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2020/01/23

地域サポートちた の20周年記念講演「幸せのメカニズム ~幸福学入門」から

先月15日に、知多市で開催された 特定非営利活動法人 地域サポートちた20周年記念行事で、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科の前野隆司教授の「幸せのメカニズム ~幸福学入門~」と題した講演がありました。

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前野さんは、元キャノンの技術者で工学博士。とかくネガティブな心理を扱いがちな心理学の中でポジティブな心理学を研究しようと言うことで、幸せについて研究しています。この日は幸福学の入門編。以下は要約です。

 
<幸せとは>
幸せ・幸福とは、Well-being(心身が良好な状態)とHappiness(感情としての幸せ)の両方が合わさった状態と考える。

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<幸せの国際比較>
自分の人生に満足しているか?との問いかけに対しては文化の差がある。北欧は満点(10点)からのマイナスで考える傾向があるので8点あたりにピークが出る。東アジアは、みんなと合わせて中庸をとる傾向がある。日本はその両方の文化を引いていて5点と8点にピークが出る。日本の幸福感は先進国中で中位と言える。ただ、じりじりと下落しており閉塞感が感じられる。

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<幸せと健康や経済との関係>
人と自分を比べすぎる人は、幸福度が低い傾向がある。またクリエイティブな人は長寿の傾向がある。年収がある程度までは、年収と感情的幸福は比例するが、それ以上になると感情的幸福と年収は相関しない。沖縄県は全国的に見ると所得が低いが、「なんくるないさ」の気性があるし、可処分所得は多い。口角を上げて笑顔になると免疫力が上がることがわかっている。年齢別に幸福度を見ると40歳くらいが底で、90~100歳くらいは「老年的超越」といって幸福度が極めて高い傾向にある。

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幸福と感じている人は寿命が長い。幸せと健康は相関があり、これは予防医学にも通じる。
また、幸福度は生産性とも関連がある。企業社員の幸福感とパフォーマンスの関係を調べると、幸福感が高い社員の創造性は3倍、生産性は31%、売上は37%高い。また幸福度が高い従業員は欠勤率と離職率が低い。

<2つの幸せ、長続きするのは「非地位財」>
幸せには長続きする幸せと長続きしない幸せがある。所得・社会的地位・物のような周囲との比較によって満足を得る「地位財」は持続性が低く、環境・健康・夢や目標・自己肯定感・感謝や利他性・楽観性などの他人との相対比較とは無関係な「非地位財」は持続性が高い。
感謝や親切は、する方もされた方もセロトニンやオキシトシンが分泌されると言われている。人は人とつながらなければ生きていけない。イギリスでは孤独対策のために孤独相のポストができた。
笑顔をつくって上を向いて大股で歩くと幸せになれる。前向きな姿勢で自分らしく生きることは大事だ。とは言っても、人間はなかなかありのままになれない。自分の強いところを持ち上げてやると他の部分がついてくるのでは。

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<幸福の4つの因子>
1500人の日本人に幸福の心的要因全項目アンケートをとり、コンピュータで因子分析をしたところ、「幸福の4つの因子」を導き出すことができた。
 ① 自己実現と成長の因子(やってみよう因子)
 ② つながりと感謝の因子(ありがとう因子)
 ③ 前向きと楽観の因子(なんとかなる因子)
 ④ 独立と自分らしさの因子(ありのままに因子)
要するに、夢や目標を持ち、多様な人とつながりを大切にし、前向きに、自分らしく生きる人が幸せ。
これと対極を行くのが、やる気がない、つながりがない、自信がない、個性がない「不幸の4つの因子」だ。

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多くの人が直感的あるいは経験的に感じている幸せのイメージとほぼ似通っていると思いますが、因子分析により科学的に導き出したというところに興味がわきました。

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