時事通信に寄稿
時事通信社の専門情報誌「地方行政」に、“住みがいのある まちづくり”と題して寄稿しました。
12月13日号の巻頭言「道標」のコラムです。
住みがいのある まちづくり
神谷明彦 愛知県東浦町長
東浦町は、知多半島の付け根にある人口5万人のまちで、名古屋駅まで電車で約30分の立地だ。東側は境川とそれに続く衣浦湾を隔てて自動車産業の盛んな西三河と接している。
就任以来、住民が住民の意思で「自分ごと」としてまちづくりに参加すること、行政も一緒になり、納得づくでまちづくりを進めていくことを柱としてきた。住民の意見を聴く会議はすべて公開とし、公募委員に入っていただくようにした。ワークショップや、若い世代の思いを実現しようと若者会議も行っている。
まちの持続的発展のためには、自然環境を守ることが欠かせない。名古屋都市圏の中で利便性と恵まれた自然を感じながら生活できる環境は大事だ。里山の自然や里地の田園景観を大切にするまちづくりを進めている。
持続的発展のためには、財政の健全性も欠かせない。行財政運営の流れとして、福祉の水準を維持・発展させながら、事業に優先順位を付け、無駄を省き、借金を返して貯金ができる体制づくりに努めてきた。それは結果として表れてきているが、節約だけではまちの発展は得られない。将来への投資にも目を向ける必要がある。
その意味を込めて、コンパクトなまちの構造を維持し、発展の余白として駅を拠点とした市街地の拡充や道路整備を進めている。また、企業の進出や拡張、再投資を促す施策により、働く場、価値創造の場をつくり出そうとしている。
仕事の進め方として、エビデンス(根拠)に基づく科学的・定量的なアプローチが欠かせないと考えている。職員のデータ分析力の涵養や研究機関との連携が必要だ。職員が異なる部署とコラボレーションすること、住民の中に交じって一緒に「志事」(志を持って行う仕事)をする姿勢も大切だ。
近年、職員発案の事業や住民発の公共施設活用なども増えている。すべての当事者が持ち前を発揮し、やりがいと生きがいをもって参加するまちづくりが、さらに進んでいくことを期待している。
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