教育フォーラム「地域と学校のパートナーシップに基づく東浦っ子の育成」を開催しました。
緊急事態宣言下ですが、教育委員会としては学校活動は止めないことを念頭に、参加者を限定して教育フォーラムを開催しました。
冒頭に西部中学校区におけるコミュニティ・スクール導入の取り組みについて発表があり、続いて、町内各地区の4人の講師から学校と地域との関わりについて、それぞれの立場から実体験を通じたお話しをいただきました。
コミュニティ・スクールとは、市町村の教育委員会が、保護者や地域のみなさんの声を学校運営に活かすための組織である学校運営協議会を設置した学校のことをいいます。学校運営協議会の主な役割として、①校長が作成する学校運営の基本方針を承認する ②学校運営に関する意見を教育委員会又は校長に述べることができる ③教職員の任用に関して教育委員会規則に定める範囲で教育委員会に意見を述べることができる の三つがあります。
コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)は、学校と地域住民が力を合わせて学校の運営に取り組むことが可能となる「地域とともにある学校」への転換を図るための有効な仕組みで、学校運営に地域の声を積極的に生かし、地域と一体となって特色ある学校づくりを進めていくことが期待されています。文部科学省は、市町村がコミュニティ・スクールを導入することを努力義務としています。
西部中学校区の教頭先生から
東浦町では、西部中学校区(卯ノ里コミュニティ)をモデル地区としてコミュニティ・スクールの導入を図っています。学校運営協議会の委員には、区長、元教育委員、元主任児童委員、地域スポーツ指導者、PTA会長など地域住民に入ってもらい、学校の基本方針や学校運営、地域社会と家庭と学校との連携、教職員の配置方針や施設の管理や整備に関して、協議、提言、支援を行います。また、教育委員会は、これまでの各種地域団体の活動に加えて、学校を支援するボランティア活動を行う地域学校支援本部を組織し、教職員と地域で共に学校教育を支え、教員が入れ替わっても学校文化を育める学区にしていきたいと考えています。これにより、子どもたちには豊かな学びと地域に対する感謝や憧れの気持ちが生まれ、学校は授業や環境整備の支援により充実した教育活動が展開でき、地域の方々は子どもたちとの関わりの中で喜びや生き甲斐を感じられる地域づくりを目指します。
藤江小サポーター世話人の小田朝視さんから
PTA会長を務めた経験から、当時の前会長と副会長の3人で藤江小サポーターを発足。学校施設の修繕等を行う常設のボランティアチームとして活動を続けている。会費は取らない、お金は扱うイベントは行わないが、労働力として学校の営繕に協力する。錆びたベランダの手すりや藤棚のペンキ塗り、草刈りなど、メンバーが都合の良いときに学校へ行って作業をする。ペンキ塗りは相当うまくなったそうだ。気のついたことを押し売り的に提案することもあるが、学校やPTAに認めてもらえる活動をしている。コミュニティからも声が掛かれば協力したいとのこと。
緒川老人クラブ副会長の水野広春さんから
水野さんは20年以上にわたり地域の子どもたちに少林寺拳法の指導をしている。また、地域の防犯見守り活動もしている。緒川小学校では、老人クラブのメンバーが、米作りや縄綯い、ドラム缶風呂などの体験学習を実施している。子どもたちにとっては学校の授業では得られない「生きる力」の学びとなるし、高齢者にとっては世代を超えた交流や地域の教育への貢献が遣り甲斐になっている。
北部中学校区オヤジの会会長の佐藤正裕さんから
北部中学校区のPTA経験者などが中心となって活動しているオヤジの会は、町の補助を受け平成17年から、子どもたちと野外活動などをして、子どもたちと親たちが交流を図りながら成長を見守る活動をしている。校区内の1中学校と2小学校のPTA活動への協力もしている。普段は面識のない父親同士の交流や他人の子どもを見守ることで、親としての気づきや成長にもつながっているとのこと。
片葩小校務主任の岩本和也さんから
平成29年から3年間ドイツのデュッセルドルフ日本人学校へ赴任した経験から、日本とドイツの学校の違い、学校と保護者の役割分担についてのお話し。世界各地にある日本人学校では、日本の学習指導要領に沿った教育が行われていて、運動会、学習発表会、遠足、修学旅行、卒業式などもある。一方ドイツでは、芸術や音楽の教育にも力を入れている。ドイツの学校では、通学は保護者の責任、校内の危機管理は学校の責任、学校には部活動はなく、スポーツクラブは地域で運営されている。日本においても、地域、保護者、学校の役割分担を見直してはどうかとの問題提起があった。
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