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2021/09/11

椿の実がなる季節・・・椿油からエステルのお話し

椿の実が割れて、道に種が落ちてきます。殻の中には椿油をいっぱい含んだ子葉(黄色の柔らかい部分、双葉になる部分)が入っていて、滑りの良くない敷居にこすりつけると滑りが格段に良くなります。

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植物性脂肪である椿油の主成分は、オレイン酸トリグリセリドです。生物由来の油脂の成分は、脂肪酸(R-COOH  Rは炭化水素基)3分子と三価のアルコールであるグリセリン1分子が脱水縮合した脂肪酸トリグリセリドからなっています。
それら中でも、炭素18個からなる直鎖で二重結合を1つ持つオレイン酸(R が CH3-(CH2)7-CH=HC-(CH2)7- のもの)3分子とグリセリン1分子が脱水縮合したものをオレイン酸トリグリセリドと呼んでいます。オレイン酸トリグリセリドはオリープオイルの主成分でもあり、オリーブ(Olea europaea)から単離されたことがオレイン酸の名前の由来となっています。

Fatty-acid-triglyceride-2

 

同じ18個の炭素からなる直鎖の脂肪酸には、不飽和結合(二重結合)を含まない飽和脂肪酸であるステアリン酸(R が CH3-(CH2)16- のもの)があります。二重結合を持つ不飽和脂肪酸では、シス型(二重結合の両側の置換基が同じ側にある)の二重結合を1つ持つオレイン酸のほかにも、トランス型(二重結合の両側の置換基が反対の位置にある)のエライジン酸、シス型の二重結合を2つ持つリノール酸、シス型の二重結合を3つもつリノレン酸などが知られています。

C18-corbonicacid-example

 
生物由来の脂肪酸の大部分はシス不飽和脂肪酸ですが、高温加熱したり、マーガリンやショートニングに加工したりする過程で、二重結合がねじれてトランス不飽和脂肪酸が生成することが知られています。
トランス不飽和脂肪酸を摂取すると体内で悪玉コレステロールが増えるといわれています。また、二重結合を多く含む脂肪酸からなる油脂は、加熱や経時により酸化したり硬化したりしやすくなります。

 
脂肪酸トリグリセリドなどのようなカルボン酸(R-COOH)とアルコール(R‘-OH)の脱水縮合物の総称をエステルと呼んでいます。エステルは、カルボン酸とアルコールを酸触媒の存在下で加熱・脱水反応させると生成します。

例えば、酢酸(CH3-COOH)とエタノール(CH3-CH2-OH)を少量の硫酸の存在下で加熱すると酢酸エチル(CH3-COO-CH2-CH3)と水が生成します。この反応は可逆反応で平衡状態にあるので、原料のエタノールを過剰に使ったり、生成物の水を硫酸なの脱水剤で反応系から取り除いたりすると、平衡が右にずれて酢酸エチルの収量を増やすことができます。酢酸エチルはパイナップルのような匂いのするエステルで、溶剤として油性塗料の薄め液(シンナー)などに使われています。

Formation-of-ethyl-acetate

 
こうした有機化学反応はどのようにして起こるのでしょうか。少し専門的になりますが、酢酸とエタノールから酢酸エチルが生成する反応の反応機構を以下に示します。
まず、酸触媒となる水素イオンが酢酸のカルボニル酸素にくっついてヒドロキシカルボカチオンができ、これにアルコールの酸素が求核攻撃をして縮合物の中間体ができ、これから水が脱離するとエステルになります。水素イオンは反応には関与しますが、生成物とともに再生し消費されないので、少量あれば触媒として何度も反応を促進する役目を果たします。

Mechanism-of-esterification

 

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