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2020/05/27

メダカとカダヤシ

メダカとカダヤシの違いがわかりますか?
共によく似た小型の淡水魚で、流れの緩やかな水面に近いところで日光浴をするように泳いでいるので区別するのは難しいです。

メダカは、日本のどこでも見られる淡水魚でしたが、今では田園地帯でもほとんど生息しておらず絶滅危惧種に選定されています。もともと小川や農業用水路と水田を行き来して暮らしている魚ですが、農薬や農業用水路のコンクリート張りや他の外来種の影響で激減したと言われています。ニホンメダカは北関東から若狭湾辺りを境にキタノメダカとミナミノメダカに大別されますが、もともと移動距離が短い種なので、生息する地域に固有の遺伝子を保持していると考えられるため、異なる地域のメダカを持ち込むことは生態系の上で好ましくないとされています。

カダヤシは、20世紀の初頭に北アメリカから持ち込まれた外来種です。ボウフラなどを補食するので、読んで字の如く「蚊を絶やす」ために移入され日本各地に広まりました。メダカに比べると水質を選ばず獰猛で繁殖力が強いので、いつの間にかメダカに置き換わっていきました。東浦の池や川でメダカらしき小魚を見つけてもほとんど全てがカダヤシと思って良いと思います。

最近、自然環境学習の森の中にある小さな池にもともと生息していないカダヤシが発見されたため、池の水を抜いて駆除しました。メダカだと思い込み、良かれと思って池に入れられたようです。たとえ本物のメダカでも、どこのメダカかわからないようなメダカを安易に移動することは感心しません。自然環境学習の森条例でも動植物の持ち込みは禁止されています。国の法律でも、カダヤシなどの特定外来生物の放流を禁止しており、懲役や罰金などの罰則規定が設けられています。
自然環境学習の森の奥に位置する2つの池で、ポンプを使って池の掻い掘りを行い、特定外来生物のカダヤシとウシガエル、緊急対策外来種のアメリカザリガニ、外来種のコイなどを捕獲、他には在来種のメダカ、ニホンイシガメ、マツモムシが獲れました。在来種は水路に帰しました。

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池で獲れた小型の淡水魚。左下がメダカ、右下がカダヤシです。見分けられますか? 横から見たときのヒレの形目の周りで、識別できるそうですが、自然の中で泳いでいる状態で見分けるのは難しそうです。この写真では、上から見て背中に黒いスジがあるのがメダカ、ないのがカダヤシです。捕れたカダヤシの腹部がすでに大きくなっており、もう少し捕獲が遅れると手遅れになっているところでした。カダヤシはお腹の中で赤ちゃんを育てる卵胎生です。

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