木曽川の上下流の流域交流を進める活動をしている会の会報に寄稿しました。
8月に、愛知用水60周年にちなんで、木曽川流域 みんみんの会の会報に以下の文章を寄稿しました。以前、みんみんの会で講演をしたご縁もあり、寄稿の依頼をいただきました。
母なる木曽川から恵みの水を受けて 60 周年の知多半島から
~ 川つながり、上流からの恵みがなければ下流は生きていけない ~
愛知県とりわけ尾張地方の発展は、歴史的にも母なる川、木曽川に支えられてきた。古く は木材の産地として、大正から昭和にかけては電源開発、そして戦後の 1961 年には名古屋の東部丘陵を通って知多半島に農業用水、工業用水、水道水を供給する愛知用水が建設された。天水とため池に頼らざるを得なかった農業事情は一変した。臨海部には巨大な臨海工業地帯ができた。水道水は、井戸水に頼っていた家庭に質量共に安定した水を供給し、名古屋圏の人口増加を支えた。
ところが今、知多半島の南部の自治体では人口減少が進んでいる。日本全国ではすでに人口減少は明らかなことであり、都市近郊の知多半島北部でも、事情は同じで、早いか遅いかが違うだけである。人口減が悪のように言われるが、もうそれは避けがたいものとして 受け入れていく必要がある。むしろ大事なのは、それを前提としてどんな社会を描けるかだと思う。
これまで、昭和の時代、我々はがむしゃらにインフラを造り続け てきた。これからは維持管理が大変なことになるだろう。ダムや灌漑施設もこれから如何に上手に維持管理をして、末永く有効に使っていくかが課題となる。愛知用水幹線の二期工事は終わったが、支線や末端管路の維持修繕や耐震化が課題となっている。
上水道に関しては、1994 年の大渇水以来、大きな水不足は起きていない。また、急激な人口増加が止まって、節水も進んできたことから、水道水の需要は減り始めている。一つ残念なことは、木曽川の美味しい水が飲めなくなったことだ。木曽川の水はうまい。そして、如何に清流といえども長良川の河口の水は木曽川の中流の水に比べれば水質が劣る。知多浄水場の入口までは岐阜県八百津町の兼山で取った愛知用水の水が届いているのだから、これを飲料水に供給すべきだ。愛知用水の3ダム(牧尾ダム・阿木川ダム・味噌川ダム)を運用した木曽川の水でかなりのところまで対応可能だろうし、対応しきれないときは、河口堰の水を農業用水や工業用水に使うようにすれば良い。これは、運用のソフトでなんとでもなる話しだと思う。
上流と下流の関係は、日頃強く意識していないかも知れないが、我々は上流からいただいた水で生活していることは紛れもない事実である。定住しているわけではないし、定期的な交流があるわけでもないが、何らかの関わりと想いを持つ「関係人口」という言葉がある。生態系や地球のエコシステムがまさにそうであるように、上流からの恵みがなければ下流は生きていけない。川つながりであることを互いに誇りに思い、共にご縁を大切にしてきたいものだ。
神谷 明彦(知多郡東浦町長)
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