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2022/01/31

商工会 新年の会 でお話ししたこと

昨年は感染症の影響で開催されなかった商工会の賀詞交歓会が、1月8日に「新年の会」として飲食無しの挨拶のみで開催されました。恒例の町長年頭所感では、以下のようなお話しをさせていただきました。思いつくまま、放談になってしまいました。少し長いです。

 

 明けましておめでとうございます。旧年中は大変お世話になりました。
 町を挙げてのワクチン接種など、今まで経験したことのないようなことを何とか行うことができたのは、皆さん方の協力があってのことです。改めて御礼申し上げます。

<新型コロナワクチン接種>
 新型コロナワクチン接種については、医療関係者のご尽力と、住民の皆様のご協力で順調に進み、町全体の接種率は約87%、高齢者では9割以上、最も接種率の低い20歳代でも約78%となりました。
 感染症の方は、第5波が終わって、しばらく非常に低く抑えられていましたが、オミクロン株が入ってきて、いきなり新たなピークが立ち上がってきました。これから、感染者が急増し、東浦町においてもかなりの感染者が出ることになると懸念しています。市町界にバリアがあるわけではないので、どのまちも同じような状況になるでしょう。大切なことは一人一人が自分自身を守ることです。予防接種の効果で、重傷者が出ないことを期待します。
 3回目接種は現在すでに医療従事者向けに始まっており、一般の皆様にも順次接種の案内(1月12日から接種券発送、22日から個別接種を開始)をしているところです。

<コロナ関連経済対策>
 令和2年から令和3年にかけて、様々なコロナ関連の支援策を実施しました。商工振興課が積極的に新しい補助の制度などを考えてくれました。食事クーポン券事業では商工会の協力でクーポン券の約9割が利用され、町の歳出約1億3千万円と皆さんの500円券当たり200円の支出を合わせて2億2千万円以上のお金の流れを喚起することができました。
 どんな経済対策を打ったらよいかはいろいろ迷いました。水道の基本料金をタダにするみたいな話しがありましたけど、口径20mmの基本料金は2ヶ月で429円、これを全戸タダにしようとすると年間約5000万円。大変な額が必要になります。それをやったからと言って皆さんの生活がそんなに変わるわけではありません。薄く満遍なく配ってしまうと税金は生きてきません。タイムリーに本当に困っているところへ支援するのが理想です。
 新型コロナウィルスの影響は、業種・業態によっても全然違うし、中には同じ仕事をしていても儲かっていたり、事業者ごとに状況が異なっています。一つ言えたのは、飲食関係は確実に落ち込んでいたことです。

<コロナ禍の中での令和2年度決算>
 令和2年度決算では、一般会計で210億円という過去最大の支出をしたにもかかわらず、町債は縮減、基金は増加し、決算では黒字が出ました。これは、ひとえに町税の落ち込みが大きくなかったこと、国・県の手当があったこと、ふるさと納税で多額の寄附をいただけたことで、本当に助かりました。
 いま令和4年度の予算編成中ですが、来年度は財源不足の状態で非常に苦しい予算編成となっています。それは、子ども、高齢者関連の経常的な福祉の給付が膨らむことに加えて、於大公園再整備事業の支出もあるためです。

<巣ごもり解消>
 昨年、巣ごもり解消のために企画した「東うらうら体操web選手権」は70件ほどの応募があり盛り上がりました。これは健康福祉部のアイディアです。
 自然環境学習の森では、自転車の人やカメラを持って歩く人が増えました。於大のみちを歩く人のために明徳寺川沿いの道路を歩きやすく整備しました。
 中央図書館の視聴覚・ブラウジングコーナーでは、企業版ふるさと納税を使って、横浜に本社を置くAIDから、カリモクの家具を寄付いただいて「ゆめラビコーナー」をオープンすることができました。

<その他、令和3年に行った新規事業>
 令和3年1月から東浦町妊婦医療費補助制度がスタートしました。これは、母子手帳の交付を受けてから5か月間、すべての疾病について妊婦医療費が無償となる県内初の制度です。加えて、結婚新生活支援補助金や三世代近居等定住促進補助金など若い世代の応援策を充実させました。ほかにも、災害時に、各地区で細かな応急給水が主体的に行えるよう、軽トラックに積載可能な300ℓの給水タンクを配備しました。
 於大のみちの図書館から坊主橋までは明徳寺川を渡ることができません。以前からご意見をいただいていましたが、橋を架けるのは大変なことです。そこで、再会広場付近で明徳寺川を渡れるように河床に飛び石を設置する工事を今年度中に完了します。
 また、天白遺跡の一部を保存・紹介する天白遺跡ひろばを整備しています。単なる公園にして石碑を立てるのではなく、遺跡をそのまま残して上をガラス張りにして見えるようにしたいところですが、水が入ったり、草が生えたりしてしまうので無理があります。そこで、遺跡に表土をかぶせてそのまま保存し、遊具は置かずに、発掘された時の柱の跡や溝のパターンを地表にカラーで描いて、擁壁の側面には“遺跡がこのレベルに埋まっている”ことを図示、展開図風に眠っている遺跡をイメージできるようにします。周囲の道路までカラーでパターンを描こうよと言ったら、職員にそれはダメですと言われました。

<小中学校のICT教育>
 町内の小中学校では、一人1台ずつ配備したタブレット端末を活用した授業が行われています。子どもたちには、新しい情報機器を使って、自分なりに必要な情報を集め、対話を通じて主体的に学び、自ら考え判断し、それを他者に伝える力を育んで欲しい、そして世の中を動かす人材が育って欲しいと願っています。
 先生たちもタブレットを使った新しい授業を日々模索中です。今年度お試しで使っている学習支援ソフトを来年度予算で本格導入する予定です。

<令和3年に行った商工振興課関係の仕事>
 商工関係では、投資を促進する補助金、採用のPRに使える補助金、PCP策定の支援をする補助金など、このところ新たな補助金を創っています。商工会長が「使える商工会」を目指しますとおっしゃいましたが、町も「使える施策」をつくっていきます。
 11月にイオンモールで開催した「東浦だらけ展」は、見に来られた方に大変好評でした。イオンモール東浦のゼネラルマネージャーからもディスプレイが素敵でしたとお褒めをいただきました。東浦町としては珍しく、映像クリエーターに委託したら、社長自ら東京から出てきて各出展事業者を回って内容を把握したうえで、物販コーナーで販売をしていました。お金はかかりましたが、委託先のレベルの高い仕事ぶりを感じました。人の心を動かすデザインの力は大事です。例えば、町の道路などでも、道路構造令どおりの画一的な仕様でつくるばかりでなく、本当はそこにあった使い心地の良いデザインがあってよいと思います。センスの良いまちづくりをしたいところです。

<大規模工業立地>
 待ちに待った石浜工業団地は、豊田自動織機による第1期の車載用バッテリー工場の建屋がほぼ完成して、今年後半から出荷予定だそうです。隣接する敷地で2期工事も始まっています。また、従前からコンプレッサーを造っている豊田自動織機東浦工場では隣にほぼ同規模の工場を増設しています。

<名古屋三河道路>
 名古屋三河道路は、西三河から刈谷、東浦を通って知多市に抜けていく高規格道路で、構想実現がいつになるかはまだわかりませんが、愛知県の尽力で少しずつ着実に進んでいます。交通のネックとなっている衣浦湾奥部に橋をかけて西三河と知多半島北部をつなげる意味は大きい。そして知多半島は東西軸が弱いです。名豊道路がパンク状態なので、安城あたりでこちらへ分岐し、知多半島を横断して名古屋港につながっていくネットワークを重要物流道路に位置づけてもらうよう国に要望しています。

<コンパクトなまちづくりの推進>
 緒川新田地区は、都市計画道路名古屋半田線の整備と併せてまちづくりができると良いのですが、なかなか地権者の合意が得られません。
 森岡南部地区では、ちょうど森岡と緒川の間の市街化されていないところで区画整理を始めようとしています。森岡駅へも緒川駅へも1km圏内で、都市に残った好立地の余白ととらえています。都市計画道路養父森岡線も併せて整備したいと考えています。養父森岡線はウェルネスバレー地区の土地利用にも必要となってきます。
 あとは東浦駅周辺です。東浦駅西側ロータリーはJRの土地なので購入して町有地として再整備します。新しく建ったマンションの前の道路を拡幅して駅前の使い勝手を良くしていきます。武豊線の東側にはもともと市街地があるので、東浦駅の東口改札もつくりたいと考えています。いま国道366号で止まっている都市計画道路藤江線を366号バイパスまで延伸し鉄道の東西を結びます。
東浦町に多くある鉄道駅を有効活用し、コンパクトで暮らしやすいまちづくり、かつそこにデザイン的な魅力を入れていきたいと思います。

<デジタルによる大きな変化>
 先日、ジャパンディスプレイの東浦工場に行ってきました。フェイスブックがメタと改称して、仮想空間ビジネスに本格的に乗り出します。いまVRディスプレイの需要が旺盛だそうです。半導体が(給湯器も手に入らないほど)品不足のため、造りたいだけ造れないけれども需要は確実に伸びているそうです。
 VRゴーグルは、大型スクリーンではなく、小さなディスプレイを虫眼鏡みたいなレンズを通して見る構造になっています。小型のディスプレイは東浦工場の得意分野です。繊細な歩留まりが要求されるので、幸いこの分野では日本が3年はリードしているとのこと。最近、日本が負けてる話しが多い中で、これはすごいです。小さなものを大事に精密につくりこむ技術は日本が長けています。
 来年度から役場もDX課をつくります。もちろん変わらない部分もありますが、いろんなところで世の中はどんどん進化しています。単なるデジタルへの置き換えではなく、自分たちの仕事とどう絡まるかをよく考えながら新たな技術を取り入れていきたいと思います。

<2021年に活躍した人>
 昨年も、東浦の人が世界で活躍しました。7月には山口浩勢さんが陸上男子3000m障害で東京オリンピックに出場しました。役場にお兄さんがいます。本人はいたって自然体ですが、役場にオリンピック選手の身内がいるってすごくないですか。
 5月には世界的なコンクールであるベルギーのエリザベート王妃国際音楽コンクールのピアノ部門で、務川慧悟さんが3位に入賞しました。務川さんはずっと東ヶ丘に住んでいて西部中学校出身なのですが、本籍は東海市なのです。だから報道などでは東海市出身となっていてあまり東浦が出てこなかったのが残念です。
 山口浩勢さんは、いまは東浦在住ですが、知多市に長くいて愛知駅伝も知多市で出場しています。2018年の平昌オリンピックでスノーボード競技に出場した國武大晃選手は、保育園から中学校まで東浦町で育って、となりの阿久比町に引っ越したので、“阿久比町民の”みたいな報道でした。
 考えてみればひとりの人が一つのまちにしか関わりがないなどということは稀なことです。それだけに、帰属がどうこうというよりも、さまざまなご縁のある者同士が互いに応援をして、喜びを分かち合い元気も貰い分けさせていただくことが、ご本人にとっても嬉しいだろうし、関係者の喜びも何倍にも膨らむことだろうと思います。

<5万人でつくるまち>
 5万人いれば、いろんな人がいます。ある分野にとても有能な人、人徳のある人、エネルギッシュな人、すごい人はいるものです。互いに、人の良いところを引き出しながら良いまちづくりができればと思います。令和4年も皆でもっといいまちになるよう頑張っていきたいです。どうかよろしくお願いします。
 

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