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2021/10/23

観光協会会報に寄稿しました。

観光協会会報 No.11 に「東浦にとって観光とは」という文章を寄稿しました。

Kankoukyoukai-kaihou-no11-20211001p1

 

東浦にとって観光とは

 東浦は、観光客が全国からきて、地元の観光業にお金を落とし、消費したお金が地元で回ることによって域内を潤す、いわゆる「観光地」ではありません。東浦であえて「観光」と言えば、自分たち自ら地元固有の魅力に気付き、それらを育て、楽しみ、自分たちに誇りと自信を持って、地元愛をはぐくむシビックプライドの取り組みであると考えています。自分たちのまちの良さを見つけてそれらを成長させることによって、より誇れるまちにして、ひいては町外からもそれを評価される、謂わば、まちづくりの過程です。
 東浦には、有史以前の入海貝塚、徳川幕府を生んだ水野家、巡礼道の残る弘法参り、随所にあるため池、鉄道の産み親ともいえる武豊線、製塩、醸造や繊維産業など、さまざまな歴史の香りがあります。ふるさとガイドの皆さんは、まちの歴史スポットを自分たちなりの解説を加えながら実際に見て歩く、まちの案内役をしています。おしゃべりをしながら現地の佇まいを肌で感じるガイドツアーにはその土地ならではのものがあります。リピーターも多いと聞きます。
 於大まつりも毎年多くの皆さんのご協力で盛大に開催しています。本当にありがたいことです。前夜祭は、ボランティアの皆さんの発案と行動力のおかげで、夜桜のライトアップのもと、意匠を凝らした竹灯籠の風情を楽しむ人たちが大勢訪れるようになりました。
 夏には、巨峰をはじめ様々な色、形、味のぶどうを楽しむことができます。これは長年にわたるぶどう農家の研究の成果です。
 まちの風土は、歴史とともに、その土地の地形や自然と深いかかわりを持っています。自然環境学習の森では、保全・育成の会が里山の自然を守る活動をしています。新型コロナ感染症が広がって以来、街の喧騒を避け新鮮な空気の中を散策する人が増えています。
 手入れの行き届いた庭園やプレーパークのある於大公園や開放的で見晴らしの良い三丁公園も人気です。市民参加でさらに魅力ある公園に育てていきます。
 東浦かるたには、町内の小学生が選んだ史跡や伝承の場所がたくさん出てきます。これらの場所は東浦の資源です。新しい場所も古い場所も併せて、東浦の気になる場所を再発見して面でつないでいきたいものです。
 今や、スマホで画像を撮って、魅力的な場所は一瞬でネット上に拡散する時代になりました。フォトジェニックな景観がますます重要になります。また、コスプレなどの若者のサブカルチャーは静かに浸透してきています。先日も、コスプレイヤーたちがより美しく写真を撮るために訪れた場所のごみ拾いをするイベントに参加しました。まちの魅力を引き出し育てるためには、新たな文化や価値観にも敏感でなければなりません。また、心地良くまち巡りをするには、おいしい飲み物や食べ物が欠かせません。
 歴史の再発見も、場づくりも、事づくりもすべては人の為せることです。まちづくりはひとづくり。2028年は、於大の方が生誕して500年にあたる年です。これを一つの節目として、東浦の魅力を再発見、再編集し、そこに住む人たちの中に輝く光を観たいと思います。

東浦町長 神谷明彦
 

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