居場所づくりセミナー「シェアして開く小さなまちのコミュニティ」に参加して
緒川コミュニティセンターで開催された居場所づくりセミナーに出席しました。講師は、「かさでらのまち食堂」や笠寺の商店街活性化を手がけてきた建築家の宮本久美子さんです。NPO法人 絆 と役場ふくし課の共催企画で、町の行事でもあると言うことで、冒頭にご挨拶をさせていただきました。
ふくし課が、絆さんに“福祉拠点普及促進コーディネート”を委託して、まちじゅうに居場所を増やしていこうと考えています。みんなが集って飲食のできる居場所として絆さんが仕掛けた第1号が緒川の「グリーン・ラソ」であり、2例目が石浜の「ラソ・プラザ」です。これら以外にも各地域でいろんな人たちが関わる多様な居場所ができて欲しいと思っています。
絆さんは、これから、宮本さんからヒントやアドバイスをいただきながらまちのあちこちで新たな居場所を立ち上げていきたいと考えています。まずそのスタートアップのセミナーに今日こうやって宮本さんをお招きして、その後、絆さんが3回ほどのワークショップを開いて、今日、皆さんが得たヒントや想いを具体化できないかと妄想しています。
実は、私が宮本さんと出会ったのは去年、たまたま面白そうだと参加したwebセミナーでした。そこで、宮本さんが名鉄の本笠寺の駅前でワークショップに参加して建築デザインに携わった「かさでらのまち食堂」の事例がすごく面白くて、実際に笠寺に行ってお会いしようと思ったのです。ちょうどその頃、絆の山崎代表は新しい居場所の展開を考えていたので、誘って一緒に見学してきました。
「かさでらのまち食堂」がおもしろいのは、外食レストランをやってみたいという人のお試しの場所として、ワンデイシェフのお店を開く場を提供しようというコンセプトです。自分でレストランを開業しようとすれば、様々なハードルとリスクを覚悟せねばなりません。その前に試行の機会をつくって、うまく行けそうなら自分の店を持って独立するチャンスが開けます。福祉の場、居場所としての食堂との考え方だけでなく、起業の場、外食振興の場として可能性を感じました。さらに、一つのビルをリノベーションして、食堂の他に寺子屋や民泊、シェアオフィス、レンタルキッチン、蜂蜜採取場など複合的な場づくりをするアイディアや、周辺のコミュニティスペースと連携して、まちをシェアする活動「まちを借りよう。」につなげているところがとても面白いです。
宮本さんは、まちづくり活動のメンバーとして、地元、建築、経営、グラフィック、この4つの人材が必要だと仰っています。私も(都市計画系でも福祉系でも地縁組織系でも)まちづくりに必要なのは、プレーヤーとデザインだと痛感しています。やはり、デザインがないと、機能的な場づくりも、居心地の良い場づくりもできません。役所は邪魔をしないことだけ心がけて、しっかり背中を押すことが大切です。様々な分野の実践者とデザイナーが一緒になって、町内に素敵な場が創られていくことを心から期待しています。
「かさでらのまち食堂」と「まちを借りよう。(かさでらスペースバンク)」については、下記のサイトをご参照ください。
かさでらのまち食堂ホームページ
かさでらのまち食堂facebook
かさでらスペースバンク(まち借り)ホームページ
大ナゴヤ大学の授業レポート
ライフルホームのレポート記事
すたーとあっぷきっちんmagazine説明会レポート
宮本さんの講演のあとで、絆の山崎代表から、絆の居場所づくりの紹介と「Re:地域の縁側ワークショップ」の案内がありました。ワークショップは、7月24日(土)、8月28日(土)、9月25日(土)の全3回、午後からグリーン・ラソにて開催予定です。まだ少し定員に空きがあるそうです。
今ある居場所の新しい使い方を考えます。
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