地域公共交通会議を開催
12月6日、令和3年度 第5回地域公共交通会議を開催しました。主な議題は、地域公共交通計画の素案についての協議と令和3年度のう・ら・らの乗車人数の報告でした。
現計画が令和3年度末で終了するため、新たな地域公共交通計画を作っているところです。名古屋大学の協力のもとで、住民アンケートと地区グループインタビューの結果から、①公共交通の利便性向上に関するもの ②公共交通の利用促進に関するもの ③公共交通の存続に関するもの の3つの課題を抽出しました。
上記課題を踏まえて、①もっと使いやすいものに ②もっと使いこなせるように ③ずっと使い続けられるように を目標に。アウトカム指標として、公共交通の利用頻度、公共交通の利用者数・利用台数、「う・ら・ら」の個別路線・系統の利用者数、駅・バス停勢圏の人口カバー率、各地区主要バス停から主要施設への利便性、高齢者の外出頻度、年代別の外出頻度、会話や交流ができる“お出かけ先”に「う・ら・ら」で行く人の割合、高齢者の運転免許証返納件数、最寄りバス停の認知度、「う・ら・ら」の収支率 を設定。
目標を達成するための施策として、以下のような案が協議されました。
(1)既存路線の利便性向上
・乗り継ぎに配慮した便利な路線とダイヤの設定
・誤乗防止のため緒川駅東口とイオンモール東浦でのバス停乗場の再編
・巽ヶ丘駅への利便性向上
・知多バス「刈谷中部空港線」の活用策
(2)新たな公共交通の導入検討
・タクシーを活用した新たな公共交通の導入実験
・地域の低速超小型モビリティの導入実験
(3)鉄道駅の拠点性向上
・緒川駅の高架下等を活用した賑わい創出
(4)公共交通の運賃支払い方法の充実
・キャッシュレス決済の導入
・「う・ら・ら」、民間バス、タクシーで回数券の共通利用
(5)情報発信で不安を解消
・町内公共交通、福祉移動サービスや町内外の施設・店舗を網羅的に案内するリーフレットを作成
・ダイヤ改正時には「う・ら・ら」の路線図・時刻表の発行
・個人の利用形態に合わせて提供する「マイ時刻表サービス」の実施
・各バス停の時刻表をPDFでホームページに公開
・誤乗防止のためバス停とバスの行先表記の統一
(6)モビリティマネジメントの手法を用いて人々の意識や行動を変える
・地域に出向いた乗り方勉強会の継続的な実施
・自分らしい公共交通の利活用プランを考えるワークショップを実施
・公共交通の体験乗車会を随時実施
・高齢者運転免許自主返納支援事業を強化
(7)公共交通が利用しやすくなるように応援する
・公共交通の運行時間や経路に合わせた町内行事の実施
・「う・ら・ら」の時刻表や接近情報を協力施設や店舗で表示
・住民や地域団体による公共交通利用機会づくりの推進
・公共交通利用状況・運営状況の情報公開
(8)部署横断的に一丸となって、公共交通が利用しやすくなるよう応援する
・新たに建設する公共施設は公共交通で訪れやすいようにする
・役場主催会議等の開催推奨時刻リストの作成と周知
・交通事業者の就職相談会などの開催支援や併催
いずれも努力すれば実現性があり、結構意欲的な案が出たのではと思います。これに対して、ラスト半マイルや乗合乗車にタクシーをうまく活用できないかなどの意見が出ました。また、名古屋大学の加藤博和教授からは、「計画に、誰がやるのか主語が無いから、人ごとになってしまって、活発な意見も出ない。誰が、いつから、いつまでに、何をやるかを書かないと、計画とは言えない。役割分担を明確にすべき。」それから、「マイ時刻表サービスはアイディアソンなどでアプリを作ってやるべき。」などの意見が出ました。
「う・ら・ら」の月間乗車人数の推移については、2019年10月のダイヤ改正前までは、毎月平均21,700人ほどの乗車で横這い。ダイヤ改正で当初毎月19,200人ほどまで下がって、通常であれば徐々に認知度が上がるところにコロナ禍に見舞われ、2020年4月には8,687人と直前の45%まで激減。その後、回復基調にあり2021年10月にはほぼコロナ直前のレベルに戻ったように見えます。
知多バス路線では3割以上の減で、民間バス路線は大都市の方が減りが大きい傾向があるそうです。JR武豊線は駅にも依るが、約1割減になっているとのこと。
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