年度
平成29年度
平成28年度
平成27年度
平成26年度
平成25年度
平成24年度
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コメント
おめでたい話題にふさわしくないコメントです。4月から始まったNHKeテレ100分de名著"自省録"は良薬口に苦い、トップとしてぜひお薦めと感じました。まだまだ再放送があります。100分de名著_自省録_ローマ皇帝アウレリウス第一回を見ました。見るつもりはなかったのですが前回の夏目漱石で録画指定がされていたためです。
貴族の息子で優秀な18歳のときにローマ皇帝から次期の皇帝に指名された。しかし、皇帝になることの恐怖から断った。しかし執政官として皇帝に使えた。いつおとしいれられるかも知れないとわかっていたし、恩知らずの傲慢な欺瞞的な妬み深い非社交的な人間とつきあわなければならない。彼らは互いに軽蔑し合いながら互いにへつらいあう。そういう人たちに皇帝化されないように、染められないように注意しなくてはならない。と自省録に書いているようです。しかし39歳のときに現皇帝が亡くなり新皇帝となったようです。自己より政治を選ばざるを得なかったということです。
投稿: とだ-k | 2019/04/04 20:58
先は失礼しました。まともなコメントをいたします。年度始めのご挨拶ですが、1."森岡、緒川、緒川新田地区はごみ収集日なので、朝、ごみステーションの様子を見てきました"これには聞いている人たちには"オヌシやるな!!!!!"と思わせたと思います。出勤前でも見るところは見ているぞ!と。2."誰がどの部署に行ったかの方が遙かに影響が大きいと感じることです。それは、とりもなおさず、仕事は人で動いていると言うことです。"いなくてもいい人か、代わりの人がいなくて困る人か。人と生まれてやはり後者でありたいですね。3."札幌市の加藤美浩さんの職員研修、、、「そもそも公務員である以前に市民でしょう」"住民懇談会等では住民からもろに問題をぶつけられています。言い訳をするのではなく少ない職員と少ない予算の中でどのように解決するか。それが己を磨くと思います。
投稿: とだ-k | 2019/04/05 20:33
とだ-k様
お知らせありがとうございます。
NHKeテレ100分de名著"自省録"。これですね。
https://tv.so-net.ne.jp/schedule/101032201904131500.action
ちょうど、13日に再放送をするそうなので、録画します。8日(月)には第2回がありますね。興味深いです。。
投稿: 神谷明彦 | 2019/04/07 12:10
とだ-k様
① 朝、ごみステーションの様子。これは本当に有り難かったです。(まさに「有り難い」=「簡単にあることではない」。古語の原義ですね。)見に来て良かったと思いました。皆さんと一緒にコツコツまちづくりをすることの大切さを再認識しました。
② ぜひ、「その人でないと出来ない仕事」を目指したいですね。
③ 「公務員である以前に市民」。これも言われてみれば当たり前のことですが、常に忘れないようにしたいです。
投稿: 神谷明彦 | 2019/04/07 12:27